「SSSS.GRIDMAN 第4話」に学ぶ演出技法
2018年放映の「SSSS.GRIDMAN」をもとに4話で使われている様々な演出を拾い上げてまとめていきたいと思ってます。
ネタバレを含むため、未見の方はご注意ください。
バスでの座り位置
バスでの座り位置で六花はアカネの一つ前の席に座ります。
六花はアカネに対して背中を見せていることで、アカネのことを信用していることを示し、アカネは六花の横に座らないこと、背中を見せない位置に座ることで六花との関係性が遠く本性を隠していることを意味します。
引用元:SSSS.GRIDMAN
背中を見せる = 無防備、信用している
背中を見せない = 警戒している、本性を隠している
窓外が光り輝く
バスの中で新庄アカネが宝田六花に響裕太との関係性を聞く際に、窓の外が光り輝いています。
これは1話の演出解析でもまとめた手法で、窓外を光り輝かせることで質問されている相手にプレッシャーをかけている不穏な印象を与えます。
引用元:SSSS.GRIDMAN
標識:一方通行
裕太は六花たちの合コンを尾行しますが、途中で見失ってしまいます。
一人外を歩いている裕太の背景に一方通行の標識が写ります。
引用元:SSSS.GRIDMAN
これは裕太の六花への気持ちが片思いであることを暗喩しています。
一方通行の標識 = 片思いの暗喩
目のドアップ
アカネが大学生に肩をぶつけられた際、若干俯瞰で目のアップのカットが挟まります。アカネはこのあと激怒し、大学生を殺すことに決めます。
引用元:SSSS.GRIDMAN
2話先生にぶつかった際も同じように俯瞰ぎみで目のドアップのカットが挟まります。
引用元:SSSS.GRIDMAN「2話」
若干俯瞰気味でアカネの目のドアップのカットは、この瞬間にアカネの怒り、ストレスが頂点に達し人を殺めるトリガーが引かれたことを表現してます。
俯瞰で目のドアップ = 不意のストレス、人を殺めるトリガー
同じアングルで気持ちの変化を描く
この話数では前半でアカネと六花が一緒にバスに乗るシーンが描かれるのですが、後半では六花が一人でバスに乗るシーンが描かれます。
この際に同じアングルで、アカネが居る場合と居ない場合を描いており、これによりアカネの関心(気持ちの方向)が「六花と裕太」の関係性から「グリッドマンについて」に変わったことを強調しています。
引用元:SSSS.GRIDMAN
同じアングルで登場人物を減らしたり増やしたりすることで、人間関係の距離感がかわり、物事が動き出すことを表現することができます。
同じアングルで登場人物が増減 = 人間関係が変化、物事が動き出す
まとめ
第4話ではアカネと六花、六花と裕太のそれぞれの関心が誰に向かっているのかを描きつつ、それが変化し始める話数なので人間関係を描く演出が多く盛り込まれています。