あんときのフィルムカメラ 戦後のドイツコダックの使いやすい Kodak Retina IIIC
もっとも使いやすいクラッシックカメラ
いわゆるアンティークカメラとかクラシックカメラの類いで最も使用したのが何かと問えば、僕としては、やはり、ドイツコダックの蛇腹式フィルムカメラのRetinaシリーズじゃないだろうかと記憶しております。
フィルムカメラ時代、よく使用したのは、IIcとIIIc、あるいはIIICで、IIIcは、Xenon50mmのモデルと、IIICのRodenstockのHeligon 50mmを持ち合わせていました。
このへんのフィルムカメラはほとんど処分してしまったのですが、フィルムカメラ再起動にあたり、やっぱりレチナを使ってみたいなあということで、2020年の年末に
RetinaIIICのXenon50mm搭載モデル
を「ポチッとな」してしまいました(涙
戦後のカメラ
このカメラは、I型から始まるレチナシリーズとしては、最終モデルにあたるIIICで通常「大窓」と言われるもので、セレン光電池式露出計を装備した、まあ
戦後のカメラ
といっていいのではないかと思います。
セレン光電池式露出計も「生きている」には生きているのですが、まあ、ここは割り切ってフルマニュアルカメラとして使用してみました。
しかし、20年ぶりに操作してみると、正直なところ、ギミックとして
「使いやすい」
というカメラという印象を深めてしまいました。
このカメラは、いわゆるパトローネに入ったフィルムの販売促進を目的に製造されたと聞きますが、そのゆえでしょうか……ねぇ。
フィルムカメラ入門機としてもおすすめ
「あんときのフィルムカメラ」の連載第1回めは、バルナックライカではじめました。最初に購入したカメラがライカIIIfだったので、やはり趣味のフィルムカメラを再開するにあたってはライカではじめようという意図です。
ただ、やはり20年ぶりぐらいのフィルムカメラでしたので、36枚撮りのフイルムを使い果たすのに、2ヶ月以上費やしてしまいましたが、さすが「使いやすい」レチナIIICです。
10日間で撮影し終えてしまいました。
20年前のフィルムカメラにもっともハマっていた時期でしたら、1日で撮影し終えたものですが、それでも念入りには撮影したつもりなんですけれどもね。
とはいえ、1日で撮影し終えるのは目的があってのことです。要するに中古カメラやさんで購入後、トラブルがないかどうか試写して確かめるための撮影でしたから、とにかく撮しまくっていたわけですから、撮影の目的が異なります。
さて、写り具合はいかがでしょうか?
印象批判にならざるを得ませんが、絞れはシャープ、開放で撮影すれば、
やわらかなボケ
が印象的です。
大変使いやすいレチナは、フィルムカメラ入門機としてもおすすめですね。二重像合致による距離計連動、露出計搭載、ジャバラ式でコンパクトに携帯できる筐体など大変使いやすいカメラです。
以下、作例です。
↑ f2.0 1/30
↑ f2.0 1/15
↑ f2.0 1/15
↑ f16 1/30
↑ f5.6 1/125
↑ f2.0 1/250
↑ f22 1/60
↑ f2.0 1/125
↑ f2.0 1/30
↑ f11 1/60
↑ f8 1/500
↑ f5.6 1/500
↑ f2.0 1/500
↑ f8 1/125
↑ f2.0 1/8
↑ f2.0 1/15
↑ f2.0 1/15
撮影は2021年1月7から1月17日にかけて。フィルムは、富士フイルムカラーネガフイルム フジカラー 100を使用。香川県仲多度郡多度津町、三豊市、高松市、善通寺市で撮影しました。瀬戸内海と瀬戸内の山、そして多度津町の藝術喫茶清水温泉、お惣菜処てつやを中心に取り上げてみました。讃岐の厳冬の様子をスケッチしてみました。