「オンライン・ポエトリー・ナイトフライト」感想
投稿時間を変更したらごそっと参加数が減って、
切腹したい気分です…。ああ、もう…。
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みっしゃん《遠雷ノイズ》
いいテキストだとおもうし、朗読も緩急の意識が見える。
ただ、そこが不徹底なため、全体としてのっぺりしたリズム感になってしまったのが残念。
もっと黙ったり叫んだり囁いたりしてもいいのよ。
テツ『そこらじゅうに咲いている花は誰が手入れしているのか知らないまま咲いている』
良作。けっしてそこまで巧い朗読じゃないんだけど、
要所を抑えているので聞かされてしまう。
オケの雰囲気や使い方も含めて、
このひと、自分の詩のことよくわかってはるなあ、っておもいます。
浦世羊島「無言の唄」
「延長戦は疲れるが好きなほうだ」
「言わなくても雨は好きに降る」
などパンチラインに
じわじわ感じ入りながら聴いていたら
ラスト一発で違う方向へ持ってかれました……。
もとざわ「馬鹿」
派手ではないけど、テンポのいいテキスト。
そこにおいて「馬鹿」のリフレインが
詩の通奏低音として効果的。
これは本質的なことじゃないけど、
「スマホに向かって朗読」「なぜかいるイーブイ」
などに意味性が見いだせると個人的にはいいなあ。
(こじつけろってわけではなく今後こういう動画をつくるなら)
吉見拓哉「Af」
「らしさ」は非常に出ているとおもいます。
ただ、オケが歌いすぎていて、
そこにきて朗読が平熱、平坦なので
耳が言葉よりも音に行きがちに
なってしまうかも。
素潜り旬『ジョン・ルーリー』
うーん。もう一声ほしいという印象。
メリハリはあるのに起伏が感じられない。
時間も1分以上余しているので、
もうちょっとやりようがあったかもしれない。
テキサスヒット。
サンシ・モン【靴擦れ】
ボタンをうまくかけきれなかったのかなと。
「靴擦れ」というモチーフの輪郭が
ぼやけている部分があって、
「いつかはこんなこと~」が
いかにも唐突に、
「ああ いたいよ~」は蛇足に感じました。
TSAKE「部屋≒頭の中」
妙な中毒性のある朗読。
ただ、わりと予測できてしまうラインだったり、
収束がすこし急な気がしました。
連想ゲーム的に展開していくので、
どこかで伏線を張るとか、なにかあると
いいかもしれません。
FJひねくれもん「心から…」
声、リリック、オケの親和性が高くて
安心して聴ける。
ただ、FJくんのデリバリーはかなり平坦というか
ワンパターンかつ癖が強いので、
そこを意識して変えたり抜いたりすると
もっといろんなところへ手が届くようにおもう。
あと、映像の気合の入り方は主宰として
めちゃくちゃうれしいです。
螢田うの『不屈』
速度とテキストは合っているなとおもう反面、
テキストが全体的に弱い、というか、
よく使われるような表現や比喩や韻が多く、
悪い意味で何度でも聞き流せてしまった。
「不屈」という強いタイトルなので、
そことのギャップもよけいにかも。
高橋紘介『チェーンスモーク』
前回もおもったけど、耳を奪うのが上手な方です。
独特の間を持っていて、場をきっちり支配している。
けっこう「詩に朗読させられている」ことって
あるんだけど、その点ではお手本のひとつに
なりえる朗読じゃないかなと。