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Photo by
satomigoro
障子のある部屋
実家の家には猫がいて、飼っているというのとは違って、住み着いているって感じ。だから居なくなると次の猫がやってくるので常に猫がいた。そして、犬を飼ったら猫は来なくなった。
猫がいた頃、障子に猫用の入口を作っていたことがあった。一箇所だけ、切り抜いてペラペラした状態にしておくのだ。たぶん「なんとかのちえぶくろ」みたいな、もので家の誰かが見たのだろう。
でも、その障子の穴から出入りしている猫を見たことはなかった。ような気がする。大抵、引き戸が空いていたし、猫は実力行使で開けた穴から入る方が好きなようだった。猫の名前はだいたい「ミケ」で三毛猫ではなかったけど、ミケと呼ばれていた。
今の部屋にも障子があるけど、その障子はプラスチック製で、「のり」じゃなくて両面テープで格子に貼られている。張り替えも簡単でいいんだけど、趣がないような気がしなくもない。