うぐいす
優しい光の風に乗って
頬を撫でる春の香り
上着を減らしたお昼頃
理想を詰め込んだポッケ
今じゃ空っぽなおもちゃばこ
砂時計は止まってくれなかった
僕は置いてけぼり
声から忘れていく呪いは
僕にもかかっているのだろうか
わがままな気持ちに鍵をかけて
前を向くための第一歩
振り返れば三角座りした
噛み砕けない切なさ
誰かの幸せを祈ることは
静かに涙が流れるもの
結い合わせた赤い糸
結び目が綻ぶ頃に
見上げた空は花吹雪
僕の好きな安いコーヒー
今日も売れ残ってるね
だから静かに手に取って買って
ベンチに座って飲んでるよ
あの頃と何も変わらない
懐かしい味がいいんだ
もどかしい残り香と甘いカフェオレに
心が木漏れ日に触れる
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