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黎明(れいめい) 大人の夏休み

竜宮城に招かれたような 宴


心地よく 目覚めて三時半…
此処は 非日常 
招かれた島である。

旅から戻ると寝込むのは 織り込み済み

釣り道具を纏め 船着場に向かう

昨日 大漁に招いてくれた漁船が
休んでいる
午前 四時

出漁待ちの 漁船のお爺が呟く
“大きなスズキが居るぞ”と

釣具屋の店先のように
御道具は持って来た
先ずは ルアーを投げてみる。

小鯖達が 追って来る。
スズキも 大鯖もやって来ない

根っからの 好奇心旺盛
でも 飽き性が 同居する。

竿を変え エビで 足元を狙う

餌取りに 遊ばれさっぱり釣れない

隣で 漁師の爺ちゃんが
出漁の準備を始める

気が付いたら….

黎明(れいめい)

目の前の景色に見惚れている

なんて 美しいこの色よ

隣の爺ちゃんが操舵する漁船

船を操れる事
尊敬でしかない

そんな 凛々しい姿を眺め

日の出を迎える

日本最西端の与那国島でも 同じように
日の出を 切り取っていた

肝心の釣り さっぱり釣れず…

舐めていた サビキ釣りでも…

納竿となる


旅に出る前には 訪れる地の歴史を
調べる
古くからある 神社仏閣も


河童の伝説も あると言う


そんな話を 思い出しながら
参拝を済ます

宿に戻ると 奥さんが
“早よから釣ってたの?”
はい 四時から
“参拝も 済ませて”

宿から見渡せるところ
掌の中で はしゃぐ二歳児みたいに
写っていたらしい

“元気やねー”

お陰様で….

朝御飯の支度が出来ましたと…

島旅は 続く

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