たねとりのススメ。たねに秘められた無限のチカラを侮るなかれ。
植物のたねは、時間とともに発芽率が落ちてきます。
そのためうかspice+では、できるかぎり毎年たねとりをして、たねの更新をしています。
古くなったたねはどうする? のかというと、そのまま土にお返ししているんですね。
そうするとよくよく起きるのが、野菜やハーブたちの自然発芽。
人間の手を介さずに、ハーブが自分のタイミングにあった時を選んで発芽してくる現象です。
植物にしてみればそんなことは当たり前のことなのだけれど、わたしのほうは、そうした現場に出会うたびに単純にすごいなぁと思ってしまうのです。
人間には五感。植物には4倍もの感覚器官があるってほんと!?
先日、庭の花壇の草整理をしようとして、エキナセアの自然発芽を発見。
しかも、トゲトゲ針ネズミ状態のまんまで発芽してるではありませんか。
みんなでぐいっと同じ方向を向いていて、すごくかわいい。
それに、生きていくぞ!っていうエネルギーに満ち満ちていて、かっこよくすらあります。
もう、朝から感動して惚れ惚れ。リスペクトが止まりません。
実は植物たちって、東西南北もわかっているし、重力の働く方向も、陽がさしてくる方向もちゃんと知っているんですよね。
だから土の中の暗闇でも、ちゃんと下に向かって根っこを伸ばしていくし、陽がさす方向に向かって芽を出していくことができる。
さらにさらに。
土の中にどんな成分がいまあって、どこに根を伸ばせば自分に必要な成分に出会えるかっていう、人間でいうところの嗅覚のような、味覚のような、視覚でもあるような、触覚でもあるような感覚ももっているそうなんです。
言葉も発する。
虫に食べられたら、「虫がいるよー」ということを知らせる物質を作り出して放出し、仲間の植物たちはその物質をちゃんと捕まえて、虫に食べられないように準備を始めるらしい。
無理やり人間の器官に当てはめたら、それって口から発する言語でもあるし、それをキャッチする耳でもあったりするわけで。
他にも植物たちの持つ力はいろいろ調べられていて、いまわかっているだけでも二十感はあるそうなのです。
人間だって5つの感覚だけじゃないはず
対して、人間のもつ感覚は五感のみ。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚。
加えて、「なんとなく」というテレパシー的な感覚もあるので、それを入れたら六感。
たったの六感。
でも、ちょっと前にふと思ったんです。
「わたしたち人間には五感が備わっている」
そう思うから5つの感覚だけしか使えないんじゃないの?
五感だけって、誰が決めたの?って。
あらかじめ5つと限定してしまえば、それ以上の感覚って気がづかないし発達しない。
もっともっと無限に感覚がある!って思っていたら、きっと感覚がどんどん開いていくんじゃないかなって思うのです。
(感覚が開きすぎると生きづらい世の中なので、わざとわたしたちは感覚を閉じているのかもしれないですね)
わたしはそんな気持ちで、いつも畑に立っています。
感覚をフルオープンにしながら。
たねの更新にはもうひとつ理由が
冒頭でお伝えしたたねの更新。
わたしが更新にこだわる理由は、発芽率が落ちるからということだけでなく、たねに記憶される情報をどんどん追加更新してもらうためでもあります。
どちらかというと、こちらの理由のほうが大きい気がします。
たねって、あんなに小さな小さな粒のなかに、ものすごく膨大な情報をもっているんです。
そりゃもう、人間が作れるスーパーコンピューターの情報量の比じゃないくらい。
たねに、なのか、DNAに、なのかわかりませんが、どこかにその膨大な情報が格納されているんです。
余談になりますが、あのビル○イツも、現存する情報記憶媒体のなかでDNAがもっとも優れているということに気づいていて、それを利用するためのあれこれを着々と進めているとか。近年の社会現象もその伏線だと思っています。
という陰謀論的な話は置いておいて。
とにかくたねってすごいんですよ。
しかも、たねというのは、その姿を形成する時に一旦、なかがドロドロのカオス状態になるということがわかっているそうなんです。
昆虫が、成虫になる前のさなぎ状態の時と同じです。
なかがドロドロのカオスになる。
それなのに、時間の経過とともに物質化していって、美しい蝶になり、蝉になっていく。
たねでも同じことが起きているそうなのだけれど、わたしは、たねというのは、カオス状態になった時に宇宙の情報の渦にアクセスして、アップロードとダウンロードをしているんじゃないかって勝手に思っています。
だから情報量は無限。
どのタイミングで根や芽を出すか。
どんな姿形に成長していくのか。
去年はどんな気温だったか。
陽光はどうだったか。
雨はどうか。
風はどうか。
どんな微生物、虫、生き物たちとどんな交流をしたのか。
人のどんな感情をキャッチしたのか。
すべてを毎年毎年、更新・蓄積していっているんだろうなと思っているので、たねを更新することはわたしにとってはとても大切なことなのです。
挿し木はクローン
ついでに書くと、挿し木では情報のアップデートは起こりません。
ハーブを増やす方法にはいくつかあって、たねをまく以外の方法では挿し木という手法がよく用いられるのですが、挿し木で増やすハーブは、完全なる親のコピー。クローンです。そのため、情報の更新は起きません。
実際に観察していても、そうだろうなと思います。
挿し木で増やした株は、親と同じタイミングで花を咲かせます。
でも、親からたねをとって、それをまいて育てると、違う個性の個体になる。
花の咲くタイミングもそうだし、時には姿形が少し違ってくることもあります。
だから。
簡単で確実なのでついつい挿し木に頼りがちになるのだけれど、意識してたねからの増殖もしていきたいなと思っています。
もうね。たねの話をし出したら止まりませんよ。
それくらい、たねって神秘でおもしろいのです。わたしにとっては。
ハーブ教室でも、お好きなハーブのたねを少しずつお渡ししています。
時に、野菜のたねも無理やりお渡ししちゃっていますが。
ご自分の場所で、どんどん情報をアップデートしてもらってくださいね。