大阪☆春夏秋冬という思い出
振り上げ続けた腕が痛い。
飛び跳ね続けた脚が痛い。
ついでに出してないはずの声で喉が痛い。
ともあれ、全身を襲う疲労感に、強烈な懐かしさを覚えた。やあ、ひさしぶり。こんな世の中になる前はよく会ってたのにね。2年ぶりかな??
と同時に、この先、もう同じだけの『全力』を出すことはないのだろうな、という寂寥も襲ってくる。
そこで僕は文字を綴ることにした。
僕の推し、ヨシモリユウナの、あのステージの上でのまぶしいほどの輝きと、それに向けてひたすらに拳を突き上げた夜のことを、思い出として記録しておくために。
2022年3月22日の横浜公演は、僕が大阪☆春夏秋冬をとても近くで見られる、最後の機会だった。もちろん最終公演は取っているけれど、チケット番号は中の上。それに比べて、この公演は人生でも取ったことのないような良番だったから。
なので、最後に得られたこの時間を、この先何度でも振り返られるように、綴る。
…ただ、振り返っての反省なのだけど、前半、「これが最後だ」という意識をしないまま、、というか、あえて意識しないようにしていたのか、僕は普通にライブを楽しんでしまった。
YUNAだけでなく、みんなを見ていた。
相変わらず歌声ぶっ飛んでますねMAINA、今日もこれからも最高だよあんた。
やたらセクシーさが増しましたよねEON、本人には言わないけど。
MANAも、一時期漂わせていたためらいみたいなものが抜けて、本当にいい笑顔と声で歌ってた。
RUNA、もう7年も見てるけどほんと幼いころとは別人のようにカッコいい大人になったね。
そしてYUNA、mellow mellowの曲フリだなんて慣れないことまでチャレンジしちゃって!ちょっと失敗してはにかんでしまうとこまで含めて、最高だよ。
全握とか全チェキとか行かないから推し以外との会話の数はあんまり多くないけど、ずっと5人のことは見守ってきたから、全部うれしい、楽しい、誇らしい。
いけない、楽しんでるだけじゃ。というのを思い出したのは、後半に差し掛かるMC。親にも体制終了の話ができなかったと、嗚咽を漏らしながら、それでもいまの気持ちをみんなに伝えたい、と声を振り絞る推しを目の前で見たとき。
そうだった。これからもヨシモリユウナには会えるだろう。でも、この5人で、この最強の5人のひとりである「YUNA」を見守れるのは、もう、本当にわずかしかないんだ。
それからは、ずっと彼女を目に焼き付けるように。
笑顔から真顔まで、どの瞬間を切り取っても絵になる表情の一つ一つ。
初めて見た時から惹かれ続けた、長い手指のしなやかな動き。
Makkkkko Shobuのロックダンス的力強さ、レインボーカラーのたおやかさ、C’monの躍動、LYFの跳躍、プラズマーのわちゃわちゃ感。
全部全部、最高だった。
なんでこんな最高なのに、という気持ちは、曲が進むにつれ、確かにあったけれど、でもこのパフォーマンスもまた、その決断の結果なのだと信じて。余すところなく、見守った。
アンコール入って、「忘れないもの」。
年始に最初に聞いたときはまだ解散の発表前だったけれど、ああ、この物語はきっと終わりに向かっているのだなと、すべてを察したのがこの曲。
それから事実を受け止めて改めて聞いて。
この歌は決して、寂しいことだけを歌った歌じゃない。希望の歌だ、それはわかる。
わかるけど、さ。寂しいものは、寂しいよ。
出ることはないと思っていたものが、思わず。え。いやだなあ、汗ですよきっと。目に汗が入っただけ。
そして「シンガロングをもう一度」を経て、最後の「その手」。
目の前に推しが立っていて、互いに「その手」を突き出して、真っ向から向き合って。
歌声に合わせてBut I think you can make a smile,
人込みかわして、進め。
互いの掌が、振り付けに合わせて銃身を模した形に切り替わる。
僕はいつも通り、推しを打ち抜いた。
推しもたぶん、僕を打ち抜いた。
目を合わせて、お互い、いたずらっ子のように、ニヤッと笑顔になったから。
この瞬間のことは、この先絶対ずっと忘れない。そう思った。
大阪☆春夏秋冬を応援してきたこと、
そこでひまわりのように輝いていた推しを推せたこと、
最後の間際に、とても近くで見届けられたこと、
本当に良かったと思っている。
これからも彼女は文字を綴り、世界をファインダーで切り取っていくだろう。僕はそんな彼女にあこがれて、カメラも新調したし、文字も残しておくことにした。
つたなくて衝動だけの文だけど、これでいい。
こんな形でも残しておくことで、いつか、宝物になるはずだから。
これからのヨシモリユウナにも、幸多かれ。
(と言ってるそばからお財布落として中身ごっそり抜かれてたの、本当にご愁傷さまです。。デビットカードとかにしような。)
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