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焚書坑

 今週は読書週間なので、『中国名詩鑑賞辞典』から、書に関係してなくもない詩を。

焚書

   焚書坑
     章碣(しょうけつ)

(秦の始皇帝が己の政権に有害と認める)書物を焼き捨てた煙の消えるか消えないうちに、はや天下統一の大事業はむなしくくずれ
 哀れ秦の宮殿も廃墟と化し、後にはただいたずらに山河の固めだけが残った
 さて、焚書を実行した灰のまだ冷えきらないうちに、早くも山東の地は乱れ始めたが、
 秦の天下を奪った劉邦も項羽も、もともと学問を軽視する人たちであった(であるから、始皇帝の焚書は全くのナンセンスである)。

 この詩の作者・章碣は、晩唐の乾符(けんぷ)年間(874〜879)の進士。杜牧よりちょっと後の時代の人。

 このような焚書は、文化に対する暴政だと批判したもの。

 いつの時代も、権力者のやる事は変わらない!?

 見出し画像と詩のバックのイラストは、『ニュートンムック 古代遺跡シリーズ 古代中国』から。

            🐻

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