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Don't Go Insane M/V

この曲の歌詞/訳はこちら↓

MVを深掘りしてみた↓


この曲が入っているEP、Dear Insanity…の曲順は、
1 Famous Last Words
2 Welcome To The Other Side
3 Don't Go Insane
4 Bad Cold
5 So I Danced
6 Peanut Butter & Tears
7 Violet Crazy
なので、発表された順番とは異なりますが、1曲目は、イアンが未来の自分に当てた手紙です。長い旅は正気を失う事を意味するので、いつ元の自分に戻るかどうかもわからなまま書いています。
先に発表された、6、5の次がこのミュージックビデオです。

雰囲気ががらりと変わっています。
イアンがインタビューなどで、躁状態を元にしたキャラクターMr.Insanity、これをもっと掘り下げる必要があると思った。説明の良い例として、それはバットマンとジョーカーの関係性に近い。ジョーカーを通してよりバットマンを理解できる。と話していました。

ダークヒーローバットマンの言う正義とジョーカーの言う正義は相反し、2人は対立していますよね。
わたしもこの映画シリーズは好きで、特にティムバートン作品とノーラン作品が大好きです。

キャットウーマンのTシャツ。着すぎてボロボロ。
ゴッサムシティではなくアーカムシティ。

ピエロのカラフルな見た目から打って変わって黒髪で落ち着いたスーツに、ちょっと恐怖を感じるようなメイクのMr.Insanity。
ピエロの彼は、周りを笑わせようと努力していてそれが行き過ぎて極限状態になり手に負えなくなると、正気を吸い取られて最終的にはMITOより怖ろしく強烈にものなります。
振付は呪術廻戦からインスピレーションされていると話していました。

日本の漫画アニメコンテンツは最強だと感じます。
イアンの音楽を通して、私が双極性障害の事、宗教のほんの一部の事を調べたりその事について考えたのと同じように、日本のコンテンツから日本の文化や日本人を知って、好意を持ってくれる人が世界中にいるのは素敵な事です。日本人の作るそれらの作品を日本人の感性で理解できる幸せを感じます。
さて、話を戻しましょう。

ミュージックビデオのストーリー

冒頭でピアノを弾いているのはMr.Insanityです。その不穏な空気を感じるIAN。
この場面は、アルバムの1曲目"Famous Last Words"のミュージックビデオの時です。だから手紙を書いているんです。
紫のスーツにチェックのシャツとおそろいの手袋、首には鋭い棘の付いたチョーカーを巻いた黒髪のMr.Insanityは明らかに前と違います。
"So I Danced"のラストで次の扉に逃げ込んだMr.Insanityとグリーンでしたが、どうやら次の意識の扉へ入って来たようです。
前にも書いたように、その世界にいればいるほど、滞在時間が長ければ長いほど、どんどん正気を失います。そして追い詰められ容姿も変わっています。頬のクロスメイクで同じ人かもとわかる程度。

黒い衣装の不気味な存在はカラスの擬人で、彼にまとわりつく悪魔のように見えます。ここで黒いスーツ姿や半裸の人物が出てきますが、次の曲"LIMBO"の主人公です。これから行きつく彼のビジョンが見えています。
Mr.Insanityの手から何かがモヤとして出ています。正気が失われていくのを感じると、そこにグリーンの手が出てきて彼を別の場所へ連れて行きました。

そこは教会の墓地。ちょうど墓穴から出てきて土まみれです。
後ろにいる喪服のドレス姿のピンクは、映画コープスブライドからのインスピレーションなので、結婚式の衣装のようにも見えます。
そしてこの世界の住人のピンク達に見つかり農具で追い詰められてしまいます。この時も手からモヤが。追い詰められて顔を覆います。
次のシーンでは、捕まえられたMr.Insanityが火あぶりで処刑されようとしているところでした。彼が危機に陥っていた時、酒場から出てきたのはグリーン。何やってんでしょう。ふらふら酔っぱらいながらもナイフで縛られている縄を切り、2人で逃げます。
逃げている途中で何かにぶつかるMr.Insanity。

その時、かなりやばい状態に変化してしまいました。

Mr.Insanity:can't see(見えない)

完全に狂気に陥ると、全盲になります。何も見えなくなり自分も変化してしまって息が上がります。彼の衣装は冒頭の紫のスーツなのですが、髪の色が白くカールしています。周りにいるチェックのピエロ衣装の存在達で、かろうじてまだ彼がMr.Insanityである事がわかりますが、その背景は霧がかかっていてcan't see何も見えません。
ただ、幸運にもこの時は1つ前の段階に戻ることができています。それはグリーンが呼び戻してくれたから。
霧の煙を吐き出し列車の中で気が付いた彼は、ピンク達から逃れる為にグリーンと一緒に車両の端まで行き飛び降ります。
列車は基本、駅以外には止まりませんね。この列車は行きつくとこまで行ってしまう列車。だから飛び降りなきゃいけないんです。
着地した場所、そこは"So I Dnace"のラストで逃げてきた荒野でした。
どうやら戻ってこれたようです。そして歩き出す2人。


イアンがインタビューで、グリーンスクリーンを使うのが大好きで、グリーンには二重の意味があり、グリーンスクリーンは不可能を可能にしてくれる。最終的に彼は最も力を持っているというアイデアが好き。
将来それを知るよ(discover)。と話しています。

発見するという意味のdiscoverですが、未知のものに気が付く等の意味があり、今後のグリーンの立ち位置が変わるのかなと、なんとなく思っています。

私がこのミュージックビデオを見た時は800万回再生くらいだったんですが、今では900万回再生まで伸びています。
1か月も経たない期間に多くの人の目にとまっている証拠です。嬉しい。


参考記事

DPR I記事's 'Dear Insanity' Chooses The Unpredictable Path | GRAMMY.com

画像は"Don't Go Insane"から