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あんときのデジカメ 捉えることのできない変化を捉える=錯覚すること with SONY Cyber-shot DSC-T100

(はじめに)時間は変化し続けるものである以上、その変化を認知することは不可能です。しかし人間は写真で2点を対照したりすることで変化と錯覚して生きています。そんなことを考えながら、春という時間の変化を2007年製のSONYのデジタルカメラでスケッチしてみました~。

ゼノンのパラドックス

時間の変化を私たち人間は正確に把握できるのでしょうか?

ある状態から次の状態への変化は、時間の変化という現象の1つの側面ですが、それを運動と捉えることができます。しかし、それをとらえること自体がゼノンのパラドックスを召喚してしまいます。

要は、足の早いアキレスは、先に出発した鈍足の亀を永遠に追い抜くことができないという論理的矛盾を必然してしまうということですよね。

しかし、私たちは、認識できないものを認識していると錯覚しています。それが時間の変化であり、変化を見るのではなく、本来静止状態にないものを静止状態として仮りに捉え、その2点を対照することで「変化」と捉えているに過ぎません。

ベルクソンの指摘に倣えば、「にせの運動」を虚構しているということに過ぎないという話です。

 ある状態から次の状態への「間」には、時間が考えられる。だがこの「時間」は、前後の区別としての「時」から派生するのであり、かつ前後を鳥瞰することによって生じる。ニーチェの言葉でいえば、それは前後としての遠近法の転倒である。
(出典)柄谷行人「時と場所」、柄谷行人『内省と遡行』講談社学術文庫、1988年、93-94頁。

錯覚という現象の積極的な意義

 さて、本来、捉えることができない現象を、捉えたと設定して私たち人間は生きているのですが、その錯覚の助けになっているのが写真という現象ではないでしょうか。

 つまり本来ストップすることのできない「時」という現象を切り取り、そして比較対照させることを容易にさせているという意味では、写真(あるいは絵画)という人間固有の文化は、人間が積極的に世界に関わっていくためのカラクリとしてうまく機能しているのではないかと僕は考えています

 ということで、今回は、「春」という「時」の「変化」に注目して撮影してみました。

 香川県善通寺市から三豊市にかけての春という時間の変化を素材としてみましたが、やはり写真で対照させると一目瞭然ですよね。

 錯覚という現象に人間はどちらかといえば否定的なイメージ、あるいはマイナス要素を見出しがちですが、錯覚があったればこそ、人間は人間らしく生きていくことができるのかも知れません

 気がつけば、桜から躑躅へと季節は変化していますね。

SONYだからこそ映える「赤い」カメラ

 今回の撮影で使用したのは、2007年製のSONYのCyber-shot DSC-T100になります。2007年製ともなると、もはや僕のなかではクラッシクなデジタルカメラというよりも、現役で使用しても「全く問題ない」という認識で酷使できるのですが、これもパラドックスというには大げさかもしれませんが、ひとつものの裏と表のような認識かも知れません。

 なぜならば、思うに、ほとんどの人は、15年も前の「デジタル製品」を「現役」と呼ぶなんて「なんて酔狂な」と思うのが現実ではないかと想定されてしまうからです。

 まあ、もちろん、機能的には最新鋭機には劣るのは事実ですけれども、使えなくはないという意味というところですけれどもね。

 では、簡単にスペックを紹介します。撮像素子は、有効810万画素の1/2.5型CCD、レンズは35mmフィルムカメラ換算で35-175mm相当の光学5倍ズームを搭載したスリムなデジタルカメラです。光学式の手ブレ補正機構が内蔵されており、最高ISO感度もISO3200までの設定が可能となっているため、室内や夜間の撮影にも強くなっているのが発売時の「ウリ」となります。

 使用感としては、光学手ブレ搭載ということ、そしてエントリー機より高倍率のズームレンズ搭載のおかげで非常に使いやすいコンパクトデジタルカメラという印象です。

 もちろん、手ブレ機能の時代的限界であるとか、高感度時のノイズなど様々な問題があるのは事実ですが、僕としては、そして僕の使用はポタリングでの相棒ということになるのですが、とくに大きな問題もなく、ストレスなく使用できたという意味で、良いカメラという印象に付きます。

 ひとつ付け加えれば、そしてそのことはSONYに対する礼賛になってしまいますが、こうした原色の「赤」いカメラというのはSONY製品によく似合いますよね。

 ということで以下作例です。拙い写真ですがご笑覧くださればと思います。


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さて、今回の撮影行で立ち寄ったのは「すき家」さん。近所の善通寺上吉田店(香川県善通寺市上吉田町393番)になります。ねぎ玉牛丼に豚汁とサラダを合わせてみました。不思議なものですが、こういうファストフードは、「たまに食べると美味しい」ものです。

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ということで撮影データ。プログラム撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像は3264×2448で保存。撮影は2020年4月08日~4月24日。撮影場所は香川県善通寺市、三豊市、丸亀市。

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氏家 法雄 ujike.norio
氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。

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