新生オルタナティブロックバンド1994 【バンドルーツ~バンド活動の多様性】 Gt,Yuma Kanaiさん オンラインインタビュー
はじめに
先日、Twitterのタイムラインを覗いているとPVが載せられているツイートを見かけた。まがいなりにもディストロを運営しており、こういうツイートは逐一チェックしている。通して聴いてみると、見つけた!という感想が一番に浮かんだ。PVと曲との相性も素晴らしいが、曲の中毒性にやられた。
そのバンドが1994だった。バンド名のインパクトにより興味が湧いた。
いろいろと調べているうちに、メンバーは社会人をやりながら活動している情報が目に入った。自分自身も社会人をやりながらバンドをしていた時期があり親近もあったが、なにより自分の中の第六感がすぐにコンタクトを取るべきだとすぐに連絡を取った。誰よりも先に話を聞きたかった。
断られる前提でTwitterのスペース上でのインタビューをオファーしたら即OKをもらった。当日のインタビューで、つたない質問でも丁寧に熱をもって答えてくれた。急なオファーにも関わらず、楽しかった経験も辛かった経験も細かく話してくれて本当に感謝しかありませんでした。
今回のインタビューの内容を改めて文章にてバンド活動の素晴らしさを改めて共有したい思います。
◎簡単に自己紹介をお願します。
1994でギターを担当しています。金井と申します。この度は素晴らしい企画に誘ってくださりありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
◎1994のメンバー構成、パートを教えてください。
Vo.Gt.Hairi Hino Gt.Yuma Kanai
Ba.Oke Dr.Yoshiki Ando の4ピースバンドです。
◎1994を結成するまでに至った経緯、出会ったきっかけは?
全員、同じ社会人バンドサークルに所属をしていまして、そこで知り合いました。
最初に僕とHairiがコロナ禍で自宅にいることが増えたので、何かやりたいねという話になり、自宅でもできる宅録を覚えて、Youtubeに曲を投稿するということが目標で2021年3月に活動が始まりました。
ファーストライブをやる際にOkeとAndoに声をかけてサポートに入ってもらい、ファーストライブに参加してもらい、そのまま加入に至りました。
◎1994のバンド名の由来と読み方は?
海外思考があるので、幅広い国の人でも読める1994のしました。
読み方はいちきゅうきゅうよんでも、ナインティナインティフォーでも、自由に呼んでくれればって感じで、こだわりはないです!
◎バンドのコンセプト、影響を受けたアーティストを教えてください。
コンセプトはHairiを光らせるということがバンドの一本の柱となっています。その中でそれぞれが楽曲の中で遊ぶというスタンスです。
影響を受けたアーティストはそれぞれ違いますが、きのこ帝国、羊文学、くるり、リーガルリリーはバンドとして影響を受けています。
◎社会人のメンバーさんが多いとのことですが、スタジオなど集まる際の頻度、スケジュール管理はどのようにされているのでしょうか?
コロナ禍ということもあり、ライブが決まったらスタジオを決めるという現状なので、頻度は高くないです。
話し合いも基本ZOOMで行っております。
◎バンド内のリーダー的存在はやはりKanaiさん?
一応、リーダーを担っています。
主に事務的な作業や、バンドや曲の方向性など、メンバーと確認しながら進めています。
◎社会人をやりながらバンドを続けるのはとても体力を使うと思いますが
社会人でもバンドを続けていてもよかったことと苦労することはなんですか?
社会人でもバンドを続けて良かったことは少ないかなと思います。やはり全然時間も取れないですし、日時の都合もつきづらいです。
そんな状況でもバンドをやりたいと思える社会人バンドマンはみんな素敵だなと思っています。
◎前バンドでも前線で活動されていましたが、バンドを続けるうえで
前バンドでも1994でも心がけていることはありますか?
とにかく焦らないこと。焦ってしまい、向上心を高く持ち続けたら、独走していまい、すれ違いが起きてしまうと思います。
1994のメンバーはほとんど外バンの経験がないメンバーばかりなので、最初から武道館を目指そうといっても、実感がわかないと思います。
段階を踏みながら、徐々に実感を持ってもらい、少しずつ話を広げていくようにしています。
そういう意味では、メンバーのメンタルケアを一番大切にしていきたいと思っています。
あとは、言葉にするのが難しいんですけど、一人でも決められるところはどんどん話を進めて
全体に共有すべきことをとにかく明確にする。全員で決めなければいけないこと、むしろ進めておいた方が楽なことを見極めて、行っています。
◎先日、深呼吸のPVを公開されましたが反響はありましたか?
そうですね、想像の5倍くらい反響がありました。KANA-BOONの鮪さんから引用リツイートもらった時は手が震えました。
バンドマンからも反響があるのも本当に嬉しいですね。深呼吸のMV作成に携わってくださった全ての方のお陰です、メンバー一同心から感謝しています。
◎深呼吸のPV最高でした。
PVのコンセプトなどはどのように決められましたか?
今回は映像家の重浩介さんに全てをお願いいたしました。前作のMVの「夜歩く」は僕が作成をしたんですけど、その時に重さんの映像も参考にしていて、もともと知っていた映像家だったので、お声をかけてくれた時、舞い上がりました。
絶対的信頼があったので、お願いしました。本当に素晴らしい作品を作ってくださったので、本当にお願いして良かったと思っております。
◎深呼吸はどのような過程でできた曲でしょうか?
最初に日野が簡単な原型みたいなのを持ってきてくれて、僕が構築して、ドラムとベースを考えてもらった感じです。
最初から最後まで上がりもせず、下りもせず、横に流れるようなくるりの「ばらの花」みたいな曲になってくれたら良いなと思って作りました。
最初に考えたアレンジからかなり変えたので、自分たちらしさがより出たんじゃないかと思いました。
◎コロナ禍もありバンド活動の在り方は変わりつつありますが 1994の今後の活動はどのようにしていく予定ですか?
当初は宅録や自分たちで映像を撮ったりなど、できるところまで作りにしたかったのですが、バンドの規模が広がって、当初の予定とは早々に変わってしまいました。ですが、ただ流れに身を任せていけば良いかなと思っています。世の中にはたくさんの素晴らしいクリエイターたちがいるので、一緒にやってくださる方たちに恩返しできるように、自分たちができることを全力で取り組むだけだと思っています。
◎1994の現在の目標は?
来年のフジロックに出場することです。
◎最後にKanaiさん自身の野望・最終目標を教えてください!
前バンドで対バンした人たちが今もバンドを続けていて、有名になったバンドが沢山います。前バンドが止まってしまい、外バンが行えていない中、彼らの飛躍していく姿を見るのは、本当に苦しかったです。
また、同じ舞台でライブをするということを、1994を初める前から全て胸に刻んでいました。
また、前バンドでMASH A&R主催のMASH FIGHT!というオーディションのファイナルで渋谷WWWでライブをさせていただいた時の素晴らしい景色がずっと忘れられないです。渋谷WWWでワンマンライブするのは私の一つの夢です。
◎最後にKanaiさんからメッセージがあればお願いします。
コロナ禍ということもありますが、バンドというのはいつ終わってもおかしくないものだと思います。
よく耳にする言葉だと思いますが、バンドをするとその言葉の重さが身を持ってわかります。
感染対策をきちんとして、好きなアーティストのライブは積極的に見に行って欲しいです。
1994のライブで皆さまとお会いできるの楽しみにしてます。気軽に声かけてください、ソーシャルディスタンスを守りながら、話しましょう。
スペースでのインタビューを終えて
事前打ち合わせなし、オファーからたった2日で本番を迎える行き当たりばったりっぷりでしたが、まずは無事に終えられたのと初回ながら聞いてくれるリスナーの方々がいらっしゃってくれてとても嬉しかったです。
急なオファーに踏み切ったのは社会人でバンド活動しているという情報に興味もあったのですが、それ以上に急にタイムラインに現れた深呼吸の楽曲が素晴らし過ぎて声をかけずにはいられませんでした。VoのHairiさんの声伸びのいいハイトーンが心地よくて実際何度もリピートして聴きました。Hairiさんの別プロジェクトのelsie sueもチェックしたら素晴らしくてびっくりしました。才能に溢れてらっしゃる方過ぎておそれおののきましたし、この歌声を聴いたら声をかけるでしょうし声をかけたのがKanaiさんで良かったという気持ちになりましたね。
現在アップされている深呼吸と夜歩くもHairiさんの歌声と曲調がぴったりでした。
1994の楽曲はまだ2曲しか聞いておりませんが、世の中の多くの人々に知れ渡る日は遠くないと思います。くるりやきのこ帝国からのリスペクトは曲から感じますし、こういうシチュエーションミュージック?エモ·ミュージック?聴くと何かしらの情景が浮かぶ曲と言えばいいんですかね、自分は音楽理論は全くもって無知なのですが気兼ねなく繰り返し聴くことができるのでアングラなジャンルに触れられて来なかった方々でも聴きやすいと思いました。
深呼吸はくるりのばらの花を意識して作られたそうで、言われてみるとたしかに空気感がばらの花でした。なので、この話を聞いたときはばらの花と深呼吸を交互に聴いていました(笑)。
メンバー全員がHairiさんの歌声を押し出すという共通のコンセプトを柱にしているのも個人的にすごく納得できるというか、一つの組織として今後ブレずに長く活動できるのではないでしょうか。
Kanaiさんともお話していて、音楽活動を続けるに当たって真剣に向き合っている姿勢を感じました。前バンドがかなり良いところまでいってあと一歩のところで色々な事情があって止まってしまったこともあり、この経験を大事にされている印象がありました。
だからこそ、ご自身がやりたい音楽と音楽を続けるにはやりたいことだけでは困難なこともあるとわかっている気がします。
この背景を鑑みながら深呼吸を聴くとさらに深呼吸が良い曲に聞こえてきます。歌詞の通り肩の力がいい感じに抜けていてそれでいて力強くもある、失敗を経験したからこその大人の余裕も感じました。
まだお会いしたことはありませんが、メンバーの皆様もKanaiさんと共に活動されているということは素敵な方たちなんだと思います。
ライブで観るのが楽しみです。
おわりに
今回のスペースのインタューでは社会人をやりながらどう音楽活動を続けていくかをテーマにしました。芸能人でも自力で会社を運営しながら活動していたり、SNSを駆使して個人で活動するアーティストが増えてきました。
コロナ禍も相まって個での活動に注目されるようになってきている気がします。実際、自分も昼は会社員として働いて空いた時間をディストロや音楽に関する活動に充てています。
メジャーの音楽シーンではまだそこまで個人で活動されているアーティストは少ないですが、これから徐々に増えていくと思います。
ただ、事務所に所属して活動することと個人で活動すること、どちらが正解という訳ではなくどのような活動でも熱意と愛着を持って活動を続けることが大切だと感じます。Kanaiさんのインタビューからもその二つがひしひしと伝わってきました。
配信とSNSの普及で個人の活動が整いつつあり、収益的なことも考えると自分は事務所に所属せず、個人で活動するほうがメリットが多いという考えでした。しかし、今回のインタビューで音楽活動を続けるにおいて個人でやるか事務所に属するかは些細な問題であると気づきました。
インタビューを通して自分が一番に感じたことは、諸々の要因は関係なく音楽を続けるのに、理由はいらないということです。バンドに関わらず、ディストロや宅録、コピーバンドでもです。
もちろん、これからも個人でやるべきか所属すべきの議論は続いていくと思いますし自分も追求していこうと思っております。
今回人生初のインタビューを引き受けてくれた199のKanaiさんには本当に感謝しておりますし、これからの活動も引き続きチェックしていこうと思います!
この企画というかインタビューは継続する気でいますので第2弾を楽しみにしておいてください。
それでは!!
1994 1st ep.
Ukiyo records.
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