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招き猫まつり in 瀬戸
街の福猫
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瀬戸の街を歩いていると至る所で猫の置物に遭遇します。観光地の案内板やお店の看板にちょこっと座っていたり、「瀬戸蔵ミュージアム」の前のショーケースの中でも見つけることができます。また瀬戸には「招き猫ミュージアム」があったり、「招き猫」にちなんだマルシェもよく開かれます。「招き猫といえば常滑」というイメージを持っていた私は、なぜ瀬戸に「招き猫」があふれているのか不思議に思っていました。
瀬戸の招き猫
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そんな疑問に答えてくれたのが「来る福招き猫祭りin 瀬戸」のイベントチラシ。瀬戸では常滑で招き猫づくりを始める50年も前に、陶器による招き猫の量産を始めたそうです。そのルックスも丸顔で垂れ目の常滑系と違い、スッキリ細身で顔が小さく本物の猫に近いのが瀬戸招き猫の特徴なのだそうです。
来る福招き猫まつりin 瀬戸
前置きが長くなりましたが、100余年に及ぶ招き猫の歴史がある瀬戸の一大イベントが「来る福招き猫祭り」です。平成8年から「日本招き猫俱楽部」によって「招き猫の日」に制定された9月29日前後の週末に開催されてきました。今年は何と29回目。9月28日と9月29日の二日間、瀬戸駅周辺の14会場で祭りにちなんだ催しが開かれ、私も初日に夫と二人で参戦しました。
中心地から少し離れた「文化センター」の臨時駐車場に車を止め、会場案内の地図を片手にいざ出発。会場に近づくにつれ猫耳をつけた老若男女(といっても主に女性)とすれ違い、「まつりを楽しもう」という意気込みが感じられます。
日本招き猫大賞作家展
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会場の一つである「新世紀工芸館」の展示棟2階では、 昨年の日本招き猫大賞受賞作品「猫の力」はじめ「西岡良和」さんの作品が所狭しと飾られていました。猫が一瞬見せる何気ない動作を切り取った作品は、猫好きの心に響きます。特に印象に残ったのは「運子」というコミカルな作品、「これうちのキティーじゃない?」と思わず叫んでしまいました。19歳になるシニア猫の踏ん張る姿をよくぞ描いてくださいました。
河村目呂二「吾輩はMONEY=KEY猫である」展
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同じ敷地内の交流棟では、河村目呂二「吾輩はMONEY=KEY猫である」展が開かれていました。河村目呂二は大正後期から昭和初期にかけて活躍した芸術家で「ねこの先生」として親しまれてきたそうです。会場でまっさきに出迎えてくれたマネーキーは、ハート型の眉毛にカイザー髭を蓄え、硬貨(Money)と鍵(Key)を抱えて遠慮がちに左手を挙げていました。大ききく開かれた目と長いまつ毛は招き猫というよりも、キューピー人形を連想させます。「関東大震災の復興を願って作成されたマネーキーは創作招き猫の走りなんですよ」と会場にいらした目呂二のお孫さんが声をかけてくださいました。
マネーキーと同じケースに満面の笑みを浮かべた黒猫が。なぜフィリックスがここにと思いきや、実は目呂二が戦後の日本を「笑い」で元気にしたいと願って作った最後の創作招き猫の「ラフター」でした。こちらは名古屋の丸栄百貨店で販売したものの、あまり売れず本人もがっかりされたとのことでした。戦争や災害など暗いニュースが後を絶たない今日この頃、もし目呂二が生きていたらどのような招き猫を作ったのでしょうか。
千客万来すえひろ勝手に招き猫まつり
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工芸館を出て次に向かったのが、せと末広町商店街。「千客万来招き猫マルシェ」では猫をモチーフにしたハンドメイドの雑貨を売るスタンドが軒を並べていました。中でも目に留まったのが切り絵作家、さとうみよさんのグッズ。あまりの可愛さにお財布のひもがゆるみ、ペットボトルホルダーと長袖のTシャツを買ってしまいました。
100人展アートマーケット
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銀座通り商店街を足早に通り抜け、メイン会場の一つ「パルティせと」に着いたのは2時半過ぎ。「にっぽん招き猫100人展」の出展作家さんの作品を展示即売する「100人展アートマーケット」で買い物を楽しみました。会場では「あ」から「ん」までのひらがなで始まる前向きになる言葉を集めた大畠ひろさんのポスターを購入、会場を出たところで目に止まったのはチビ猫の写真を集めた来年の卓上カレンダー、早速購入したところ、「猫の肉球」写真集をおまけにもらいました。
にっぽん招き猫100人展
最後に訪れた「瀬戸ぐら」の「にっぽん招き猫100人展」では全国から選ばれた100人の作家による創作招き猫公募展が開かれていました。「日本招き猫大賞」は一般来場者の投票と審査員審査を総合してが選定されます。大賞受賞者は来年の「第30回来る福招き猫祭りin瀬戸」に招待され個展を開くことができるとか。私も作品を見て一票を投じたのですが、陶芸、絵画、人形などジャンルの違う100の作品を疲れた頭でちゃんと評価できたかどうか、来年は最初にメイン会場を訪れ、フレッシュな頭でもっと時間をかけて作品を選ぶことができたらと思っています。
おわりに
今回はお昼過ぎから駆け足で会場を回ったので、見られなかったイベントや展示もありました。来年こそは毎日限定500枚の「招き猫うちわ」をもらって、この瀬戸ならではのイベントを朝からじっくり楽しみたいと思っています。