わたしはわたし。 【婦人科手術を受けるまでの道⑥】
二週間後、また病院にやってきた。
まだまだ慣れないし落ち着かない。今日はお話だけなのに落ち着かない。
ここ二週間、いろいろ考えてみた。
子宮を全摘出しようと思った場合のメリット・デメリット。
摘出したときとしないときの今後。
摘出したとしたら・・
とにかくいまある症状とはすっきりサヨナラできる。
1%のモーレツな不安を抱え続けなくてもいい。
病院通いもしなくてもいい。
傷ができる。(当然)
生理もなくなる。(当然)
子供が産めなくなる。(当然)
摘出しないとしたら・・
いまある症状は続く。
経過観察として数ヶ月に一回病院に来なきゃいけない。
あげく「グレーですね」と言われるのがせいぜい。
ある日突然「クロです」と言われて、ラッキーなら摘出、アンラッキーなら・・ガクブル。
最悪の場合、最悪なことになる。
結局、あまり悩まなかった。
「摘出しない」というチョイスがどう考えても、どれだけ考えても、わたしにはなかった。
親しい友人たちに話をしたとき、友達のほうが感情的になって「取らないほうがいいんじゃないの」「取らなくてもいいんじゃないの」なんて言ってきたけど、わたしはむしろ「残す理由」が見えなかった。
年齢もいい年だし、結婚もしていない。
子供は大好きだけど、こうなる前から、この歳になった以上、今後20年を子育てに使う気はもうなかった。
来年の今、子宮があったとしても、絶対に子供はいない。
子供がいないのは、子宮がないからではない。わたしが今まで人生でしてきた数々の選択の結果、いまの場所にいるからなのだ。
「後悔しない?」と聞く人もいる。
もしかしたらいつの日か後悔する日が来るのかもしれない。でも、生きてなかったら後悔もできない。後悔できるのは生きてる証。そうなったら後悔も喜んでするわ。
そう思えたから、先生には全摘出する意思があること、自分は70歳、80歳になったときによかったと思える選択をしたいことを伝えた。
ざっと手術の時期も決めた。早いほうがいいと思って、1〜2ヶ月後までにはすることにした。
ここまでさんざん向き合わずに逃げ回っていたことだったのに、こうなったら進みは早いもんだと思った。
先生に漠然とした疑問や質問をしてその日は終わった。
次は一ヶ月後の術前検査の際にお会いして、手術の詳細を聞くことになった。
(つづく)
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