暗号通貨市場で考えうるトレード戦略
UKIです。
今回は、現時点(2019年3月時点)での暗号通貨市場で考えうるトレード戦略についてまとめました。これらは自分たちで行った検証に基づくものですが、あくまでも主観に依るものですのでその点はご留意ください。
1.暗号通貨市場で考えうる戦略
以下、考えうる戦略の一覧です。
(1)時間軸
トレードの時間軸を示します。超短期:1分未満、短期:1分~数分、中期:数分~4時間足程度、長期:それ以上
(2)収益性
元本に対する利回りの目安を示します。
(3)リスク
収益のばらつきやドローダウン期間の目安を示します。スタートアップ資金が少なくて済むものは有利としています。またGOXの可能性があるものは当然×が付いています。
(4)資金効率
レバレッジをどのくらい掛けれるかを示します。時間軸が短期で高勝率のほうが有利としています。原理的にレバレッジが掛けられないもの(アルト現物など)や別途ヘッジが必要で資金を拘束するものは×が付いています。
(5)運用資金
運用可能な資金の大小を示します。少額しか運用できず複利効果が早期に頭打ちになるものは×が付いています。
(6)難易度
安定運用に漕ぎつけるための難易度の目安を示します。トレードインフラ整備などの専門技術を要するものや、値動きの予測が必要なものは不利としています。
2.各戦略の概要
まず収益に関して確実性の高い手法は2つあり、1つはマーケットメイク、もう1つは裁定取引です。
(1)マーケットメイク
マーケットメイクは経験談ですが、自身のスキル次第で日次勝率100%が達成可能です。利回りが非常に高く、低スタートアップ資金のためリスクも極小です。
ただし競争が激化して椅子の取り合いになっており、生半可な戦略は通用しません。トレーディングスキルだけでなく、プログラミング・通信等の専門知識が必要です。
(2)アルト裁定取引
ここでは価格差の大きなメジャーアルトの取引所間裁定を取り上げます。
裁定取引は同じ商品の価格差を利用して稼ぐ手法であり、値動きの予測が不要です。暗号通貨は世界中に多様な取引所が存在するため、裁定がやりやすい商品です。
ただし現物になるのでレバレッジが効かず且つヘッジコストが高い、椅子が少ないため収益が限られる、等のデメリットがあります。
一般的に裁定は低リスクと言わていますが、暗号通貨に限って言うとリスクは非常に高いと思います。このリスクとは、カウンターパーティーリスク、つまりGOXリスクのことです。残念ながら自分たちもアルトコイン裁定で利用していたQuadrigaCXでGOXしてしまいました。
続いて、値動きの予測が必要なトレーディング手法です。
(3)仕手検出
価格や出来高から仕手の動向を検出し、相乗りする手法です。
これは決まると気持ちが良いのですが、仕手を待つ間の資金拘束期間が長く、ダマシがあるので低勝率でハイレバを掛けることはできません。
特に草コインではそもそもレバは掛けられず、レバレッジ取引やショートのできるメジャー商品は方向の予測が難しいことも課題です。
(4)取引所指標
取引所指標とは、乖離率(限月間や現物-FX間など)、金利、LS比率など取引所固有の指標を指します。現段階ではテクニカルよりも有用であり、アルファが眠る可能性があると考えています。
テクニカル指標やチャート分析であれば値動きの根拠が不明瞭ですが、取引所指標だと(こじつけかもしれないが)説明できることが非常に有利です。
例えば、BitMEXのファンディングレートがマイナス0.1%とすると、少なくともロングしたい(もしくはショートしたくない)と思う人がいるでしょう。ただし相場はそう単純に動きません。どういうときに動きどういうときに動かないか。このような考えを張り巡らせることで確実に仮説検証を進めていくことができるのが強みです。
(5)トレンドフォロー
現時点でBTCはレンジ相場であり、トレンドフォローでは利益は出ません。何らかのカタリストをもとに相場が動き出す必要があります。
損失を抑えるためにレバレッジとノイズ感度を落としてドテンせずにひたすら耐えるしかありません。
3.現時点の暗号通貨市場で一発当てるには
上記のとおり、確実に稼ぐにはかなりの技術や検証を要します。
もし、自分が今から暗号通貨市場に放り込まれ、手元にある少額の資金を大金に変えろ、と言われたらどうするか書いておきます。
STEP1:シンプソンのヨコヨコレンジを利用してナンピンを行います。ただしナンピンは長期的に見ると必ず破綻する方法なので、Pump仕掛けの直後から期限を決めて実施します。ここで資産を増やせるかどうかは完全に「運」です。
STEP2:暗号通貨の今後のトレンドを決め打ちしてポジションを建てます。ロングかショートのどちらかに決め込んで現在のレンジの有利なポイントでレバ10倍くらいでHODLします(ロングなら37万円前後、ショートなら45万円前後)。
上昇トレンドの例:ETFが承認されてBTCは再度100万円台を目指す。
下落トレンドの例:取引所マターや大口の影響でBTCは10万円台を目指す。
※上記は極端な例えです。
基本的に「運」頼みですが、何も考えずにトレードするよりも戦略を構築する面白さを知って頂きたいと思います。
※推奨方法ではありません。責任取れないので絶対真似しないで下さい。
4.終わりに
投資において最も重要な事は、まず自分自身の目標値を明確にすることだと思います。いくらの資金を、どのくらいの期間で、いくらまでにしたいか。これを現実的な数値で定量化することです。
そうすることで、自分の取るべき戦略が明確になります。
一番正しい戦略は、今の暗号通貨には手を出さないことかもしれませんね。