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「なりたい・好き・似合う」をマッピングしてみたよ【自問自答ファッション】
コンセプトを考えるぞ!
と思い立ってまず始めたことは、「なりたい・好き・似合う」のキーワード探し。修飾語をたくさん書き出してから、ピンときたものを振り分けてみた。
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1.振り分けたキーワードを見つめてみる
■なりたい
眺めていくうちに、「人からこう見られたい」という願望と、「自分の実感としてこうありたい」という願望に分かれていることに気づく。
<人からこう見られたい>
洗練された・知的な・上品な・凛とした・芯のある
なんかこう、高貴だな?
一目置かれたいとか、丁重に扱われたいみたいな願望があるのか。
<自分の実感としてこうありたい>
美学のある・リラックスした・心地よい・風通しの良い・余白のある
リラックスとか心地よいとかは、心の持ち方としてもそうだけど、服の着心地がそうあってほしい、というのも大きいかも。
「凛とした」「芯のある」は人からそう見られたいという気持ちが強いけれど、「美学のある」は自分が自分に対してそう思いたいんだということに気づいた。年を重ねるにつれて、自分の小狡さが嫌になってきたからかもしれない。
より合理的だったり、楽だったりするあり方でも、自分の美学に反するものであれば退けられる、そういう強さがほしい。「余白のある」もそう。自分とちがう考え方を面白がれる余裕が欲しいという気持ち。
美学と余白を持つことができれば、自然と外からは「凛とした」「芯のある」「リラックスした」人に見えるんじゃないだろうか。考えていくうちに、そんな気がしてきた。
■好き
好きな作家さんやアーティスト、デザインの影響を受けたワードが多い。
遊び心のある・ファニーな・シュールな
イメージは吉田ユニさんの作品。
ちょっとへんてこで、ポップで、非現実的で、惹き付けられる魅力のある世界観。不思議の国のアリスみたいな。
私は食べものモチーフのファッション雑貨が大好きなんだけど、それも「ふつうはファッションには使わない」柄としてのシュールさが好きなんだと思う。
(フェイラーのラーメンハンカチとか……)
あと、スーツを着て働く仕事だったら絶対ジラフのネクタイコレクターになってた。
不穏な・混沌とした・不条理な・耽美な
アートでいうとヒグチユウコとか、岡上淑子とか、エドワード・ゴーリーとか、マグリットとか、ダリとか、ヒエロニムス・ボスとか。
小説でいうと川上弘美とか、 村田沙耶香とか、皆川博子とか、山尾悠子とか。
そういう、夢と現実がごちゃまぜになったような、ちょっと不穏な、どうかすると薄気味の悪い、でもとんでもなく美しい世界観が好きだ。
お洋服のデザインでも、シノワズリの気配がしたり、めちゃくちゃ派手な色遣いや柄だったり、びっくりするほど大げさなフリルがついていたりするときゅーん!!! とするのだけれど、それはそこに混沌とか耽美さ、不条理を嗅ぎ取っているのだと思う。
こういう、一見混沌としているのに、美学という背骨が通っている空間にも憧れる。
カルチュラルな・非合理的な・マニアックな
文学とか美術とか音楽とか、なくても生きていけるものを生み出す営みがとても好きだ。ひとのこだわりや偏愛について聞くのもすごく好き。
■似合う
人から言われることの多いワードを詰め込んでみた。言われてうれしいものと、そうでもないものがある。
穏やかな・落ち着いた・包容力のある・柔らかい・安心感
いつ言われてもうれしい。が、自認と一致してるかと言うとぜんぜんそうではない。
安定感・きちんとした・まじめな
仕事の場で言われるとうれしいけど、プライベートで言われると「面白味がない」と思われているのか? と心配になる。私自身が私のことをそう思ってるんだろうな。
■揺さぶられない動詞
あきやさんのこちらの記事をもとに、「動詞」についても考えてみた。
考える・書く・読む・調べる・観察する
コンセプトとして職業を設定するならこのあたりからかも。なんか学者っぽいな? 教育者というよりは研究者としての学者。基本家に籠ってる気配がする。
書くことそれ自体が好きだと思ってたけど、純粋に書きたいから書いているというよりは、どちらかというと「考えた・調べた・観察したことの結果、もしくはその過程を整理するために書いている」という感じなのかもしれない。対して、「読む」はほんとに四六時中ナチュラルにやってる。本からネットから食品パッケージの原材料表示まで。
食べる・愛でる・面白がる
日常のオアシス枠の動詞たち。これを職業に落とし込むのはちょっと違う気がした。そうでもないのかな?
2.「なりたい・好き・似合う」を再マッピング
これらの単語を眺めてあらためて思ったのが、「なりたい・好き・似合う」のどれに振り分けたらいいか悩む単語があるな、ということ。
無理やりどれか一つの枠に入れてみたけれど、「なりたいし、好きだ」と思うワードもあれば、「似合うし、なりたい」と感じる単語もある。そうかと思えば、「似合うし、なりたいけど、好きというわけじゃない」とか、「好きだけど、なりたくはない」というものも。
この「各概念との距離感」みたいなものも含めてマッピングできないかな、と思って追加で作ったのがこちら。
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うーん、ごちゃごちゃしている。
最初の図と同じく「なりたい・好き・似合う」を色分けしつつ、他の色との境目に近いほどその概念との親和性も高い、という考え方でマッピングしてみました。
客観的にはわかりづらいかもだけど、自分の中ではこの図を使うとだいぶ整理できた!
例えばこの赤丸部分は、「似合いはしなさそうだけど、なりたいし好き」なゾーン。
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このエリアは、「好きだけど、眺めてるだけでいいのかも?」なゾーン。
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そして真ん中のエリアは、「なりたい・好き・似合う」が重なりやすいゾーン。
今の自分をベースにムリのないコンセプトを作るなら、この真ん中のエリアの単語を組み込むのがいいのかも。
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が、これでどう? と心の中のミニ浮世に問うてみると、「ちょっと無難すぎない?」との返事。ミニ浮世、もうちょい冒険したいっぽい。
マップを見ながら引き続き妄想するぞ。今回は動詞にあまり着目できなかったので、そのあたりもじっくり考えたい。