「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」読了しました。

下村敦史さんの「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」を読みました。

物語は、とある会社の社長が殺されました。
社長と関係のある7人が廃墟に集められます。
「社長を殺した犯人だけ生きて帰してやる。犯人以外は全員毒ガスで殺す」と廃墟のスピーカーから音声が流れ、7人の命をかけた自白合戦が始まります。

私がこの作品を読もうと思ったきっかけは、タイトルに惹かれたからです。情報だらけのタイトルは始めてで気になり、読みました。

最後まで読み終わった瞬間、私の第一声は面白かった。この一言に尽きます。
「犯人以外は全員毒ガスで殺す」という緊迫した雰囲気の中、自ら犯人だと名乗り出てては、トリックを破る。
様々な推理が飛び交い、新たなトリックが出る。短時間でトリックと推理の両方を思いつくのが凄いと思いました。

自分の命がかかってるので登場人物たちは必死です。
危機的状況になると人の本性が出る。その時の登場人物たちの表情が想像しやすくて、怖くもありました。

「世の中の大勢にとって、真実は重要じゃないんだよ。インターネットやSNSの書き込みを見れば分かるだろう?誰もが他人から責められたら”被害者“になって同情を誘い、他人を責めたいときは”探偵“になって自分の主張に都合がいい結論を導き出す。そして、誰もがある日突然”犯人“にされる。だったら、真実なんて意味があるのか?」

本書より引用

たくさんの情報が行き交う現代に、個人的に通ずる文章でした。

何が本当で何が嘘なのか。真実を予想しながら読むのが楽しかった1冊でした。
(私の予想は全て外れました!!笑)

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