クレジットカードが作れない
駐在員として英国に赴任すると、最初の数か月は文字通り嵐のような日々が続くことが多い。仕事の立ち上げはもちろん、住居の確保や子供たちの学校の手配など、生活の基盤を整えるために多くの準備が必要になる。特に子供の教育に関しては、日本とは異なる教育システムや文化に直面するため、親としての心配や不安も少なくない。イギリスには、教育レベルが高いとされる公立校がいくつかあり、それらの学校は非常に人気が高い。こうした人気校への入学希望者が多いため、定員に達してしまうと入学待ちになるケースも珍しくない。
さらに、イギリスの公立校には「キャッチメントエリア」という制度があり、学校の正門から近い場所に住んでいる人が優先的に入学できるというルールが存在する。このため、人気校の周辺地域は住宅市場でも非常に競争が激しく、物件探しが一筋縄ではいかない。駐在員としては、まず日本人向けの不動産会社や現地の不動産会社を通じて物件を探すことになるが、希望の地域や学校に近い物件を見つけるのは容易ではない。多くの駐在員が、現地の学校や生活環境についての情報収集にかなりの時間を費やすことになるが、それでも理想的な物件や学校を見つけるには運とタイミングが重要になる。
そんな多忙な日々の中で、私が英国生活で最初に直面した意外な問題が、クレジットカードの発行だった。日本では、クレジットカードを作成する際に審査があるものの、サラリーマンである私はこれまで特に問題なくカードを作成してきた。入社して間もない頃でも、会社の信用を背景に比較的スムーズにカードが手に入ったことを覚えている。しかし、英国に赴任してすぐに、この常識が通用しないことを知ることとなった。
現地の同僚から「British Airways Amexカード」という航空会社提携カードを勧められ、早速申し込んでみたところ、結果はまさかの即却下。驚きとともに、「イギリス クレカ 落ちた」というキーワードでインターネット検索をしてみたところ、英国では自国でのクレジットヒストリーが極めて重要であり、それがなければ信用がないと見なされ、カード発行が難しいことがわかった。これは私だけでなく、他の駐在員も同じような経験をしているらしく、私にとっては新たな学びとなった。
クレジットヒストリーがない状態では、どれだけ安定した収入があってもカード審査には通らないことが多い。これを知った私は、しばらくの間クレジットカードを持たずに現地生活を送ることを余儀なくされた。しかし、同僚からは「時間が経てばヒストリーが蓄積されて、審査も通りやすくなる」というアドバイスをもらい、半年ほど経った頃に再度同じカードに申し込んでみたところ、今度は無事に審査を通過し、晴れて英国のクレジットカードを手に入れることができた。
British Airways Amexカードをはじめ、Amexは招待プログラムを展開しており、招待者も被招待者もポイント面でメリットを受けられるようになっている。
招待プログラムの内容は、他の駐在員の方がまとめているサイトでご確認頂きたいが、もし私から招待を受けてもいい、という方はぜひお気軽にご連絡を頂ければ幸いだ。
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