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再び赤津へ

瀬戸の街を歩いていると至る所で目にする本業タイル、新居を染付タイルで飾りたいとネットで工房を探し車を走らせました。行けども行けどもお目当ての工房は見つからず、導かれるように再び赤津へ。


街かどで目にした猫とタイル

せっかく赤津へ来たのなら、前回閉まっていたギャラリーをのぞいてみようと駐車場に車を停めて「てしごとや」さんに向かいました。「ここは猫がいるのでアレルギーのある方はお知らせください」という張り紙に、猫好きの夫と私は惹かれ店内に。いました!仕切られた隣の部屋に猫が2匹、一匹はとても人慣れしていて木の柵越しに夫に擦り寄ってきます。いやいやここは「猫カフェ」ではなくギャラリーであったことを思い出し、棚に並べられた花柄やハート、パッチワークをモチーフにした楽しい作品をじっくり見せていただきました。


最後に自分用に背が高めのポップなコップを購入しました。ギャラリーで対応してくださった若い女性作家さん(すみません、お名前を聞き忘れました)のお母さんの安藤喜代子さんの作品だそうです。「丈山てしごとや」さんは3代続く鎌本さんですが、赤津では新しい方だそうです。


水道水も美味しく感じる楽しげな柄のコップ

歴代続く窯元が多く、予約なしに作品を見せていただくのは難しいとのこと。そんな中ここなら開いているかもと紹介していただいたのが隣の「長曽窯 三陶」さん。早速敷地内に入ってみたものの工房はやはり閉まっている様子。諦めて帰りかけたところ陶主が出てきてくださり、「何もありませんが」とシャッターを開けてくださいました。

いやいや何もないどころか、広い工房に置かれた作品の数々。工房内には大きな窯も4台ありました。陶主は御年80歳、息子さんたちは別の道に進み今はお一人で気が向いた時に作品をつくっておられるとのことでした。


所狭しと並べられた器の数々

今回夫が気に入って購入したのは瀬戸ぐろの湯呑み茶碗。家では煮物を入れる小鉢として使いたいと思っています。外には2客しかなかったので、複数あるかどうか聞いたところ、奥から籠いっぱいの作品を持ってきていただき好きな色目を選ぶことができました。


空芯菜の炒め物を入れていただきました


30年ぐらい前までは陶磁器作りで子供を東京に送り教育を受けさせることもできたが、今は不景気。たとえば写真の織部の大皿もかつては1万円でどんどん売れたが、今は値段も上げることもできずなかなか買い手もいないそうです。気になるのは陶磁器の作り手の高齢化と、国内需要の低下。海外進出に活路を見出すなど工夫をしないと、陶器産業も先細りになるのでは。瀬戸ものづくりの光を絶やさないためにも、これからもその魅力について発信していけたら嬉しいです。


かつては飛ぶように売れたという織部焼のお皿

尚、赤津では5月と11月の第2土曜日・日曜日に「赤津窯の里めぐり」が開催されます。普段見ることができない工房やギャラリーが開放され、作り手さんと直接お話ができる貴重な機会だと思います。私も秋の窯の里めぐりを今からとっても楽しみにしています。


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