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仲間と目標を実現する「共創」で地域の課題に取り組む3つのポイント


いま、社会や地域のさまざまな課題を解決するために、仲間たちと共創する取り組みが各地で行われています。
共創とは、多様な立場の人たちと対話しながら新しい価値を「共」に「創」り上げていくこと。

このようにすでに同じ想いをもった仲間と出会い、自分のやりたいことをカタチにしている方々はいったいどのように活動をスタートし仲間と出会ってきたのでしょうか?

本記事ではイベント「つながりプログラムー多くの仲間と想いをカタチに変えるための共創のデザインとはー」に登壇した共創のデザインの実践者である2名のゲストのお話をまとめました。

すでに地域で活動している方には改めてご自身の活動や想いを整理する時間に、これから地域で活動する方には地域との関わり方から仲間との出会い方が学べる時間になるので、ぜひご覧ください!

ゲスト講師

・藤岡 聡子(Fujioka Satoko)さん

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ほっちのロッヂ共同代表・福祉環境設計士
株式会社ReDo 代表取締役
1985年徳島県生まれ三重県育ち。夜間定時制高校出身。2010年に24歳で介護ベンチャー創業メンバーとして老人ホームを立ち上げた時から「老人ホームにはなぜ老人しかいないのだろう?」との問いを持ち続けている。2015年デンマークへ短期留学、その後起業。2017年豊島区にあるゲストハウスの1階で「長崎二丁目家庭科室」をつくり、住んでいる人の「好き」を起点にした表現の場に1,000人以上が訪れ話題に。2019年長野県軽井沢町へ3人の子を連れ家族で移住後、9月に訪問看護ステーションを立ち上げ、2020年4月に「ほっちのロッヂ」をスタート。在宅医療拠点を「ケアの文化拠点」と名づけ、人の流れが生まれる生き物のような場をつくろうと試みている。


・西濱 萌根(Nishihama Mone)さん

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株式会社NINIROOM 共同代表
1985年大阪生まれ。神戸大学発達科学部を卒業後、パナソニック株式会社へ入社。商品企画、開発営業を担当し、プロジェクトマネジャーとして12名のチームをまとめ、商品化から市場導入を経験。その後、住空間の宣伝部、住宅設備商品の販促プロモーション企画へ異動し、マスコミからショールームでのイベント企画まで、年間を通した販促プロモーションの企画・推進を担当。2017年6月に株式会社NINIを設立し,12月には神宮丸太町にHOSTEL NINIROOM(以下NINIROOM)を開設。現在は、岡崎エリアで暮らす人や訪れる人へのインタビュー記事を掲載したホームページの開設や,宿を起点とし様々なプロジェクトを生み出し、地域や事業の魅力を発信している。

自分の「やりたいこと」を言語化して周りに伝える

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西濱:自分のやりたいことをいろんな人に伝えて、足りないところを同じ立場で面白がってやってくれる人と一緒にやることが多いですね。

藤岡:自分がやりたいとかやってみたい気持ちがなきゃ不健全だなって思うわけですよ。自己犠牲の上にやっちゃダメだから自分がやりたいなってところにうまいこと仲間が見つかってきたのがこの10年ぐらいです。

お二人とも自分のやりたい、やるべき活動にすぐに取りかかる!ではなく、やりたいことを整理、言語化し、自分の想いを周りに伝えています。

西濱さんはNINIROOMの開業前、コンセプトに合ったターゲット層に利用してもらうために自分のスキルからできることを考え、いろんな人にアイデアを共有してもらい長い時間をかけて今のNINIROOMを築きあげました。

藤岡さんは介護や医療に関する専門知識がない中で事業を立ち上げました。素人だからこそ生まれる「なぜ?」という問いを自分のなかで立て続け、そこに同じ想いをもった人たちが集まり、カタチになりました。

西濱:デザインというのはグラフィックデザインということよりも、どう伝えるかだと思っています。自分たちが何を伝えたくて受け手がどうしたら一番分かるかを突き詰めていくことがデザイン。一度受け手側に立って、その後情報をどう組み立てるかが一番大事です。

仲間たちと共創する取り組みができている人は、自分が届けたい場所・人に視点を置きかえ、常に受け手のことを考えて自分の活動に活かしています。

「地域の特有×自分のやりたいこと」を組み合わせていく

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藤岡:カフェがしたいとかこんなことやりたいという相談があって、アイデアは素晴らしいと思うんだけど、まちの人と何人会いました?って思うんです。

まちの人に会って感覚とか好きなものを自分のアイデアとうまくかけあわせていくと、最初から受け入れてもらいやすくなります。まちの人が「お茶会の人か!」と私の存在を知ってくれていたり。まずはまちの人と出会うべきです。

この言葉にドキッとされた方もいるのではないでしょうか。地域のさまざまな課題に取り組むときに自分のやりたいことだけを考えて活動をすると、その地域の人に受け入れてもらえない、響かないなんてことはよくあること。地域のなかに入って活動をするのであれば、その地域の人を深く知ることが重要になります。

とても興味深かったことは、活動をする前に必ず拠点となる地域で「月一お茶会」を1年間開催することです。年齢も所属もバラバラの人に会うために場所も時間も曜日も変えて、その地域にどんな人が住んでいてどんなものが好きなのかを暮らしている人の目線から地域を、人を知ることができます。

正直、コミュニティデザインが得意な藤岡さんだからできることかもしれません。ただ、同じようにできなくても、自分のやりたいことと地域が求めるものをうまくかけあわせるために、とにかく足を動かし地域の人と出会いまくることは誰でもチャレンジできそうです。

「共犯者」になってもらうことで仲間が増える

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西濱:活動を始める前にいろんな人にアイデアややりたいことを言って、共犯者になってもらうんです。自分たちのアイデアに意見をもらって自分たちなりのカタチにしていく。

それを共犯者みたいに思ってもらったら関わる人数も増えるし、出来上がったときに自分のものと思ってくれる人が多くなる。一緒に考えたものがカタチになってるって嬉しいと思うから、そういうきっかけづくりのためにも話していくってことは大事だと思います。

どっぷり活動に関わっていなくても、少しでも相談に乗ったりアイデアを共有していたらその人は立派な共犯者であり一緒につくりあげた人になるのです。やりたいことを周りに言い続けているからこそ、アイデアをもらえる環境ができ、同じ想いをもつ仲間と出会える機会が増えます。

人を巻き込むことが苦手でも、最初は自分のやりたいことに乗っかってくれた人と小さくつくって、またそこに一人二人...と少しずつ増えて、結果的に長いチームをつくっていけるのではないでしょうか。

地域に入り込むことの大切さ

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お二人とも地域に入り込んで、そこに住む人たちが心地よいと思える空間づくりとご自身がやりたいことをうまく掛け合わせて活動されていました。

地域課題に取り組むなかで、あらためて地域の人とたくさん出会う、知る、自分の想いを伝えるということ意識して活動していくと、共犯者(仲間)を増やせるかもしれません。


今回参加された方々からは、これからの活動に活かせるという声がたくさん挙がりました。
自分たちがその場にいなくても想いを引継ぐ仲間がいればうまくまわる、そんな活動が増えていけばいいなと思います。

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