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【旅日記①】12月の出雲は穴場でした 〜八重垣神社とスパイスカレーと長楽園〜

出雲旅に行ってきました。4泊5日、楽しかった〜。午前中は参拝&観光、午後は玉造温泉にてしっかり湯治しつつ、充実した旅になりました。

毎年、冬至の時期はトウジだけに、湯治を兼ねて熊野の温泉に籠ることが多いのですが、今回は不思議と出雲に惹かれました。春にも出雲に4泊していたので、まさか1年に2回も訪れることになるとは思ってもみなかった。なんだかんだ毎年行ってる気がする。

12月の出雲は穴場?

けれど、12月の出雲って案外穴場なんですね。なぜなら、多くの参拝客は11月の神在祭か1月の正月に訪れる場合が多いので、わざわざ12月の暮れに訪れる人は少ないからです。実際、宿も取りやすかったし、神社も空いていてとてもよかった。おかげで静かな参拝が叶いました。ありがたし。


夜の玉造温泉はロマンチック

ただその分、冬の日本海は流石に寒かった…笑 大山も真っ白でしたしね。宿泊は源泉掛け流し&温泉大プールのある長楽園にてお世話になったので、これが大正解でした。とにかく日中の移動で体が冷えまくるので、宿に帰ったら温泉にドボン。シャワーじゃもたないです。温泉万歳。


ホームページより拝借

ちなみに長楽園のラウンジには、長楽園に湯治に訪れた際に棟方志功が描いた絵画を、さらに京都の西陣織で仕立てたという巨大なタペストリーがあります。私はこれが大好きで、お風呂上がりにラウンジにてじっと見つめているのが至福です。

棟方志功が何をイメージしてこれを描いたのかは定かではないですが、私には龍がスサノオ、人が大国主に見えるんですよね。あまりに好きな絵なので待ち受けにしています。

大国主は矢をキャッチしていて、龍は宝珠に向かって飛んでいる。争いの世から平和の世へと、二神が進んでいるように見えます。私には。

八重垣神社と神魂神社へ

滞在中の天候はまちまちでしたが、不思議なもんで車を降りると雨が止んで、神社にたどり着く頃には日が差したりして、おかげで濡れずに済みました。ありがたいですねー。出雲ってすごいところだなあ。

当日になるまで、特に予定などは決めていなかったのですが、初日は思いつきで八重垣神社と神魂神社へ。前夜に、小泉八雲(ラフカディオハーン)の「神々の国の首都」(すごいタイトル! だけどまさに出雲ってそんな感じ)を読んでいて、八重垣神社のくだりが面白かったので。

明治時代の頃、すでに八重垣神社は縁結びのパワースポットとして有名だったらしく、著書の中に、当時の恋人たちの切実な願い事や、魔術にも似た祈りの作法などが描写されています。

今でも鏡池にて願い事を込めた紙に、十円玉を載せ、沈むか否かで願い事の可否がわかるというおまじないがあるんですが(でもこれ、せっかく綺麗な池に大量のか紙が沈んでいるのが痛々しくてやったことはないです…)。明治時代の頃は、この池にヤモリがたくさん住み着いていて、自分が池に浮かせた紙や銅銭にヤモリが近づいて、沈めてくれたら叶う、ということになっていたらしい。

その様子を思い浮かべると、なんだか切実でかわいい。ヤモリ、いっぱいいたんだろうな。今もいるのだろうか。冬だからか、見当たらなかったけれど。

境内には、おひとり様参拝の女性がちらほらいらっしゃって、きっと縁結びのお願いに来たのだろうなあと思った。古くからここはそういう場所だったんですね。伊勢よりも出雲の方が、女性の一人客が多い気がしました。

個人的には、池のあるあたりの森が、とても好きです。御神木には近づけないようになっていて、どうも斎場らしき一帯は立ち入り禁止になっているんですが、この場に立っていると不思議と歌が聴こえてくる。女性たちが高い声でゆったり歌っているような。気がつくとその歌が自分の口をついて出てくるんですよねえ。確か、

森に溢れ日
森に溢れ日

と絶えず歌っていた気がします(ちゃんとメモってた)。


なんとなく、ここはかつて古代人の生活の場だったんじゃないかなあという気がします。一方で森の中なのに海の中にいるような気配がある。これは日本中どの森に行っても、ふと感じます。海外の森ではあんまり感じたことがないのですよねえ。日本の森は、海そのものって感じが、とてもします。特に出雲は、地上に海の感じがある

そのあとは神魂神社へ。イザナミさんスポットといえば、熊野や淡路あたりにもいろいろあるんですが、ここはより人間らしいイザナミさんという感じがします。熊野の花の窟、那智の滝あたりではより原始的な母性が溢れているのに対して、出雲で感じるイザナミさんは、言葉の通じる母上様という感じ(なんだそりゃ)。


自宅の一角にカレー屋さん?


さて、食事食事ーお腹減った〜と思ってGoogleマップを開いたら、近くにヴィーガン向けのレストランがあって、インスタを見たら営業日だったので行ってみたんですが、すでに完売、予約がおすすめとのことでした。対応してくださった女性たちが優しげで丁寧で、なんだかほっこりしたなあ。次は食べてみたい。

その後、美味しそうなスパイスカレー屋さんを見つけて、行ってみました。なんとご自宅の一角を改造して?営業されているお店だったようで、一瞬、何コレ珍百景というか、「入っていいのかな」と迷ったくらい。

店内には、男性と女性それぞれ一人ずつ先客がいらして、いかにも美味しいカレーを作ってくれそうな店長さん(偏見)がぐつぐつ煮込むカレーをじっと待ちつつ。食べてみたら美味しかった〜! 寒い日だったので、カプサイシンで冷やしたくないな〜と思っていたんですが、スパイスは効いているのに辛くはなくて、必要以上に汗をかいて体を冷やすこともなく。


本来はエビカレーなんだけど、売り切れで秋刀魚。サバもあった。

あのカレー美味しかったな。また出雲に行ったら食べたい。そういえば待っている間、カウンターの棚に刺さっていた高野秀行氏『移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活』を読んだらとても面白かった。Amazonでポチろう。スパイスカレー屋の本棚って面白くて好き。発見がある。

続く。


小説もやってるよ


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