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「採択率9割超」は本当? 補助金コンサルのカラクリと賢い企業の見極め術

昨日、上場企業の担当者から補助金に関する相談を受けた。
弊社は中小企業だけでなく、上場企業からも問い合わせをいただくことが多い。今回の企業は補助金事業における協業について検討しており、複数のコンサル会社から話を聞いているとのことだった。

そこで弊社の特徴を説明したうえで、「採択率はどのくらいか」という問いに対し、6~7割程度だと伝えたところ、担当者は「それなら安心できる」と納得してくれた。実は、同じく補助金コンサルティングを行っている他社のなかには「採択率9割以上」をうたうところもあるらしく、担当者はそれを胡散臭いと感じていたようだ。私もその見解には大いに共感する。

コンサルタントが「採択率9割以上」と言うと、「さすがプロだ」と思う人もいるだろう。しかし、その数字が本当に正しいかどうかは慎重に見極める必要がある。

統計の取り方やサンプルの切り取り方次第で、数字はいくらでも都合のよいように見せかけられるからだ。嘘ではないまでも、意図的に誤解を招くような使われ方をすることも珍しくない。

そもそも、コンサルタントの文章力だけで採択率が9割になるとは絶対に考えにくい。補助金の合否を左右する最大の要因は、申請企業が取り組む事業内容そのものだからだ。どんなに優秀なコンサルタントがいても、事業そのものに魅力がなければ高い採択率は期待できない。もし本当に9割を超える採択率を掲げているのであれば、採択されやすい案件だけを厳選して引き受けている可能性も否定できない。

一方、どの企業からの依頼でも受け付ける姿勢であれば、常に高い採択率を出せるとは限らないだろう。コンサルタントにとっては幅広く顧客を抱えることがビジネス上有利だが、そうするとどうしても「案件の採択率を上げるためだけの選別」は難しくなる。したがって、「どんな案件でも9割以上の採択率を誇る」という触れ込みには、慎重な姿勢を持つべきだと考える。

補助金申請において最も大切なのは、企業自身が自社の将来を真剣に考え、事業計画を磨き上げることである。コンサルを利用するのはもちろん有効な手段だが、コンサルに依存しすぎることは望ましくない。自社の利益を優先してくれるかどうか、コンサルタントが本当に伴走してくれるかどうかを見極めるのが大切だ。

何よりも、経営者ならしっかり自分の会社のことを誰よりも一番に考えるべきである。それが経営者の仕事である。

新規の問い合わせがあると、よく「採択率はどれくらいか」という質問を受ける。しかし、その数字だけで本物のコンサルタントかどうかを判断するのは危険である。実際に、「絶対受かる」と言われながら落ちたという話は枚挙にいとまがない。あまりにも高い数字や不確かな結果をうのみにするのではなく、企業とコンサルタントがどのように協力し合って事業計画を立てていくかを重視すべきだ。

昨日お会いした上場企業の担当者は、まさにそうした冷静な思考を持ち合わせた賢明な方だと感じた。「大げさに言う人には裏があるかもしれない」という警戒心は、ビジネスにおいて非常に重要である。

そもそも「うまい話」など、そうそう転がっているものではない。だからこそ、先日もブログで触れたように、誰と付き合うか、つまり相性が何より大事だと考えている。

本当に自社のことを考えてくれているのか、それとも自分たちの利益を優先しているのではないか。その見極めこそが、コンサルを選ぶうえでの最大のポイントだと思う。

浮島達雄

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