イギリス 郵便局冤罪スキャンダル 続
2024/1/10日記事
皆様こんにちは!
さて、前回の続きで、イギリスの郵便局冤罪スキャンダルを
お送りいたします。
イギリスの郵便局の会計システム「ホライズン」の
ソフトウエアのミスにより、当時の郵便局長などが有罪となった件です。
ホライズンを開発した会社「英国富士通」は、最新の決算では、
2200万ポンド(約40億円)の利益を計上。
役員には数百万ドルの給与とボーナスを支払われたそうです。
おおよそ700人が冤罪(無実のなのに起訴されている)の可能性があり
ます。また、これに関連して4人の自殺者も出しているそうです。
ちなみに、これほど被害が大きくなった背景には、
ホライズン開発に携わった、
英国富士通の当時のシニア・システム・エンジニアであった、
ギャレス・ジェンキンス氏の責任が問われています。
ジェンキンス氏は裁判において、システムの正しさを証言しており、
彼の証言が、裁判において大きな意味を持ったため、
有罪を覆すことが難しかったと、テレグラフは伝えています。
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ほとんどのケースは、民事裁判で解決していることを考えると、
どうして今更この事件が蒸し返されるのだろうか?
という疑問もあります。
話は飛びますが、イギリス野党・労働党のキア・スターマ氏は、
2008年から2013年まで検察局長(2013年は検事総長)を務めていました。
つまり、今回の冤罪事件に、彼の関与を匂わせ、
彼を追い詰めようとしている可能性もあります。
イギリスの総選挙が近く、次の選挙では保守党が議席を大きく失う可能性があり、すでにイギリスは選挙戦に入っているかもしれません。
前回の総選挙では、労働党首のジェレミー・コービン氏が
「アンチ・セミティズム」のレッテルを張られ、徹底攻撃を受けました。
キア・スターマ氏はあまり欠点がない人物で、攻めようがありません。
(元検事総長ですから・・・)
今回の郵便スキャンダルは、イギリスの選挙戦のために、
スターマ氏を追い詰める一手として敵が使うのかもしれません。
いずれにしても、ITへの異常な信頼が、大きな悲劇を生んだことは、
歴史に残るのだと思います。
私は郵便局をよく使いますが、とてもサービスが良く、
いつも親切にして下さるスタッフの方々を思うと、
冤罪事件のニュースはとても心が痛みます。