「リピート」
刀折れ矢尽きても馬上少年過ぐ
やさしかったな あなたを探しにゆく
勘繰りでないぜ まんじりともしない夜
来世と今生のまにまに挫折の空ももう晴れる
三本だから折れないっておもっていた
気持ちはひとりぶんだけ
いしだけを積みこんだ手の順化系
黙れない口はリスキー ゆるんだ弓張り月
重さを喪った夜が降りてくる
片手落ちの結末 どこで指をひらこうか
しっかりと握るにあたわず
高架下のどうかした狂騒
遠く銃声が
遠く銃声が聞える
刃折れ矢尽きて、馬上少年過ぐ
つく、づく、うつ、るのはなんだったんだろうか
裏面のすけたジョーカー
あまりある星座のきらめき ちがいだけで語れない数時間
すると、なぜか、からだは常套句のようにうずく
遠く銃声が聞える
遠く銃声が聞えて、ぼくの、
なにげないとしか形容できないきょうが
正真正銘の明日に変わる
靴紐がほどけてしまった
あの赤と黒の 靴紐がほどけてしまった
頭の裏から襲い掛かってくるのは
だれの顔をしている?
※6月18日、冒頭作者贅言(a.k.a. O.A)から小島基成につなげるラス曲(詩)を書き下ろしました。