
[HowTo] 現地+ZOOM+YouTubeライブ6時間配信をひとりで制御するのはおススメしません
(前回と全く同じ書き出しになりますが)ぼくは、映像配信会社に勤めた経験も、これまでライブ配信をよくしていたキャリアも何にもありませんが、ひょんなことから件名のような難題を抱え、なんとかやりきった記録を残しておきます。
↓↓↓前回のブログはこちらから↓↓↓
イベント概要とミッション
現場は、東京都大田区。大田区産業プラザPioにて、多胎(双子・三つ子)家庭支援をテーマにしたイベントを実施。コロナ禍のため、現地来場者数を1時間12世帯(子ども含め約48名)に絞り、オンラインのライブ参加も同時配信。
オンラインのライブ配信は、ZOOM+YouTubeで実施。ZOOMでは、カメラorマイクオンにすれば質疑応答OKに、またチャットでも質問を受け付け。YouTubeでは、コメント欄をオフにして、視聴オンリーに。(どうしても質問があれば、公式LINEで受け付ける形)
今回のミッションは、現地の熱量をオンラインに届けること、オンライン参加者からの質問もしっかり現地に届けること。いわゆる、インタラクティブ(=対話型)のハイブリッド(リアル+オンライン)イベントを開催し、現地に参加することが叶わない方でも、満足度の高いコンテンツを配信することでした。
各スタッフの役回り
表側のスタッフとして、インタビュアー:1名、サポートメンバー:1名、企業/団体担当者:1名以上。インタビュアーが大まかな進行を取り仕切る。双子・三つ子家庭に届けたいグッズ・サービスの情報を企業/団体担当者が説明。サポートメンバーがZOOM内の様子をウォッチャーし、インタビュアーに伝える。という役回り。
裏側のスタッフとして、カメラマン:1名、ZOOM/YouTube配信確認:2名、映像・音声スイッチャー:1名。カメラマンは、事前に目印を付けた場所にiPad+スタンドを移動させるのがメインの役回り。ZOOM/YouTube配信確認は、遠隔地で映像や音声の途切れがないかの確認。スイッチャーは、配信で見せたい映像のカメラ・聞かせたい音声およびコンテンツ間の企業CM動画を流したりという役回り。
今回、どうにか実施できた要因は、大きく3つ。
1つ目は、インタビュアーを実施したメンバー(主に4名)が臨機応変に対応できる資質を持っていたこと。2つ目は、現地にいないメンバーに映像・音声配信の確認を、事前にお願いできたこと。3つ目は、以前に現地+ZOOM+YouTube配信を経験していたこと。です。
失敗談①:無線WiFiが途切れる
ほんとうに焦った、体感時間は5~10分ほど。でも実際には、1分半ほどでした。現地のZOOMホスト&マイクを接続していたパソコンのWi-Fi接続が途切れてしまいました。
不安はありました。当日の朝、レンタルしていたWi-Fiルーターの電源をONにしたけれど、最初は圏外だったし、その後も電波が安定しておらず、少し不安を覚えていました。
それが実際に起きてしまって。本当に焦ったけれど、急遽リカバリー。
元々、パソコンを2台体制で実施しており。そのために、レンタルWi-Fiを2台。そして、遠隔でサポートしているメンバーに、ZOOMホストを貸与していたため、ZOOM配信自体が中断することはなく、現地の音声だけが届かない状況。
Wi-Fiが途切れたパソコンを早々に放置し、もう1台のパソコンに音声マイクを接続し直し、もう1つのレンタルWi-Fiが途切れても大丈夫なように、自分のスマホ(iPhone)をテザリングしておきながら、余裕を持って復旧。
もちろん、現地側でも音声が途切れていることをすぐに伝え、一時ストップ。復旧と同時に、再開することができました。
やっぱり、無線は不安定だから、前回ブログでも書いた通り、オンライン配信をするのであれば、有線接続を最優先に考えた方がよさそう。もし、それが叶わず、無線接続を余儀なく選ぶ場合は、あの手この手を事前に用意することをおススメします。
失敗談②:マイクとカメラの端末混同
ZOOMではスピーカーの映像が優先される仕様となっています。そして、ZOOMからYouTubeへのライブ配信映像は、ホスト端末のZOOM画面が優先されることとなります。
要は、ホスト側がスピーカービューで見ていれば、YouTubeの映像はスピーカーのみが映ります。そして、ギャラリービューで見ていれば、それがYouTubeに反映されることになります。
一旦、現地の映像と音声をどうやって取得していたかを整理すると、映像はiPadのカメラ(ZOOMの音声接続は無し)、音声はパソコンにつなげた外部マイク(ZOOMのビデオ接続は無し)という形です。
なので基本的なZOOM配信の設定としては、iPadがアクセスしているZOOMアカウントに「スポットライト」設定をしている状態で、外部マイクで現地音声を拾います。(スピーカービューにしてしまうと、ビデオ接続していないパソコンが画面表示されてしまい、真っ黒映像しか届けられない)
ただ、ややこしかったのが、①ZOOM参加の人も映したギャラリービューで表示したいとき、②現場で別のカメラ(スマホ)で撮影した商品の細部を手元で移そうとしたとき、の2パターンです。
対応した方法は、ホスト端末をギャラリービューにしたこと、音声マイクがつながっているパソコンのZOOMビデオ接続を有りにしたこと、です。
いちばん防がないといけないことは、現地映像が映らずに真っ黒になることだと判断し、たまたま持っていた外部接続のZOOM用カメラを使い、インタビューアーを遠目から撮影しました。
失敗談③:作業表?的なものが無かった
正直自分ひとりで十分なんとかなるだろうという甘い考えが最大の失敗でした。ぎりぎり何とか耐えることができましたが、前回に実施したような、ひとりだけが話しきる映像+音声を届けるようなシンプルなものではなく、今回のようにインタラクティブなコンテンツにしようと思うと、ひとりだけではどうにもならないです。
そして、ひとりでやるものではないといことは、全員が共通理解を得られるよう、どのタイミングで・誰を映して・どの音声を配信するのか、そしてそれらはどの機材・端末から取得されているものなのかといった、作業表的なものの準備が不可欠です。
今回はその準備を怠りました。そして、前回実施できたという慢心があったためひとりでできると思い込んでいました。
これから、このような複雑なハイブリッドイベントを実施しようと考えている方々には、似たような失敗や焦りと不安を感じないためにも、複数名でのハンドリングをおススメします。
まとめ:この規模・レベルはプロにお願いすべき
なんでもそうですが、素人レベルでは限界があります。それは持っている機材もそうですが、経験・ノウハウなども含めて、到底かなわないレベルがあります。
見づらい映像が流れているとそれだけで満足度は下がるし、安定した音声が届けられないと耳障りで内容が頭に入って来ません。お客様の視点に立つと、配信の安定性というのは最優先すべき事項です。
そして、それを叶えるのがプロの技術です。なので、イベント開催のコストとして必要経費として計上し、その費用を捻出するための活動も必要不可欠です。
仮に、費用捻出が限定的になる/できない場合には、企画を再度見直した方がいいかもしれません。ライブでやることが本当に重要なのか、後日配信ではいけないのか、品質を安定供給できるシンプルな配信設計にできないのか。
手段を確定させて議論を進めるのではなく。目的を遂行するために十分な手段があるのか、その手段がないのであれば目的の見直しをすることも大切なことだと思います。
複雑になればなるほど、当日の機転だけでどうこうなるものでもないです。なので、当日に諦めるのではなく、事前に諦めることも大切です。
そのイベントでいちばん大切なことは何か。をスタッフ全員で共有して、最適な配信方法を探ってみてください。このブログが誰かの参考になれば幸いです。