ヴァドロック変容ストーム(ジェスカイ変容)解説@ストリクスヘイヴン
まえがき
前環境から引き続き調整していたヴァドロック変容ストームについて、ラダーで2桁順位(最高11位)安定する程度にリストが固まってきたので解説
全カード解説したいんですが流石に長くなるので前のリストとの差分を中心に
6/5 リスト微妙に更新
デッキリスト
Deck
1 Spell Satchel (STX) 258
4 Prismari Command (STX) 214
2 Snow-Covered Island (MH1) 251
2 Expressive Iteration (STX) 186
4 Goldspan Dragon (KHM) 139
2 Open the Omenpaths (KHM) 143
4 Riverglide Pathway (ZNR) 264
2 Raugrin Triome (IKO) 251
4 Spikefield Hazard (ZNR) 166
4 Vadrok, Apex of Thunder (IKO) 214
4 Needleverge Pathway (ZNR) 263
2 Lore Drakkis (IKO) 194
2 Unsubstantiate (M21) 82
1 Pollywog Symbiote (IKO) 63
4 Hengegate Pathway (KHM) 260
2 Fabled Passage (ELD) 244
1 Show of Confidence (STX) 28
1 Defiant Strike (STA) 3
1 Showdown of the Skalds (KHM) 229
1 Search for Glory (KHM) 27
2 Silundi Vision (ZNR) 80
2 Unsummon (ANB) 36
2 Sea-Dasher Octopus (IKO) 66
1 Birgi, God of Storytelling (KHM) 123
2 Snow-Covered Mountain (MH1) 253
2 See the Truth (M21) 69
1 Miscast (M21) 57
概説
・ストリクスヘイヴンで除去兼コンボパーツの《プリズマリの命令》、アドバンテージ獲得手段の《表現の反復》を得たことでロングゲームを視野に入れられるようになった。それに伴い、コンボスピードは速いもののパーツ単体のカードパワーの低い《両生共生体》+《領界路の開放》から、コンボ始動は遅いが単体でカードパワーの高い《黄金架のドラゴン》へコンボの主軸をシフトした。
・新たなループパーツ兼フィニッシュ手段として《自身の誇示》を得てコンボに必要な変容カード枚数が削減された。インスタント・ソーサリー中心のデッキ構築となったことで、変容パーツだけを引く事故が減り安定性が向上した。
新規採用カード
プリズマリの命令 4枚
対アグロでは除去のモードで相手のキルターンを遅らせながら、対コントロール、対コンボでは相手のカウンターに怯えず隙を晒さずにコンボ準備を進められるカードである。本体火力によるフィニッシュ手段ともなり、《黄金架のドラゴン》を対象に取ることでマナ加速としても機能する。
いずれも《戦利品奪取》ではできなかった芸当であり、このデッキの戦術の幅を大きく広げた。
表現の反復 2枚
2マナで3枚ライブラリを掘れるだけでまずコンボ準備として及第点で、中盤から後半にかけてはカードアドバンテージも得ることができる。このカードがあることでコントロールデッキに対してリソース勝負でついていけるようになった。
自身の誇示 1枚
《黄金架のドラゴン》との組み合わせで、爆発的にマナと打点を伸ばす事が可能。このカードが絡むと少数の変容パーツかつ少ない浮きマナからでもループを始動できるため、ヴァドロック、及びそれを引き込むための《栄光の探索》への依存度を下げられる。手打ちが軽いため、ドラッキスのみによるループが現実的な点も評価ポイント。また火力、マイナス修正、《無情な行動》等の除去への対策ともなる。
果敢な一撃 1枚
《黄金架のドラゴン》に撃つことでマナを増やしつつドローが可能。《黄金架のドラゴン》+《伝承のドラッキス》から手札を減らさずにヴァドロック変容まで繋ぐことができる。ドラゴンを出すターンまで安定して生き残れるようになったため採用。
シルンディの幻視 2枚
クリーチャーの採用枚数が以前より絞られたことで外れのリスクが減り強く運用できるようになったため土地枠で採用。掘る枚数が多く、1~2枚刺しのコンボパーツを拾うのに便利。序盤の《表現の反復》で土地をめくりたい関係上土地のスロットは多く確保したいが、基本土地もトライオームも重ね引きのバリューが低くこれ以上入れたくなかったという事情から採用。
語りの神、ビルギ 1枚
前環境のリストではより軽い《両生共生体》にデッキを寄せていたため、変容元として役割の被るこのカードは不採用としていた。《黄金架のドラゴン》に寄せてロングゲームも可能になった現リストでは無理なく運用できるようになったため、《栄光の探索》でサーチ可能なメリットも鑑みて採用した。
呪文の鞄 1枚
ほぼ毎ターンインスタントかソーサリーを唱えるこのデッキでは、特に意識せずともマナ加速として運用できる。《両生共生体》と共に、キルターンを短縮できる貴重な2ターン目の能動的アクションである。重ね引き、後引きが弱いため1枚のみの採用。ドロー能力を使用するまでゲームが長引くことは少ないが、対コントロールでの消耗戦では勝負を決めることもある。
寓話の小道 2枚
マナベースについては以下の考え方で構成した。
1. 2ターン目までに赤青を揃えたい(3ターン目表現の反復のため)
2. 白マナ発生は1あればよく、最悪0でもでよい
3. 赤と青はダブルシンボル必要
4. 4ターン目以降のタップインはキルターンが遅れ致命的(盤面空でも4マナ+領界路でコンボ始動可能)
5. 6枚目以降の土地は不要
非採用・削減カード
両生共生体 4→1枚
ロングゲームを視野に入れた構築とするにあたって、単体で仕事をせず、重ね引いて弱いこのカードを削減した。手札交換の役割も《プリズマリの命令》の採用でカバーできている。1枚目のバリューは高く、除去の薄いデッキには強いため1枚は採用。
領界路の開放 4→2枚
元々《黄金架のドラゴン》がいればループに必須なパーツではなく、それ以外のルートでも2枚目は不要なため削減した。ドラゴンに依存しないルートを確保するため、またドラゴン自身の早期着地に貢献するため2枚は残している。
海駆けダコ 4→2枚
共生体の削減で、コスト軽減を受けられるというタコの強みの1つが活きなくなった。新規に採用したビルギ、《自身の誇示》、《果敢な一撃》と噛み合いの良いドラッキスを4枚にしていたこともあったが、インスタントタイミングの変容を抜くと戦術の幅がかなり狭まってしまうこと、墓地に回収したいスペルがないタイミングでもアクションが取れることから2枚づつの採用に落ち着いた。
戦利品奪取 4→0枚
コンボ準備としてマナ加速および手札調整を担い、ヴァドロックによる踏み倒しでアドバンテージが取れるカードである。しかし、そもそも打ち消しデッキを苦手としているにも関わらずこのカードを採用すると更に不利がつくのが気になっていた。アドバンテージ源である《表現の反復》とより柔軟性の高い《プリズマリの命令》を得たことで代替できると考え、思い切って不採用に踏み切った。
万物の姿、オルヴァール 1→0枚
永遠羽のフェニックス 2→0枚
オルヴァールを使ったギミックの役割であった、
・少数の変容パーツでのループ始動
・打点生成によるフィニッシュ手段
の両方が《自身の誇示》の採用でほぼ解決されたため、キープ基準とならないこれらのカードは不採用とした。
あとがき
調整の経緯とか採用/不採用になったカードへの思い入れとか細かいテクニックとか、書きたいことはまだ色々あるんですが今回は各カードの採用理由に絞った解説としました。
もし質問や感想などあればTwitterにリプライもらえれば喜んで答えます。