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私、猫です。2
私の主人がある日、子猫を連れてきた。その子猫は宇宙人のような顔をしていて、私からすると少し不愉快な匂いがするし、同族嫌悪というやつだろうか、イライラとして「シャー」が止まらなかった。
私は8年一匹で暮らしていたものだから、急すぎますって、勘弁してくだせぇご主人。と不貞腐れ、しばらくパニックの最中に飲み込まれていた。子猫の気配を感じまいと、ひたすらテレビの裏やカーテンの裏側、果ては押し入れの奥に隠れこんだりした。
しばらくすると、子猫が家の中を歩き回るようになり、何かあると「遊んで、遊んで」と私に何かとちょっかいをかけて来る。小僧め。嚙み殺してやろうか。と思うも、ぴょこぴょこと跳ね回り、うまく捕まえられない。シャー。と、やってもひるむ事無く向かってくる。子供は無垢なるものと冷静さを保つも、私の平穏な生活に邪魔を入れないでもらいたいという憤懣やる方ない思いにはどうも勝てぬのだ。
ワタシは猫だ、名前はトット。そして、子猫の名前はテトと名付けられたらしい。ご主人たちがそう呼んでいる。
私は猫である故、我慢する道理もないのだが、どうも子猫というやつにはこちらが我慢をせねばならんようだ。私の家猫としてのサバイバル本能がそう言っている。いわんや、子猫たる新参者のテトとは仲良くなりようもない。かといって、同居人となりうべく猫に対して敵意むき出しでは私の気概が持たぬ。折衷案として、なるべく無視して一人で気ままに暮らすのがよろしい。それが猫たるものの本懐である。しからば、ちょっかいを掛けられたときはどうするか?テレビで合気道の達人が力を抜いて、相手を倒す方法を紹介していて、家猫の天才たる私は即座にその技を覚えてしまい、力を抜いて相手をすることが出来てしまうのシャー。おっと、力が入ってしまった。いま。あいつがちょっかいを出してきたから。ついつい、痛っ。おいっ。この。シャー。ちょこっとあっちにいってろ。
私は今、書をしたためブログにアップせんと企てておるのだ。何を隠そう、このブログを書いているのは家猫の天才たる私トットが書いている。主人さえ、寝静まれば、皆知らないだろうが、猫にっとってPCの操作など造作もない事。。