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灰色になり始めた世界 【婦人科手術を受けるまでの道③】

医療ドラマなんかを見ているとよくMRIのシーンが映る。MRIに患者は横たわっているだけで、先生たちは画像を見ながらあーだこーだお話していたりする。

MRIって寝てるだけでいろいろ見えるんだ。痛くなさそうだしいいね。いつもそう思っていたから、自分が初めてMRI撮るといってもどこかプリクラ撮りに行く程度の感覚で画像検査センターに行った。

検査着に着替えて準備完了。ヘッドホンつけられて、検査中すこし機械音がするけれど「音楽きいていてくださいね」と言われる。へえ。楽ちんじゃん。

検査が始まった途端に余裕かましていた自分を後悔する。

「すこし機械音がする」
すこし?新宿のビル建設工事現場のど真ん中で、鉄柱に耳つけて寝っ転がってる感じよ、これは!(したことないけど)。

「音楽きいていてくださいね」
全然聞こえない!(笑)ヘッドホンも耳にフィットしないし、音小さすぎてなーーーんにも聞こえない。耳カバーする意味無し。
そもそもずっとカーーン!カーーン!工事真っ只中の音でヘッドホンからわずかに聞こえる音なんてかき消されてしまう。
頭がクラクラ。。もうお願い・・わたしの鉄筋を叩くのはやめて・・

途中で「やっぱり造影剤入れますね。もし気持ち悪くなったりしたら言ってください」と言われる。
そう言われたからかもしれないし、もうすでに頭がガンガンしてきてたからかもしれないけど、なんだか息苦しいような気持ち悪いような気になり、勇気を出して「すみません・・。ちょっと気持ち悪いです・・」と言ってみた。走って様子を見に来てくださったけど、結局「もうすぐ終わるのでちょっとがまんしてくださいねー」で終わった。

全然楽しくなかった。

二週間後、MRIの結果もその前にやった婦人科の検査の結果も出ているのでまとめて話を聞きに来てくださいと言われていたので、またクリニックへ行く。

造影剤を入れて撮った画像は本当にはっきりくっきりみえた。
先生には、嚢胞がたくさんできていること、入り口のほうにたくさんできているのでそれが理由で体がん検査が難しかったのだろうということ等お話してもらった。

このとき3つほど可能性のある病気の名前が出てきた。正直この時点でもまだ「嚢胞できてますが、様子見てみましょうか」くらいで済むと思っていたから、病名が出てきてびっくりした。

そのうちの一つがLEGHだった。初めて聞く病名でいまいちピンとこなかった。「子宮頸部多発嚢胞」。
先生の見解では、3つのうちこれの可能性が一番高いんじゃないかというこっとだったけれど、診断を確定させるのは難しいとのことだった。「99%の確率で良性なので、通常は3ヶ月から6ヶ月に一度の経過観察になると思います」という説明だった。また検査しないといけないのか。めんどくさいなと思った。

先生が、定期的に見てもらうなら大学病院のほうがいいと思う。もしまたMRI撮るということになったときもそのほうが早いということで、紹介状を書いてくださることになった。その時先生は「ただ、大学病院に行くと、摘出したほうがいいと言われる可能性が高いです」ともおっしゃっていた。99%良性でも、少しでも悪性の可能性があるなら、その悪性の可能性をなくすほうを勧めることが多いとのことだった。

なんだか急にいろいろな「可能性」を言われて、正直どう捉えたらいいのかわからないところもあった。99%良性というのは安心材料なのか。100%じゃないから不安要素なのか。どの程度心配したらいいものなのか。そもそもLEGHってなんなのか。

ネットで検索して見つけたものを読んでみたけど、嚢胞がいっぱいできること、水っぽいおりものが特徴なこと、そして殆どの場合良性なことが書いてあって、結局どういう感情で向き合ったらいいものなのかはわからないままだった。(つづく)


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