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南米 マチュピチュ/ウユニ塩湖/アタカマ砂漠で予防接種(ワクチン)は必要か

念願の南米旅行。
行き先はマチュピチュ、ウユニ塩湖、アタカマ砂漠。

折角行くのだから現地で病気になることは避けたい、もしくはなってしまったとしても被害を最小限に抑えたい。

そう思い、私は渡航前に予防接種を打つことにしました。実際に打ってみて、また南米を訪れてみてどうだったかの感想を書き留めたいと思います。


はじめに

はじめに押さえておくべきは旅行先で必要になる予防接種。
南米といえど都市やアマゾン地域など国や地域によって異なるためまずは旅行先についてネットで調べてみました。

FORTH|国・地域別情報

そして、早めにお医者さんに必要な予防接種を相談するとよいです。私も最終的に何を接種するかは相談して決めました。

今回は、私がペルー(リマ/クスコ/マチュピチュ)、ボリビア(ラパス/ウユニ)、チリ(アタカマ/サンティアゴ)を訪れるにあたり、接種したワクチンをご紹介します。

※ワクチンは接種しましたが、旅では特に体調を壊すことなく健康に過ごすことができました。

私が受けた予防接種

予め必要になりそうな予防接種を調べた上で、渡航者医療センターで相談をした結果、私は3つのワクチンを接種しました。

①A型肝炎

水や食べ物がやや不安であったため、A型肝炎の予防接種を受けました。ペルーのリマはセビーチェに代表されるように魚が美味しい場所ですが、行ったことがない故にどれくらい綺麗な水や衛生環境かがわからなかったため、接種することにしました。

A型肝炎のワクチンは一般的に2~4週間の間に2回接種するのですが、私は仕事の都合でなかなか予約ができず、出発の2日前に2回目を接種しました。

今回の旅は食べることがメインのひとつだったため、不安を除くという意味でもこちらは接種してよかったと思いました。

症状

ウイルスに感染し、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)が現れます。潜伏期間が長いので、感染機会は前回の旅行時であったということもあります。

A型肝炎(Hepatitis A)

感染経路

ヒトからヒトへの直接的な接触(糞口感染)、または汚染された食品や水の摂取によって感染します。冷凍してもウイルスは不活化されず、氷や冷凍食品を介して感染する可能性があります。また、性交渉によって感染することもあります。

A型肝炎(Hepatitis A)

②狂犬病

感染している野良犬をはじめとする哺乳動物に嚙まれたりひっかかれたりすると人にも感染する狂犬病。海外では野良犬が歩いているイメージもあったため、念のため接種しました。

狂犬病は噛まれた後に早急に処置すればよくなる認識でいますが、渡航前に複数回ワクチンを接種できると、もし感染してしまっても、処置が比較的楽になります。

ただ、私が渡航した国と地域は野良犬がほとんどおらず、なおかつ自分から近寄らない限りは噛まれる恐れもなかったため、こちらは接種しなくてもよかったと思っています。

症状

ウイルスが直接中枢神経を侵した場合、10日目あたりから、発熱、頭痛、全身倦怠や嘔吐などを起こします。一方、末梢の神経線維に感染した場合には、ウイルスは非常にゆっくりと脳へ向かうので、発症まで一般的に1カ月~3カ月程度の期間を要します。極めてまれに発症までに数年の年月を要することもあります。発症後は、ものを飲み込みづらくなり、液体を飲もうとすると筋肉がけいれんするため、水を恐れるようになります(恐水症)。また、風をおそれるようになる恐風症状も特徴的です。やがて昏睡状態となり、呼吸が麻痺し死亡します。

狂犬病(Rabies)

感染経路

ウイルスは感染動物の唾液に含まれます。哺乳動物に咬まれたり、傷口、目や口の粘膜をなめられたりすることで神経系の細胞に感染します。動物は前足をなめるので、ウイルスの付いたツメで引っかかれても感染する可能性があります。

狂犬病(Rabies)

③黄熱病

イエローカードと呼ばれる黄熱の予防接種証明書がないと入国できない国もあるため注意が必要です。今回私が訪れた国の中ではボリビアが該当します。ボリビアは黄熱に感染する危険のある国から入国する際に求められるようです。そのため、感染する危険のある国がどこであるのかなど前後の旅程も考慮して検討する必要があります。

黄熱について

私たちは何かあることのリスクを嫌い念のため接種していきました。また、一度接種すれば生涯有効とお伺いしたため今後も必要になる機会はあるだろうと接種することにしました。

症状

潜伏期間は通常3~6日で、一般的な症状は発熱、筋肉痛、頭痛、嘔吐などです。ほとんどの場合は3~4日で症状が消失しますが、短期間(48時間以内)の改善の後に、高熱、黄疸(皮膚や目の黄色変化)、出血、ショック、臓器不全などの重篤な症状が出現する場合もあります。重症化した際の致死率は30~60%と言われています。

黄熱について

感染経路

ウイルスを持っているネッタイシマカなどに刺されることで感染します。ヒトやヒト以外の霊長類がウイルスを保有しており、蚊を介して霊長類からヒト、ヒトからヒトに感染します。ヒトからヒトへ直接感染することはありません。

黄熱について

南米を旅してみて

①ペルー(リマ/クスコ/マチュピチュ)

リマとクスコの中心部は比較的綺麗な街だったため狂犬病の恐れは全くありませんでした。リマはセビーチェなど魚を使った料理が豊富でしたが、ある程度ちゃんとしたレストランを選べばA型肝炎の不安もない印象でした。ただ、何があるかはわからないため接種しておくと安心かと思います。

マチュピチュには温泉があるのですが、そこで蚊にとても刺されたため何か感染しないか若干心配になりましたが、こちらも問題ありませんでした。

②ボリビア(ラパス/ウユニ)

ラパスとウユニも感染の危険を感じることはほとんどありませんでした。ラパス、ウユニともに少しローカルなお店に入ると衛生環境など心配かと思いますが、そうでなければ問題ないかと思います。野良犬もほとんどおらず狂犬病の不安は全くありませんでした。

③チリ(アタカマ/サンティアゴ)

チリも同様に、感染の危険を感じることはありませんでした。もちろん、水道水は口にしないことなど注意を払ってはいましたが全く問題ありませんでした。サンティアゴも海鮮がとても美味しい地域ですが、リマと同様にお店を選べば不安なく過ごせるかと思います。

注意点

①ワクチン費用

もしワクチンを接種する方はワクチン代を旅費に組み込むことを忘れないようにしてください。航空代、ホテル代、食費など主要な費用で見積もる方が多いかと思いますが、ワクチン代も高額となるため事前に調べることをおすすめします。例えば黄熱ワクチンは証明書代を含め約2万円ほどします。

②黄熱ワクチンの接種機関

黄熱ワクチンを接種する場合、接種可能な機関が多くないこと、原則予約制であること、平日のみ実施している機関が多いことに注意が必要です。平日は仕事で休みづらい方などは早めに調整しましょう。

黄熱について

③期間

複数回接種が必要なワクチンもあるため、早め早めの対応が吉です。ワクチンによっては1回目から2回目を数週間空ける必要があるなど、何をいつ受けるのかの予定を立てることが大切です。医療機関の予約の空き状況とも関連するため早めにお医者さんと相談しましょう。

最も注意すべきは、実は高山病

予防接種の話をこれまで書いてきましたが、実は最も考慮すべきは高山病です。

特に今回私が訪れた、クスコ、マチュピチュ、ラパス、ウユニは非常に標高が高いです。また、移動も飛行機が多く、体を慣らしてから高地に行くこともなかなかしづらい。そのため、高山病には注意が必要となります。

私は、上記の予防接種を受けた際に、お医者さんに高山病のことも相談し、ダイアモックスという高山病の薬を処方してもらいました。

ダイアモックスは高山病の予防薬として高地へ到着する前日から飲み始めます。私はあまり効果を感じませんでしたが、飲むと飲まないでは大きくことなったかもしれないため、こちらは必須といってもいいほどあったら安心かと思います。

そして、高地だと消化不良になりやすいとのことで、おなかの調子が悪いこともありました。(ただの食べすぎの可能性もあり)そのため、胃腸薬もあると安心です。こちらは市販のものでも日本から持っていくとよいかと思います。

体調がよければ旅行もより楽しむことができるため、不安を取り除くという意味でも予防接種を検討してみてください。

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