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高級紳士靴をゲットしたい

一部の駐在員に人気の街がある。イングランド中央部に位置し、紳士靴製造の中心地として世界的に知られているノーザンプトンだ。

ノーザンプトンはロンドンから北西に約100キロメートルの場所にあり、イングランドの中央部に位置する小さな街だ。この地域は古くから製靴業が盛んであり、特に高品質な革靴の製造で名を馳せている。

少し歴史に触れると、ノーザンプトンの紳士靴産業は16世紀に遡る。当時、この地域では羊の飼育が盛んで、上質な革が容易に手に入ったことから、靴の製造が発展したと言われている。また、この地域はイギリス全土に通じる交通の要所であり、製造された靴を各地に輸送するのに非常に便利だった。こうした地理的条件と豊富な資源が、ノーザンプトンをイギリスの製靴業の中心地へと成長させた要因とされている。

では、なぜ駐在員に人気があるのか。それは、有名な紳士靴ブランドがファクトリーストアを持っており、高級な紳士靴をお手頃価格で購入できるからだ。

例えば、クロケット&ジョーンズでは、いわゆるB級品が1足230ポンド(約44,000円、2024年8月時点)で販売されており、日本での販売価格(約10万円)の半分以下で購入できる。B級品と言っても、靴底の刻印が少し斜めになっている、靴の内側が少し汚れているなど、着用に全く問題のないレベルだ。ビジネスマンには、ファクトリーストア目当てでノーザンプトンを訪問してほしい。

ここからは、ノーザンプトン発祥の紳士靴ブランドを紹介する。

まずは、世界三大紳士靴ブランドとされるジョン・ロブ、チャーチ、エドワード・グリーンだ。

ジョン・ロブは、1866年に設立されたブランドで、もともとはフランスのパリで始まったが、その後ロンドンとノーザンプトンにも拠点を構えるようになった。特にオーダーメイドの靴で有名で、顧客一人ひとりの足にぴったりとフィットする靴を提供している。ジョン・ロブの靴は、伝統的な技法を守りつつ、時代に合ったエレガンスを兼ね備えており、その美しさと履き心地の良さは、一度履けば忘れられないと言われるほどだ。

チャーチは、1873年にトーマス・チャーチによって設立されたブランドで、ノーザンプトンを代表する紳士靴メーカーの一つだ。チャーチの靴は、堅牢さとエレガントさを兼ね備えており、特にビジネスシーンでの使用に適している。その特徴的なスタイルと品質は多くのビジネスマンに愛され続けており、世界中でその名を知られている。チャーチは伝統的な製法を守りつつも、新しいデザインや技術を取り入れ、常に進化を続けている。

エドワード・グリーンは、1890年に創業されたブランドで、特に手縫いの技術において卓越している。エドワード・グリーンの靴は、一つ一つが職人の手によって丁寧に作られており、その品質は極めて高い。シンプルでありながらも洗練されたデザインが特徴で、長く愛用できる耐久性も兼ね備えている。

ノーザンプトンにはこれらのブランド以外にも、魅力的な紳士靴メーカーがいくつも存在している。例えば、先ほど触れたクロケット&ジョーンズは、1879年に設立され、高品質なグッドイヤーウェルト製法で知られているブランドだ。この製法は、靴のソールをしっかりと固定しながらも、長時間の歩行に耐える快適さを提供するもので、クロケット&ジョーンズの靴はその耐久性とデザインの美しさから多くのファンに支持されている。

トリッカーズもまた、ノーザンプトンを代表するブランドの一つで、1829年に設立された非常に古い歴史を持つメーカーだ。トリッカーズの靴は、その頑丈さと防水性で知られており、アウトドアでの使用にも耐えうる靴として評価されている。また、クラシックなデザインが特徴で、時代を超えて愛され続けている。

さらに、バーカーというブランドも見逃せない。1880年に設立されたバーカーは、革の選定から仕上げまで一貫して手作業で行われる伝統的な製法を守り続けている。その結果、バーカーの靴は、履けば履くほど足に馴染むと評判だ。特に、カジュアルからフォーマルまで幅広いラインナップが揃っており、日常使いから特別な場面まで対応できる。

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