置いてけぼり

生まれてから死ぬまでの生い立ちは過酷かも。この先、ハッピーエンドが待ってなくても、別に泣いてない、嘘じゃない。

明日は母の日。アルバムを見ながら振り返る。
毎日を記録してある母子手帳は何回も読み返した。

保育園に通ってた頃に母さんはいなくなったけど、指折り数えるくらいの思い出ならある。台所の後ろ姿。保育園の帰り道にくれたかっぱえびせん。知らない男の家に行ったこともあるけど、今思えば、あれは不倫相手の家だったんかな？

未だに離婚した理由は知らない。

もしも離婚の原因が異性の問題だとしたら、世間ではよく聞く話だ。男女の関係は複雑で単純。遊びなら尚更、深く考えない、楽しむだけ。ぶっちゃけ、愛がなくても子どもは生まれる。

恋愛するようになってわかってきた。

最初は愛し合っとったとしても、
何気ない会話からも喧嘩が増えていって、
徐々に愛情が薄れていったんかな？

もしくは、俺はコンドームをつけずにsexして
望まずに産まれたタイプの子どもですか？

小学生の頃は、靴を飛ばして天気を占っとった。嫌いだったのは参観日とか運動会とか、学校のイベント。みんなは母さんが来とるのに、自分には来てないのがコンプレックスだった。

セブンイレブンのおにぎりがお袋の味。
って事実は、客観的に見ればやっぱり哀れだ。

ふとした時に寂しくなって
「なんで俺だけなん？」って、
小鳥のさえずりみたいに弱音を溢したこともある。

けど両親を責めるつもりはない。

我慢を続けて人間が壊れるくらいだったら、他の家庭を築いた方がいい。って気づいた方がいい。人生は思ったよりも長いから、後悔したならやり直せばいい。

どこに行こうと本人の自由。
残された側はしんどくても、俺は強く生きとる。

いつか会う機会があれば会話が弾みそう。好きな音楽とか、紹介したい友達とか、話したいことが沢山ある。もしかすると、言葉のキャッチボールどころか、話すことが多すぎてドッチボールみたいになるかもしれん。

人間は馬鹿じゃけ、後悔しながら勉強する生き物。失敗したら反省すればいい。過去が最悪でも、自分次第で未来は幸せになれる。

俺も母さんも、
ここまでやってきたことは正解じゃない。
けど絶対に間違いだらけでもない。

別れが来ても離れるのは距離だけで、心は離れない。だってきっと、今日も同じ空の下で生きとる。