【日記】世界の速度
ラジオ体操の「体をねじる運動」のスピードについていけない。
ラジオから流れる節に合わせて体を左右半回転ずつ交互にねじる、あの運動。
その後半(最終的に右方向へ大きくひねる方)にいつも遅れてしまう。
百聞は一踊に如かず。
まずは一度そのパートのスピード感を体感してみてほしい。
どうだろうか。
後半、ついていけただろうか。
そう、前半は余裕なのだ。
「なーんだ、全然余裕じゃん」と思いながら、後半パートに突入する。そうすると、終わり際でいつも次の運動への移行を急かされるのだ。
前半と後半、BGMの拍に大差はないと思われるのに、後半になった途端についていけなくなる。
あの「体をねじるパート」、ラジオ体操の中では結構好きな運動だったりする。
腰椎のヘルニアが持病にある自分にとっては、重要な運動であり、且つ、運動していて結構気持ちがいいパートなのだ。
それなのに、スピードについていけない。
というか、次の運動への移行を急かされる。
いつも「まだ体をひねっている途中でしょうが!!」と、心の中で田中邦衛が激高している。
しかも、その急かされた先の運動が、ラジオ体操の中でも随一に気持ちよさを感じられない、あの運動なのだ。
「急かすならもっと気持ちがいい運動につなげてくれよ」と、不快感を心に宿し虚無を顔に浮かばせながら、肩まわりをシャカシャカし、謎ステップを踏んでいる。
もしくは、あの「体をねじる運動」についていけてないのが自分だけなのだろうか。
だとしたら、なんで間に合わないんだろうか。
弊社では毎朝始業前に館内放送でラジオ体操が流れ、任意で各々が好きに体を動かし起こしている。
あれか、朝の気怠さや低気圧にやられてスピードが出てないのだろうか。
みんな、朝からそんなに快活な動きをしていたりするのだろうか。
確かに、動画見た感じ、ここ思ったよりスピード早く動いてるというか、快活なんだよな。
もしかして私以外のすべての日本人、あそこをあれだけ快活に体をねじっているのだろうか。
怖いよ、日本人。
あの「妙な急かされ感」がイヤなんだよな。
抜群に遅れるわけでもなく、少しだけ急かされる感じ。
こちとら気持ちよく体を揺らめかせているというのに、微妙に急かしてくる感じのイヤさが、不協和音に感じるそれと似ている気がする。
あの「体をねじる運動」の後半部分、0.8から0.9倍速にしてもらえないだろうか。
きっとあのスピード感はラジオ体操が生まれた当時のものなのだ。
変えるなら今しかない。最近選挙が近くなり政治家たちも声を上げている。
時代は昭和ではなく、令和なのだ。
いや、もっと気持ちがいいスピードがあるのかもしれない。
時代が時代なら、「これってトリビアになりませんか?」と番組に投稿するのに。
時代は平成ではなく、令和なのだ。
人間の活動には何事にも「気持ちがいいスピード」というものがあるらしい。
それを多少歪められると、結構気持ちが悪いことが、最近なんとなくわかってきた。
あそこの気持ち悪さ、なんか新手の拷問だなとすら思う。
地味にイヤな拷問、「気持ちいいスピードでそれをさせてもらえない」。
その中にもいくつかランク付けがあって、『体をひねるパートを気持ちよくさせてもらえない』は結構下位ランクの拷問、序の口なんだろう。
1位はなんだろうなと考えてみたが、たぶん、『じゃがりこを食べる速度を200倍にされる』だと思う。