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夢の夢の夢の・・・?

・・・朝か?
うーん、眠たい・・・。
いつもどおりの白い天井が目に入る。


頭も少しぼんやりしている。もっと寝てからすっきり目覚めたい。もう一度目を閉じて、そんなことを考える。しかし起きないわけにもいかない。
仕方ない、起きよう・・・。


ん・・・、体が重い。起き上がれないな・・・。
だらしない気もするけど、ここは…ごろりごろりと徐々に体を回転させて…


「ドタッ」


足だけを先に床に落とした。着地はうまくいったようだ。


次は上半身を落とそう。今度ドタッといくと痛いので、先に落とした下半身を支えに、全身のバランスをとる。


・・・うまくいった。

ちょうどベッドに向き合って床に座った状態になった。
目は瞑ったままだが、それくらいはわかる。あとは立ち上がるだけだ。


「ふんッ・・・!」


産まれたての子鹿のように、膝が伸び切らないままぷるぷると震える。


「ぐぐぐッ・・・!」


ここまできて負けるわけにはいかない。なんとしても立ってやろう。両目をぐっと瞑って両足に力を込める。


「せいッ!」


よし!ついに立った!


そして両目を開けると、私はベッドの上で仰向けに寝ていた。いつもどおりの白い天井が見える。

「・・・?」

おかしい。私はついさっき立ち上がったばかりのはず・・・。まさか夢だったのか?

あれだけ苦労して起きたというのに、やれやれである。徒労感を覚え、少しの間ぼうっとする。



はぁ・・・仕方ない、もう一度起き上がるか。


今度は体の左側を回転の軸にして横向きになる。
「ふんッ!」

下になった肩と腕に力を込めて、少しずつ上体を起こしていく。どうやらさっきよりも力が入りやすいようだ。

・・・よし、もうすぐ起きれる・・・!・・・んっ!よしっ!起きれた!

ちゃんと起きれたわけだが、まさかこれも夢ではあるまいなと、確認のために部屋を見渡してみる。

・・・うん、いつもどおりの部屋だ。特に変わったところはないはず。相変わらず狭いな。さて、ではベッドから出て朝の支度を始めようか。


ハッと気が付くと、視界には白い壁。
・・・いや、壁じゃない。天井だ・・・。
体はベッドに横たわり、仰向けになっているのだ・・・。


「・・・・・・・・」


そろそろいい加減にしてほしい。1回目も2回目も、私にとっては現実と変わらない感覚だったのだ。2回も起き上がるのに、かなり気力を遣っている。それがどちらも徒労とくれば、さすがに疲れてくる。


次にまた起き上がったとして、それは現実なのか・・・?
これも夢なのでは?
頑張って起きるだけ無駄になるのではないか・・・?
それならもう寝てしまえば・・・・・・。
そんな考えが頭をよぎる。



・・・いやダメだ!なんだかよくわからないが、それはダメな気がする。いつまでもどこまでも眠ってしまいそうな・・・・そんな予感がする。


「フーッ……」


心を落ち着かせようと、深めに息を吐く。


これは夢かもしれないし、現実かもしれない。
どちらかはわからないが・・・。今が現実だとするなら、このまま寝てるわけにはいかない。それは間違いないはずだ。


「目覚めるまで起き続ける。それしかない。」


この思考さえも夢かもしれないのに、なぜか確信めいた答えに至る。
夢ならば肉体は疲れていないはず。気持ちは疲れていくだろうが…。
「よし、もう一度……!」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「・・・ふぅ・・・・・・朝から本当に・・・やれやれ、だったな」


今朝食を食べている私は、何度目に起き上がった私なのだろう。

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うきまろ
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