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【ベイズ理論】Dodgersのケガ問題とロバーツ監督
おはようございます。
ドジャースのシーズン中の怪我人リストをベイズ理論を使って分析してみました。ベイズ理論では、既存の情報(事前確率)を用いて、新たな情報(事後確率)を推定するものです。
ドジャース 負傷者リスト
## 1 投手
/ギャビン・ストーン(先発)
/クレイトン・カーショウ(先発)
/ジョー・ケリー(リリーフ)
/タイラー・グラスノー(先発)
/リバー・ライアン(先発)
/ダスティン・メイ(先発)
## 2 野手
/【8月下旬に復帰】オースティン・バーンズ(捕手)
## 3 戦力外、3Aその他
/ジェームズ・アウトマン(外野手)
/ジェイソン・ヘイワード(外野手)
## 4 メジャー復帰した選手
/【9月中旬に復帰】山本由伸(先発)
/【9月中旬に復帰】ブルスダー・グラテロル(リリーフ)
/【8月下旬に復帰】ブレイク・トライネン(リリーフ)
/【8月下旬に復帰】マックス・マンシー(三塁手)
/【8月中旬に復帰】ボビー・ミラー(先発)
/【8月中旬に復帰】ウォーカー・ビュラー(先発)
/【8月上旬に復帰】ムーキー・ベッツ(遊撃手)
/【8月上旬に復帰】ミゲル・ロハス(遊撃手)
/【6月上旬に復帰】エバン・フィリップス(リリーフ)
今回のケースでは、以下の仮定に基づいて分析を進めます。
仮定
過去のシーズンにおける怪我人発生率
過去のデータを基に、投手や野手が怪我をする確率を推定します。例えば、過去のシーズンにおける怪我人率が30%(投手)および20%(野手)だったとします。今シーズンの怪我発生状況
今シーズンでは、12人の投手と6人の野手が怪我をしました。
ベイズ理論の適用
1. 事前確率(P(怪我する確率))
まず、過去のシーズンから推測される怪我発生確率を事前確率とします。
投手が怪我する確率: 30%
野手が怪我する確率: 20%
2. 尤度(P(今シーズンの怪我者数|怪我する確率))
次に、今シーズンで発生した怪我人の数(12人の投手、6人の野手)を基に、怪我する確率がどの程度であるかの尤度を計算します。これは、投手や野手が怪我をするという条件の下で、実際にどのくらいの割合で怪我が発生したかを示します。
3. 事後確率(P(怪我する確率|今シーズンの怪我人データ))
ベイズ理論の公式に基づき、過去の怪我発生確率と今シーズンのデータを統合して、新たな怪我する確率(事後確率)を推定します。
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ここで:
( P(A|B) ) は事後確率、すなわち「今シーズンの怪我人データを基にした怪我する確率」
( P(B|A) ) は尤度、すなわち「怪我する確率を基に今シーズンの怪我者数が生じる確率」
( P(A) ) は事前確率、すなわち「過去の怪我発生率」
( P(B) ) は証拠、すなわち「今シーズンの怪我者数」
投手の分析
事前確率 ( P(A) ): 投手が怪我する確率は30%
尤度 ( P(B|A) ): 12人の投手が怪我をした場合、投手全体の何%が怪我したかに基づきます(例: 40人中12人なら30%)
野手の分析
事前確率 ( P(A) ): 野手が怪我する確率は20%
尤度 ( P(B|A) ): 6人の野手が怪我をした場合、野手全体の何%が怪我したかに基づきます(例: 30人中6人なら20%)
分析結果
メジャーリーグにおける平均的な怪我の発生率については、ポジションごとに違いがありますが、投手は特に高い怪我発生率を示しています。2023年のデータによると、投手は502回の故障者リスト入りがあり、全体の59%を占めています。一方、野手は355回の故障者リスト入りで41%でしたBaseball Prospectus
さらに、2002年から2008年にかけて行われた研究では、選手一人が一試合に出場するごとに、約3.61件の怪我が発生する確率が報告されていますFanGraphs Baseball。これをシーズン全体に換算すると、1,000回の出場ごとに3.61件の怪我が発生することになります。
これらのデータを踏まえると、ドジャースの今シーズンの投手12人、野手6人の怪我は、一般的なメジャーリーグの怪我発生率と比較しても、特に投手において平均以上の負傷率であることがわかります。
デーブ・ロバーツの責任はどこに?
これらを踏まえケガ人の多さを考慮すると、今シーズンのドジャースの成績において、ロバーツ監督にどこまで責任を問えるかという議論が生じます。例えば、投手陣が壊滅的な状態であるにもかかわらず、もしドジャースがポストシーズンで失敗した場合、果たしてその責任をロバーツ監督に負わせるべきなのでしょうか?
ある論者は、ドジャースが現在の戦力でポストシーズンに挑むこと自体が無謀であり、仮にロバーツ監督が何らかの采配ミスを犯したとしても、その責任を問うのは難しいとしています。特に、ポストシーズンでの失敗が予想される中で、これまで多くのファンがロバーツの退任を望んできたにもかかわらずもう一年の猶予が与えられる可能性もあるのです。
来季に向けた課題
来シーズンのロバーツ監督の契約状況も議論の的です。もし今シーズンを無事に乗り切ったとしても、来年の彼は「ラメ・ダック(任期が切れかけた)監督」としてスタートすることになります。そのため、来季は彼にとって大きなプレッシャーの年になるでしょう。チームが再びワールドシリーズで結果を残せなければ、彼の去就は再び議論の中心に戻ってくることが予想されます。
フロントオフィスの功績
ロバーツ監督が現在の状況下でチームをまとめている点は評価されるべきですが、同時にフロントオフィスの役割も大きいです。ドジャースは他のチームに比べて非常に層の厚いチームを作り上げており、それが結果としてチームの競争力を保つ要因となっています。実際、主力選手のケガにもかかわらず、ドジャースは今シーズンも依然としてリーグで上位に位置しているからです。
ロバーツ監督の後任は?
解任を求める声がある中で、問題となるのは「誰が彼の後任になるのか」という点です。他チームの例を見ても、名監督を解任しても即座に結果が出るわけではないことは明らか。例えば、シカゴ・カブスはデビッド・ロスを解任し、クレイグ・カウンセルを新たに起用しましたが、シーズンを通じて大きな変化をもたらすことはできませんでした。
まとめ
デーブ・ロバーツ監督の去就は、チームの成績次第で今後大きな議論を呼ぶことになるでしょう。しかし、今シーズンのドジャースが直面している困難な状況を考えると、ロバーツ監督にもう一年の猶予を与えるべきかもしれません。いずれにせよ、彼の評価はシーズン終了後により明確になります。
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