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人生のパラダイムシフトで社会人博士に

竹野内 二世
機械メーカー

<経歴>
2005.3 C大学理工学部 卒
2005.4 某機械メーカー 入社
2014.9 K大学理工学部 博士課程入学(在職博士課程)
2018.8 K大学理工学部 博士課程修了(博士学位取得)
現在に至る

■ 学部時代・就職活動期

学部時代は、野球やアルバイトに打ち込み、勉強はあまり真面目にやってこなかった。
(大学で習う知識なんてどうせ社会人になっても大して使わない知識だろう・・・と思っていた)

会社は、「やっていて楽しい」「やりがいが持てる」仕事を選ぼうと思った。
(小さい頃から何かを考えて作るのが好きだったので、モノづくりに関わるがいいかな)
(給料や条件が良くても、なんやかんやで仕事内容が合わなければ辛くなるんじゃなかろうか)

大企業にはあまり興味が無かった。全員の顔と名前が分かるくらいの規模がいいと思った。
(学生時代のアルバイトの経験から、大きい所は人間関係が希薄であると感じていたことから。)

<選んだ会社はこんなところ>
・ 1人に1つ機械を任される。一貫生産している。(アイディアが形になる)
・ 300人弱の規模(全員の顔と名前が分かるくらいの規模)
・ 事業内容が安定している(人類に普遍的に必要なものを扱っている)
・ ワークライフバランスが良さそう(クラブ活動が活発。アットホームな雰囲気)
・ 転勤が無い(勤務地:首都圏)

■ 新入社員時代

半年間、職場研修でいろいろな部署を回る。
研修なので大したこともやっていないのに、給料日に給料が振り込まれる。
(俺何もしてないのに、こんなに貰っていいのかな。って感覚)

半年後、現在も在籍している「研究開発」の職場に配属される。

------ 人生のパラダイムシフト① ------
※ 大学時代に授業でやっていたことが、めっちゃ必要になる。
(真面目にやっとけば良かった・・・・っと後悔)
※ お金を貰って勉強をする立場になり、生まれて初めて(?)勉強に目覚める。
(お金を払って勉強する立場では、目覚めることは無かった・・)
職場は、既存の枠に囚われることなく、新しい価値を作らなくてはならない職場。
常に新しい技術にアンテナを張り、自分で考えて自分で行動することが重要。
仕事は自分の性格にも合っていて、楽しかった。

■ 入社3年目~10年目

------ 人生のパラダイムシフト② ------
28歳で結婚。生活が規則正しくなる。
後に、娘が3人生まれる。
------ 人生のパラダイムシフト③ ------
展示会の大学ブースで「ある技術」に出会う。・・・後に博士課程の指導教員となる先生のブース
(面白い技術だな。会社に持ち帰り色々試してみよう。)

論文や特許を漁りながら、独学で進める。いい所までいったが、あと一歩というところで躓く。

先生に相談して、色々と教えてもらう。

共同研究に発展。訪問研究員としてしばらく年月を過ごす。

先生「博士課程でがっつり研究してみないか?」

博士課程入学

<Episode>

大学の技術を展示会で見た後、上司に「面白い技術があったんですよ」 と社内で報告。
「研究室を見学させてもらおう」 と数週間後、新潟まで上司と2人で研究室を訪ねる。
研究室を見せて頂き、上司が 「これはすごい」 と納得。
社内に持ち帰った後、部内で話を通して、開発に進めることができた。

ここまで事がうまく運んだのは、この上司の「フットワークの軽さ」や「技術を見抜く感性」のお陰だと思ってます。

■ 在職博士課程時代

社会人・父親・学生の3足の草鞋を履く

研究室のレベルの高さにビビる・・・。
(何を話しているのかさっぱり分からん)

一生懸命頑張る

何とかついていけるようになる

オリジナリティを出せるようになる

4年かかって何とか博士学位取得
(家族と職場の理解・サポートのおかげで、何とかやり遂げられた。)

■ 在職博士課程時代のスケジュール

<パターンA>
月:仕事(会社)
火:研究(大学)⇒ 研究室で朝方まで研究
水:AM6時起床で研究室から会社へ ⇒ 仕事(会社)
木:仕事(会社)
金:仕事(会社)
土:研究(大学)
日:家族と過ごす

<パターンB>
月:仕事(会社)⇒ 定時後、研究室へ向かう。朝方まで研究。
火:研究(大学)
水:仕事(会社)
木:仕事(会社)
金:仕事(会社)
土:研究(大学)
日:家族と過ごす

■ 工夫していたこと

「電車の中を有効に使う」
研究室までは片道2時間なので、電車の中は論文を読んだり、プログラムを回したりと、有効に使うようにしていました。意外と集中できて、はかどりました。 ※ 周りの乗客の迷惑にならないように注意・・・・

「パワーナップ」
辛い時やつまずいた時は、「パワーナップや!」 と言って研究室で寝ていました(笑)。

「楽しむ」
仕事も研究もとにかく楽しむように心がけました。なるべく「研究は趣味」と思うようにしています。研究室の仲間にも恵まれ、辛い時もうまく笑いに変えながら取り組めました。価値観を共有できる仲間がいるって素晴らしい!

「ラーメン」
朝昼晩問わず、家系ラーメンを食べ、タフな体を作りました(笑)。

■ 現在

博士課程で得た貴重な経験・知識を、会社に還元しよう!

「研究」と「開発」のギャップに苦しむ(現在進行形)

一人で頑張ることに限界を感じる(自分は一人しかいない)

若手の育成やチームマネジメントに力を入れていこう(現在進行形)

■ これからの目標

職場を世界に通用する技術者集団にする
世の中に役立つ、価値のある技術を創出し、実用化する
研究者としても、社会人としても一流になる
常に楽しむことを忘れない

■ 伝えたいこと

「どの道を選ぶか」よりも「選んだ道で何をするか」が重要!
→ どんな道にもいい所・悪い所がある。一度決めたらつべこべ言わず、やるべきことを全力でやろう。

進路の選択では「周り」を見るのではなく、「自分自身」を見つめよう!
→ 自分は何に喜びを感じるのか。幼少期、どんなことが楽しかったか。
自分を見つめ直すと、自ずと答えが見えてくると思います。


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