2024年1月16日(火)の300字小説

「うわ~! このモンスター強すぎ! 倒せない~」
「待ってろ、今そっちへ行くから」
 ともくんとゲームをするのが好きだ。なんというか、お互いペースが合う。
 ともくんとは幼馴染だ。高校の頃はちょっと疎遠がちだったけれど、同じ大学に入って、学部は違うけど、また親交が復活した。
 ともくんの家に居ても気を張らないでもいいところが居心地がいい。疲れないし、自分のままでいられる。
「あー! やられちゃった。ごめんね」
「いいって。再挑戦しよう?」
「うん!」
 大学生だけど子どものままでいられる。そう思っていたけれど。
「ねえ、大学出たら一緒に暮らさない? で、ゆくゆくは結婚しない?」
 子どものままでいられると思っていたのは、私だけだった。

おしまい

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