しらない
たくさんの「しらない」があることを知った。
地方の田舎で18年間育った私、
建前:進学
本音:夢を叶え に上京することにした。
色々な理由で私立大学に行くことになり、
親に後ろめたさもあって、
できるだけお金をかけずに引越しをした。
キャリーバッグひとつで
ひとりでやってきた。
これまでの私は、
何も置いていない部屋というものを
人生で見たことがなかった。
住宅展示場だって照明はあったし、
カーテンもあったと思う。
無いんだ。
鍵渡しの日、
担当のお兄さんに思わず聞いてしまった
「天井のコンセントみたいのはなんですか?」
18年間、部屋には既に照明があった。
照明ってコンセントにプラグを挿すのか。
そりゃそうか、電気で点くものな。
そしてカーテンや障子のない窓。
まぁでも無くてもよくないか。
外がよく見える。
「女性ですし、早くカーテンを
手に入れないと困りますね」
???
お兄さんの言うことがわからなかった。
あ、そうか、
こちらからも外が見えるということは、
外からもよく見えるのか。
とはいえ、
学校の入学式など色々あって、照明とカーテンを買ったのは、しばらくしてであった。
それまでは着替えは窓から見えないようにしゃがんで着替えた。
夜は照明がなく真っ暗だったが、特にカーテンがなくても困らなかった。
携帯電話や、(何故か初日に購入した)懐中電灯、ユニットバスに備え付けの照明(ここはあるのか)の明かりで過ごしていた。
そしてついに近くのホームセンターで
照明を購入することになった。
実家の部屋では、
カチカチと紐を引っ張る照明を使っていた。
天井のコンセントにそれをくっつけるなら、
なんとなくイメージできる!
と、意気込んで行ったがそのタイプは少なく、
ドーム型の照明ばかりであった。
な ん だ こ れ
確か新築のお家にあるやつだ。(偏見)
これもコンセントに挿せるの???
わからない…
これじゃあカチカチできないから、
リモコン?が必要?毎回壁のスイッチ押すのか?
利点あるかな???オシャレ???
店員さんに声をかける。
「このドーム型だとほこりが溜まらないんですよ」
たしかに!?!?!?
カチカチタイプはよく上に虫の死骸やホコリが溜まって、揺れると舞っていた…それが無い!?スゴッ
ただのオシャレデザインじゃなかったのか。
ちゃんと意味がある形なのだな 買った。
見本品をそのまま購入したので、
リーズナブルでいい買い物をした!と帰宅。
さぁて、いよいよこの部屋に
明かりを灯しますよ~!
…
…
…
え?手が届かない…。
天井って、高くない?(当たり前)
ほう、照明買ってきても、
手が届かないってあるんだ。(大いなる気づき)
さて、どうすれば。あ、椅子か!
いや無い!椅子なんてない!
ど う す れ ば…。
部屋にあるのはシーツもまだ買っていない布団と、
キャリーバッグ、数日分の衣類…。
やるしかない…!
(今思うと椅子か台を買いに行こう!)
①敷布団、掛け布団を畳んで重ねる。
②その上にキャリーバッグを乗せる。
③さらに服を畳んで乗せて、どうにか高さをだす!
④あとは背伸び!
いっけぇぇぇぇええ!!!!!
どうにか、挿せたああああ!!!
はぁ、
どうにかなるもんなんだな…。
…
…
…
あれから十数年、取り替えていない照明。
(LEDなのかな)
あんな無理やりで取り付けられたのが
嘘のようだな、と眺める度に
かすかに思い出します。
あ、そうです。
上京して最初の部屋にかれこれ
十数年住んでいます^^
他のみなさんはどうやって
ひとり暮らしを始めたのでしょうか。
私のような「しらない」ばかりの
スタートしましたか?
#上京のはなし