“推しカクテル”作ってきた!ーUkaの推し活記録ー
推し活。
それは生きる力である。
書き出しから何を言っているんだと思われそうだが、過去に一度でも誰か、あるいは何かを推したことがある人なら大きく頷いてくれると思う。
それがバンドでも役者でもアイドルでも、アニメや漫画のキャラクターでも、はたまた脚本家や作家でも。
推す対象はなんでもいい。
推し方も人それぞれだ。
現場に行く、配信を見るはもちろん、グッズを買う、ファンレターを書く、ファンアートを描く、推しについて想いを馳せる…
どんな推し方をしてもいい。
そう、法律の範囲内で、かつ人に迷惑をかけたり嫌な思いをさせなければ。
そんな様々な推しとの向き合い方がある現代、SNSで見かけてどうしてもやってみたいものがあった。
"推しカクテル"である。
推しカクテルとは?
近年、推しをイメージしてなにかを作ることができるサービスが出てきている。
これは偏見かもしれないが、推しがいる人間は日常生活の様々な場面で推しを感じるものを探してしまう傾向にあると思う。
そうでなくとも推しを感じる何かを見つけるとついつい買ってしまう…そんな経験がある人も多いのではないだろうか。
しかしそれらはあくまで既製品。
もちろんそれはそれでめちゃくちゃ楽しいが、近年出てきているのは推しのイメージをそっくりそのまま商品に落とし込んでつくるサービスだ。
つまりオーダーメイドである。
推しカクテルもそのひとつ。
推しや推しコンビのイメージをオーダーシートに書いてバーテンダーさんに渡すと、世界にたったひとつの、推しのイメージ(私調べ)を盛り込んだカクテルを作ってくれるのだ。
なにそれ楽しそう。
とはいえバーって敷居が高いし、そもそもアルコールそんなに得意じゃないし…と行きたい気持ちはあれどなかなか実行に移せなかったのだが。
お店によってはノンアルでも作ってくれるという情報を入手し、とうとう先日、観劇帰りでテンションが高い友人(他担)を巻き添えに推しカクテルを作ってきた。
推しカクテルが作れるバー・inf.(西荻窪)に行ってきた!
今回お邪魔したのは西荻窪駅から徒歩3分ほどのところにあるバー・inf.。
このお店では通常のカクテルのほか、コンセプトカクテルという名前で推しカクテルを作ってもらうことができる。
ちなみにinf.では他にも"メモリアルカクテル"という名前のオーダーメイドカクテルがあり、こちらは思い出の曲とか身近な人とかをテーマにカクテルを作ってもらえるらしい。
推しをイメージしたカクテルを作りたい場合はコンセプトカクテルなので、注文の際は間違えないように。
注文すると最初に渡されるのがオーダーシート。
ここに推しのプロフィールや好きなところ、コンビなら関係性などを書いていく。
"これ以上小さな文字では書かないで"という目安の大きさがあったり、絵ではなく言葉で書くように案内があったりするが、基本的に推しに対しての感情を思いのまま書いて問題ない。
アルコールの強さも選べるので(※ノンアルも可)お酒が苦手でも楽しめるのが嬉しい。
お通しをつまんだり、通常メニューから選んだ一杯目のカクテルを飲んだりしながら推しに想いを馳せる…とんでもなくしあわせな作業だった。
ちなみにこのオーダーシートは持ち帰りはできないので、お渡しする前に写真に収めておくことをおすすめする。
・イメージカラーは水色と紫
・クールで物静かな印象
・強い眼差しが印象的
・人見知り
・努力家だがそれを表には見せない
・非常に繊細なお芝居をする
・意外とロマンチスト
・歌が上手くてダンスがキレキレ
…などなど、とにかく思いつくままに書いていった。
これをもとにバーテンダーさんがカクテルを作ってくれるのだ。なにそれすごい。
このシートを丁寧に読み解いた上で、内容を可能な限り反映したカクテル作っていただけるので当然時間はかかる。
時間に余裕を持って来店するのがポイント。
オーダーシートを提出したら、あとはひたすら待つのみ。
その間に他のお客さんにコンセプトカクテルが運ばれているのが目に入り、バーテンダーさんの説明に聞き耳を立てると結構楽しい。
そしていったいどんなカクテルが運ばれてくるのか待ち遠しくなることは間違いない。
ちなみにinf.のバーテンダーさんはみなさん推しがいる人間だそうだ。
なのでブロマイドとかを広げていると「推しですか!?」と話しかけてくれたり、推しについていろいろ質問してくれたりする。
さすが接客業というべきかみなさん聞き上手なので、思う存分推しの話を聞いてもらおう。
いよいよ推しカクテルが完成!
時間にして20〜30分くらいだっただろうか。
「お待たせしました」と目の前に待望の推しカクテルが…!
き、きれいすぎ…!!
しかも作っていただいたカクテルについては、バーテンダーさんから細かく解説してもらえる。
こちらの解説は撮影や録音はできないので、しっかりと鼓膜に焼き付けてほしい。
以下は私が鼓膜に焼き付けた内容。
前述のオーダーシートと照らし合わせて読んでいただけると、バーテンダーさんのすごさと私の動揺っぷりがより伝わると思う。
バーテンダーさん※以下「バ」)「上の方から説明しますね。こちらの青い部分は六GINというお酒とブルーキュラソーで作りました。この六GINというのが日本で作られたお酒で、柚子や桜、山椒などをブレンドした非常に繊細な味がするんですね。この繊細さを出すために職人の技巧と努力と工夫が重ねられているので◯◯さん(※私の推し)の努力家で繊細なところを表現しました。」
この時点でなにかを察する私。
これはとんでもないものに手を出したかもしれない。
バ)「山椒が入っているのが結構ポイントで、少しピリッとした味になるんですね。クールな切れ味の良さが◯◯さんの雰囲気にぴったりかなというのもあって選びました。」
あ、あ〜わかるわかるそうそう推しのクールな感じってそうそうそう(語彙力の消失)。
隣から友人のにやにやした視線を感じながら解説は続く。
バ)「そして下の紫の部分ですね、こちらがすみれのキュラソーになっています。いまそんなに感じないかなと思うんですけど混ぜていただくととても華やかな香りになるので、実はロマンチストなところを隠してるよって意味も込めて下層に選びました。でもあくまでクールで物静かということだったので、すみれのキュラソーだけじゃなくて苦めのトニックウォーターもブレンドしています」
ひぃ。
えっバーテンダーさん同担(※同じ人を応援している仲間のこと)ですか?と一瞬疑うくらいの解釈の深さ。
バ)「そしてですね、こちらのグラスなんですけど。◯◯さんは人見知りでなかなか心を開かないとのことだったので、分厚いグラスでご用意しました」
な ん で す っ て。
えっっそんなところまで…グラスまで解釈に合わせて選んでくださって、えっ???
完全にカクテルの味や色味で表現するものだと思っていたら、まさかのグラスまでその対象で動揺する私。
そんでもってよりによって人見知りのところをグラスの厚さを使って表現するなんて…
たぶんこの時の私は相当頬が紅潮していたと思う。
そんな私にバーテンダーさんの最後の解説が襲う。
バ)「そして◯◯さんの印象的なところ、そしてUkaさんがお好きなところとして力強くて鋭い眼差しと書いていただいていましたので、こちらのきらきらしたマドラーをお付けしました。」
う゛っっっそこ私の一番好きなところ!!!
なぜ知ってる!?(書いた)
※ここで友人が興奮して私の肩を叩く
推しの鋭すぎる眼差しと、眼差しで表現するお芝居に惚れ込んでいる私にとってはあまりにも衝撃が強い。
しかもバーテンダーさんが持っていたペン型のライトで照らすとマドラーのクリスタル部分がきらっきらっと反射するあたりが解釈一致で、わかる〜!と頭を抱えてしまった。
推しの瞳に乾杯。
まさにそんな気分である。
写真を撮るときにぜひ使ってください、とライトまで貸し出していただき、友人の協力のもとめちゃくちゃ写真を撮った。
あとから友人が言うには、説明を聞いている時の私は完全に恋する乙女の顔をしていたらしい。
かくいう友人も彼女の推しカクテルの解説を聞いていた時は完全に恋する乙女の顔をしていたのだけれど。
そして肝心の味だが、私的には味覚的にもドンピシャだった。
お酒をあまり飲まないのでノンアルかお酒弱めでお願いしていたけれどしっかり反映してくださっていたし、すみれのリキュールのほんのりした甘さが私好み。
せっかく解釈を込めて作って貰っても、味が苦手で飲めないのは悲しすぎる。
オーダーシートの苦手な味記載欄は可能な限り細かく書いておくのがおすすめ。作り始める前にバーテンダーさんから聞き取りがあるので、見栄を張らず正直に答えた方がいい。
ちなみに、解説する時に使ったリキュールのボトルも一緒に出してくれるので写真に収めておくことをおすすめする。
一杯ずつオーダーメイドのカクテルなのでまったく同じものは二度と作ることができないが、写真に収めておくと次回来店時に再現することはできるらしい。
私はあまりに気に入ったのでその場でもう一杯作ってもらった。おいしい。
※イメージカクテルは作成に時間がかかるので基本一回の来店で一杯まで。二杯目以降はかなり時間がかかるとのこと。
推しカクテル注意事項まとめ
「推しカクテル作ってみたい!」
「だけどバーに行くのははじめてだし…」
「結局なにを気をつけたらいいの?」
そんな方のために、注意事項をおおまかにまとめてみた。
推しカクテルの注意事項は以下の通り。
・inf.さんは事前予約制
→公式サイトから予約しよう!
・inf.さんのイメージカクテルには"コンセプトカクテル"と"メモリアルカクテル"がある
→推しカクテルは"イメージカクテル"でオーダーしよう!
・オーダーシートは文字のみで記入しよう
・文字のサイズは指定のサイズを下回らないこと
・作成に時間がかかるので余裕をもって来店しよう
・原則一回の来店で一人一杯まで。一杯目のお客さんを優先的に作成するため、二杯目以降はかなり時間がかかる。
・カクテル解説中の録画、録音は禁止
・水曜日は定休日。
とにかく楽しく、未知との遭遇だった推しカクテル。
推しがいる、かつ解釈厨のオタクのみなさんには是非一度は作ってみて欲しい。
inf.店舗情報
inf.
中央線・総武線 西荻窪駅から徒歩3分
東京都杉並区西荻北3-30-11 パルファンビル3F
TEL:03-6913-6225
mail:inf.fem@gmail.com
営業時間:公式サイト参照
定休日:水曜日