Dear Insanity...COLORS/Peanut Butter & Tears編
Xでフォロワーさんもほとんどいないのに無謀にも、#を使ってアンケートを取りました。
初めてアンケートやってみたんですが、あれ自分じゃ投票できないんですね。あと誰が投票してくれたかもわかりません。
そんな中、心優しい7名が投票してくれて私はとっても嬉しいです。みなさんありがとう!
私が何のアンケートしたかというと、Mr.Insanityの色は何色だっけ?って確認したかったんです。思い当たる動画を見あさったんですが見つからなくて、でも確かグリーンにゴールドとパープルが入っている。それか、ゴールドとパープルって言ってたんですよ。みんなの認識ってどうなの?ってのを知りたかったんです。その結果、こうなりました。
グリーンにゴールドとパープルが入ってる。という認識のようです。
それはCDのピクチャーレーベルと一緒ですね。
Mr.Insanityをフューチャーしたアルバムなので、彼の高揚感から色彩豊かな景色やヴィジュアルが何も考えなくても、視覚的にも音響的にもわかるのですが、じゃあなんでこの色なの?と疑問が生まれたなら一緒に掘ってみませんか?ってスタンスで書きたいと思います。
前回のおさらい↓
グリーンとピンク、ゴールド、ブルー、パープルと、色分けされて使われるエフェクト。Mr.Insanityの相棒やこの世界のピンクの住人、グリーンやピンク、ゴールドに光る目、いろんな色の蝶や光る虫や色のついたモヤなど。
日本語の靄(もや)は英語だとmist、hazeのニュアンスが近いと思う。
全体を通して、この世界(The Other Side)はグリーンのモヤが立ち込めているんじゃないかな。バッドマンのゴッサムシティのようなやたら街に煙や霧が立ち込めているようなイメージ。基本の色がグリーンだからあちらこちらでグリーンのモヤがかかっています。
蝶や妖精のように光る虫(以下妖精)、スパンコール:
ミュージックビデオで繰り返し使われている表現なので、見てると
あ、次何か起きる前兆だな。とか、これピンクの蝶だからこうだなとかが理解できてきます。
グリーン:The Other Sideの世界のベースカラー。味方の色ですがどちらかと言うとノーマル、狂ってないしMITOの状態でもない。でも何かしらこの世界の力が働いているので、そのパワーが発揮される前に光ったり目がグリーンになったりします。エメラルドシティにMITOの街がありますがMITO自身はモノクロがメインカラーです。
ピンク:The Other Sideの住民の色。滞在時間が長いほど狂っていくので住民の彼らは真っピンクです。グリーンとは対照的な立場。全てが敵という訳ではないですが、攻撃的なのはよくわからない変なものが侵入してきたから排除しようとしているだけかもしてません。行動が狂ってる時とか躁の感覚を表していて、その後起こる事を暗示してます。
ゴールド、パープル:Mr.Insanityの色。The Other Sideにいるのでベースがグリーンなんだけど、ゴールドとパープルが彼の色って事かな。
スパンコール:キラキラと舞ってるエフェクト。Mr.Insanityの時によく見られるエフェクトなので、これが舞っている時は彼の状態か、彼になりそうな時なのかなと思います。
イアンが色の意味について話した内容をまとめた記事↓
MVの感想はこちら↓
歌詞/訳はこちら↓
ではまずは"Peanut Butter & Tears"から。MVの記事のおさらいもかねて書きます。
この曲はイアンの幼い頃の記憶が元になっていて、まだ名前もなかったMITOもいました。実際にはMr.Insanityはいなかったけど、(キャラとしてできたのはもっと後になってからです。ただ躁の症状は当時から出ていたと思います)ストーリーとしてはイアンの思い出の中に他のキャラ達も一緒にいたという内容になっています。
当時イアンは障害の影響で数学の授業中に叫んでしまったらしいです。友達に、お前はそんなに数学が嫌いなのか?と言われたとか。
高校の時に躁鬱の診断を受けているので、小学生から高校生くらいまでの期間をベースにしているのかなーと思います。
イアンがドアを通って意識層へ入る所からはじまります。3つあるドアのうち、直感的に何かを感じたピンクのドアへ進んでいきました。
すると妖精やピンクの蝶が舞う様子や、
スパンコールが舞っているのが一瞬見えます。このイアンはこの世界にやってきた今のイアンです。彼の幼い頃の思い出に重なっているのでリトルイアンと同じ服装です。
扉を開けた時に見えた情景はこれから起こる出来事です。
扉の向こう側は歯医者でイアンを待ち構えていました。
〈すぐに何か違うと感じた〉
小さい子供にとっては病院の空間や治療は嫌な思い出でしょう。(イアンママはリトルイアンを将来歯医者にさせたかったらしいですよ)それはイアンも同じです。扉の中に入ると彼の姿は幼い姿に変わっています。
〈そしてたくさんの恐怖も〉
同時に別の場面ではグリーンの隕石が地上に降り注いでいます。この時空を見上げる人物はMITOだと思います。完全にMITOになりきる前のPreMITO(プレマイト)と呼びましょう。
小さい頃の思い出からインスパイアされている物語なので、当然その時にもMITOがいました。でも彼は左目がある。MITOの説明でも書きましたが、彼は最初からああだった訳ではありません。まだ名前もない時から一緒にいるので本当の初期は彼も若いはずです。だからこの時も失明してはいないんだと思います。
不安を感じつつ診察台に横になったリトルイアンがうなされていていると、その周りに妖精とピンクの蝶が飛んでいます。この時ワインを飲むこの人はMr.Insanity。彼もまた彼になりきる前の状態(プレインサと呼びます)だと思います。星のピアスをしているのがわかります。
あげるときりがないくらい多用される表現なのでピンクとグリーンが見えたらこれか。と思ってください。
地上にグリーンの隕石が落ちてきて爆発と爆風がおき、一緒にスパンコールも舞います。その中に動じずたたずむプレマイト。
マイクスタンドで歌っている彼もMr.Insanity。さっきのプレインサより少し成長した未来のMr.Insanity(蛇インサと呼びます)だと思います。
彼の首の蛇ですが、蛇は宗教的にキリストが自身を蛇に例えた事で神聖な存在と見られている一方、邪悪な存在としても見られます。あと、熾天使セラフは、ヘブライ語で"燃える"以外に"蛇"とも解釈されているようです。
神と崇められ恐れられてもいる。こっちにもちょっと書いてます↓
Mr.Insanityはこの世界を創造した神と同一視できるので、まさに彼の事を示す蛇を描いたんじゃないかなって。
ピンクとグリーンの空に黒い蝶。このミュージックビデオ内ではMITOが現れる時にだけ黒い蝶が舞います。
そして美しい草原に登場する見た目は大人、中身は子供のリトルイアン。登場する時、左目を指で拭ってるんですよね。この時の歌詞は
朝の5時だ行かなきゃ、外気が目に当たって涙が出る。と歌っているんですが、ミュージックビデオではそんな状況ではなくて、むしろそれを言うならプレマイトの方が暗い街中でそういう状況じゃない?と思うんです。イアンもマイトもお互いに体感する事を共有してるんですね。涙は出てないリトルイアンはマイトの目の異変を感じて思わず拭ってしまったんじゃないでしょうか。
するとリトルイアンの周りに蜂の群れが。
丸い鏡で太陽を反射させて遊ぶリトルイアンはこの世界にいます。歯医者でライトが眩しい診察台の上のリトルイアンは現実世界。その眩しさを別の場所で感じるプレマイト。
場面は変わり別の時のリトルイアン。友達グリーンと一緒にいる時にMoodがswingsしちゃってます。するとリトルイアンの反対側に座っているプレインサにプレマイトのスイッチの兆しが現れました。その時の窓の外はピンクの空で完全にモノクロではありません。
プレインサの頬には星のメイクがされています。さっき出てきたプレインサは星のピアスでしたね。星つながり。↓のプレインサの方が幼い彼。
プレマイトが完全にスイッチして表に出てこれそうだとわかり、ニヤリと笑います。パニクるプレインサ。学校の友達に死んでるみたいだ、様子がおかしいなと言われ、僕の変装を見透かされている。と気づき始めている時期です。
ここのシーンにフラミンゴの置物があるんですよね。
フラミンゴと言えば"So I Danced"の歌詞に出来てますね。これは偶然じゃないはず。
場面は替わり、グリーンと仲良く笑っているプレインサ。プレマイトもピンクの仲間4人とティーンネイジャーらしく遊んでいます。
プレマイトと蛇インサの後ろにいるピンクの恰好をした仲間はどちらにもついていますが、これはやっぱり、まだはっきりと2人が分かれていないあいまいな時期だからではないかな。
僕のやり方は、自分の色を見失っちゃった。と歌っている時の彼は自分らしさをなくしたプレインサくんです↓。
このあとプレインサが緑の熊のぬいぐるみに変わってしまってグリーンは泣いていました。前回の涙の表現でも書きましたが、泣けない心情を代わりに泣いているのかもしれませんね。そして彼の様子を別の場所で知ったプレマイトはニヤりとします。俺に変わってれば上手くいくのに下手な奴だ。とでも言いそうな顔です。
何年も歯がぐらついてるんだ=僕のmoodは何年も前からswingsしてるんだ。
ここで初めて"INSANITY"と文字が出ました。
この稲妻は草原のリトルイアンを飛び越えへ、プレインサに届きます。
稲妻を浴びて躁状態になったイアンは飛び跳ねてダンス。やりたい放題銃も撃ちまくりです。
こんなに調子の良くなったギラギラの僕を見てよ!Mr.Insanityの皮を被っている本当の僕を見て。ダンスで舞い散った白い羽。
ここでリトルイアンがいる草原の空に浮かんでいる惑星があるんですが、ピンクの隕石がぶつかり惑星が粉々に砕けました。
比較的小さい惑星ですが、ピンクによって壊される=狂気にむしばまれて自分を形成する要素が無くなっていく=どんどん狂っていくって事を表現しているんじゃないでしょうか。
曲の終わりには車が走り出し、次の層へ向かう途中に緑の稲妻がバンに落ちました。
すると診察台の上で気が付くイアン。その左目には涙の跡がありました。
このDear Insanity…のミュージックビデオ達が今までと違ってたくさん色を使っているので、こんなにこだわって色を使っているのは重要な意味しかないなと。こうやって改めて見返しても新しく発見する事もあるので飽きません。
この次は"So I Danced"になりますが、やっぱりこの曲でもたくさんの色の演出がされているので、次に書きたいと思います。