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「GODZILLA(2014)」と「キングコング: 髑髏島の巨神」に見る怪獣のとカメラの距離感

怪獣映画には大きく分けて2種類の映画があります。
ひとつは「怪獣 = 人類の敵、意思の疎通ができない相手」である映画、もう一つは「怪獣 = 人類の味方、意思の疎通ができる相手」である映画です。

「GODZILLA(2014)」と「キングコング: 髑髏島の巨神」は同じモンスターバースと呼ばれる同一世界観の映画です。今後ゴジラとキングコングが戦う映画が制作されることが決定しています。

この2つの映画は上記のように人類と怪獣の距離感が違っています。

「GODZILLA(2014)」
「GODZILLA(2014)」ではゴジラとムートーという怪獣が出てきます。この映画の中ではゴジラは神と同等の存在とされており、すべての生物の食物連鎖の頂点に位置する存在であると言われています。

この映画ではその神々しさ、圧倒的な強さ、人類では歯が立たないことを表現するため、怪獣を写すカメラは遠距離からの望遠レンズを使ったものになっています。戦場カメラマンが遠距離から撮影したようなカットのみで構成されています。
広角レンズで怪獣をなめるようなカットは一切ありません。

引用元:GODZILLA(2014)

これにより、この映画における怪獣は「近づけない存在、圧倒的な強さを持っている、神に等しい、意思の疎通の取れない危険な相手」という印象を与えています。

カメラが遠くに置かれ超望遠で撮影 = 近づけない存在、圧倒的な強さを持っている、神に等しい、意思の疎通の取れない危険な相手

「キングコング: 髑髏島の巨神」
「キングコング: 髑髏島の巨神」ではキングコングとその敵である様々な怪獣が出てきます。この映画においてキングコングは島に来た主人公たちや原住民たちの味方として描かれ、物語終盤では主人公たちと意思の疎通をとるような場面もあります。

引用元:キングコング: 髑髏島の巨神

そのため、この映画では望遠だけでなく広角レンズを使い怪獣の周りを回るようなカメラも存在し、「近づける存在、人類の味方、意思の疎通が取れる」という印象を与えています。

カメラが近づける = 近づける存在、人類の味方、意思の疎通が取れる

またこの映画は4DX対応の映画であったため、通常の映画よりもライド感を求められた結果、広角レンズで怪獣の周りを回るカメラワークが取られた可能性もあります。

まとめ
このように同じ怪獣映画にであっても、求められる印象に合わせてカメラの配置を変えることで、その映画内における怪獣の存在がどのようなものであるかを表現しています。

カメラ位置による印象にはこのように大きな差を生むことがあるのでかっこいいから、きれいだからだけでなくより意味のあるカメラ配置を狙っていきたいですね。


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