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[HowTo] 現地会場+ZOOM会議+YouTubeライブ配信のハウリングしないやり方

ぼくは、映像配信会社に勤めた経験も、これまでライブ配信をよくしていたキャリアも何にもありませんが、ひょんなことから件名のような難題を抱え、一緒に動くメンバーと約20日間でやり方を考え・検証し、なんとかやりきった記録を残しておきます。

「ハウリングして、どうしたらいいかわかりません」みたいな人に、この方法だとハウリングしないよって、わかってもらえればなと思います。

(実際の様子)


「やることが多いぞ」(16日前)

開催場所は東京の参議院議員会館にある会議室。ぼくたちがいるのは、兵庫県尼崎市。現地側の担当者と初めて電話を実施した。

現地会場+ZOOM会議+YouTubeライブという3つを同時実施するために、現地担当者とこちら側でうまく役割分担ができればと思っていたけれど、ほとんどの機材準備と当日運営をこちらで準備しなければならないことが判明。

でも、このときは、「なんかやらなきゃいけないことが、増えましたねー」くらいに思っていて、いろんな機材がないとできない、という認識はまだなかったです。

この時点での、ぼくたちの手持ちは、ZOOMアカウント・YouTubeアカウント・PC・iPad・スマホくらいでした。もともと、ZOOMとYouTube連携方法は、ノウハウとして持っていたいので、その部分には不安はありませんでした。


「ハウリングするやん!」(7日前)

配信の準備をする前に、そもそもの開催プログラムの決定するための打ち合わせが行われ、会場内でどんな人がどのタイミングでしゃべるのか、ZOOM参加者からどのタイミングで話すのか、どういう画面をYouTubeに流したいのか、というのがだんだん見えてきた。(これ10日前っす)

ここに来るまで、現地の人は『ひとりずつPC持参し、各アカウントでZOOMにつなぐ』という認識がありました。そのため、ミュート解除さえ間違うことがなければ、音声をZOOMおよびYouTubeに流すことはわけがないと思っていました。

が、現地参加の人は、PCなんて持ってこないと。。。(まじかorz)

また、現地にある機材は、マイクなどの音響設備および有線LAN、プロジェクターであることが判明。それ以外に必要なものは、こちらで調達していかなきゃならないと。(議員会館って、なんでもそろってる訳じゃないのねー、と独り言)

とにもかくにも、マイクを使った状態で、『ホストPC経由で音声をどう録るか』という新たな問題を発見し、マイクが使える会議室を知人経由でちょこっと貸してもらい、テストしたところ。。。

「ハウリングするやーん」と、思考が一旦停止しました。


何が必要なのか? (6日前)

前述の失敗を元に「なぜハウリングするのか?」という仕組みを、自分としてはこんな理解をしました。

「同一端末で、マイク(=音声入力)とスピーカー(=音声出力)が制御できていないと、ハウリングする。同一端末というのは、PCに有線/無線接続される外部機器までを含むものである。」という理解です。

要は、どれだけZOOM上で、このPCは音声ミュートで、こっちのiPadは音声ONって、音声入力単体で機材を切り分けたとしても、意味がなかったということです。(正しい理論かはわかりませんが、実験結果はこうです)

つまり、ZOOM/YouTube配信のホストPCに、音声入力と音声出力を任せなければいけないってことです。「いやいや、もとからPCにマイクもスピーカー内蔵されとるがな」って声が飛んできそうですが、それじゃダメなんです。

あっちの椅子に座っている人に、パソコン端末を持って行って、しゃべってもらうとか、そんな会議見たことないですよね?パソコンのスピーカーの音量も会場全体に響くわけではないですしね。

それって音声だけじゃなくて、映像もどうするかっていうのは一緒で、機動力のあるカメラ/マイク/スピーカーってのが必要装備だとやっと気づけました。

それを一応、6日前のZOOM会議で、いろいろダメなことを再検証し、「これはダメだ」というのをしっかり理解していきました。(ダメな条件を洗い出すのも大切な作業ですね)

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(担当者と共有したレイアウト)


購入①:有線LAN接続環境を整える(5日前)

2021年現在、なんでもかんでも無線接続が流行っていますが、安定性が高いのはやっぱり有線接続だと思います。今回何よりも優先したのは、有線接続による安定した配信環境です。(有線を優先w)

3日前の自分たちに足りなかったのは、有線LANを接続するための変換アダプター、ZOOM/YouTubeに音声を流すための有線マイク、ZOOMの音声を拾うための有線スピーカーでした。

最近のパソコンは、有線LANの差込口がないものが多いです。なのでみなさんご自身のPCスペックは必ず把握しておいたほうがいいです。(昔はあったけど、いまはないものがあったりします)ぼくのパソコンも差込口がなかったため、USBから変換するコネクタを購入。

また、iPadも有線LANへの接続が可能です。今回、iPadを使って会場内にいるスピーカーを映すことにしました。iPad+三脚+タブレットホルダーを使って、機動力のあるカメラ代わりとしました。そのため、iPadをZOOMにつながないといけないのですが、ここも有線LANのほうが安定するので、iPad専用端子から変換するコネクタを購入。

ちなみに、三脚とタブレットホルダーはこれらを購入しています。


購入②:マイク&スピーカー環境を整える(3日前)

会場用のマイクは、現地側に有線/無線ともに準備可能でした。また、スピーカーも、そのマイク機材と接続されているものがありましたので、会場用スピーカーも不要でした。

必要だったのは、ZOOM/YouTubeに音声入力するためのマイクとZOOM参加者の音声を会場に聴かせるためのスピーカーでした。

まずはマイクから、機動力を生かすためには無線がいちばんいいのですが、無線マイクって意外と見つからなかったです。また、単一指向性マイクを探していたら余計に、無線マイクが見つかりませんでした。

なぜ、単一指向性マイクをチョイスしたかというと、話し手の音声を拾いやすいものとして最適だと考えたからです。オンライン会議用の広域音声を拾うスピーカー付きマイクは出回っているのですが、それは選択しませんでした。(なんかいろんな雑音を拾いそうな気が、、、)

「有線にしたら、お前が言う『機動力』とやらが損なわれるんじゃないのか?」という声が聞こえてきそうですが、USB用の延長ケーブルというのがあるんですね。12mを購入しました。その代わり、12m圏内に話す人を配置するように、会場レイアウトに制限をかけました。

そして、スピーカーは現地にあるものとぼくのPCを接続して、ZOOM音声を会場に届けることを選択しました。そのため、PCから会場スピーカに接続するケーブルが必要なのですが、会場にいけないものですから確認することができず、ヨドバシカメラの店員さんに「どれが可能性として考えられますか?」と聞き、3種類を購入しました。


とはいうもののトラブル続発(当日)

購入した機材と不安を抱え、会場に1時間前に入り、事前準備を進めていくと、当然のことながらトラブルが発生します。

① iPadが有線LAN接続できない
② PCと現地スピーカーが接続できない
③ 冒頭ZOOM音声がミュートのまま

「① iPadが有線LAN接続できない」です。自宅と尼崎事務所で、テストしたときは問題なく有線LAN接続して、ZOOM/YouTube配信できることを確かめていました。ただ、現地ではできなかった。これが結果です。

「じゃあどうしたんですか?」ってことですが、最悪の事態を想定して、WiFiレンタルをしていたため、無線接続することでリカバリーしました。

「②PCと現地スピーカーが接続できない」です。ここがいちばん不安でした。事前にTESTしようもなければ、購入したケーブルの中に正しいものがあるかすらわからない状態だったからです。

購入したケーブルのひとつは、きちんと挿入することはできました。ただ、音が出力されることはなかったです。きっとやり方はあったのだと思いますが、なんせ時間がなかったです。数分であきらめました。

こちらも自宅にあった無線スピーカーを持参していたため、無線スピーカに会場マイクを近づけることで、会場全体に音を流すという方法でリカバリーしました。

「③ 冒頭ZOOM音声がミュートのまま」です。これは完全に人為的なミス。自分のミス。冒頭の司会をされた方と自分自身のあいさつと次の方のお話前半が、ZOOM/YouTubeライブ参加の方には聞こえませんでした。

ライブではリカバリーすることができませんが、YouTubeには動画がアーカイブで残っています。そして、何に使うかわからないけれど、レコーダーで会場音声を録音していました。うまく音が録音できていたので、その音声と動画を編集し、後から視聴される方にはきちんと届けることでリカバリーできました。


備えあれば憂いなし 

じぶんで言うのもなんですが、リカバリー体制が完全でした。あれがダメなら、これで。これがダメなら、こうするしかない。という手が、3段階くらいありました。

正直、段階を踏むごとに、配信自体の品質は落ちていくのですが、あれこれ悩んだところで、本番の時間が遅らせることはできないので、切り替えが大切。

やったことがないときに、慎重になりすぎるくらい準備をしたほうがいいというのは、いっしょにやったメンバーがいたからこそ実践できました。でも、準備したことができるかどうかなんて、やってみなくちゃわからない。

昨日はできたけど、今日うまくいかないってことはあります!結果がすべて、そこに固執しすぎない。次に次に、進めていかないと時間がなくなっていきます。次に進めるためにも、あの手この手の備えはしておくにこしたことはありません。


[まとめ]これからやろうとする人に向けて

きっと「ハウリングするねんけど、どうしたらいいの?」「現地からライブ配信もしたいけど、そうすれば?」的な人ってたくさんいてる気がしています。その中、泣く泣くあきらめている方もいてると思います。

それは、それで正解だとも思っています。できないことを、なんとかお金や時間で解決するくらいなら、本番のコンテンツを整える方に精を出した方が良いです。

そこの準備が終わったから、いい環境で配信もやっていきたいという人は、自分の手持ち機材・ノウハウを棚卸して、ひとつずつテストを繰り返してみてください。

ぼくの場合だと、ZOOM経験豊富+ZOOM→YouTubeライブ実施済み+一般常識より上のIT知識あり、だったのでトライしました。どれかが欠けてたら、有識者にお金を払ってやってもらうことを選択したと思います。(もしくは企画ボツにする)

そして、テストですべてがうまくいっていたとしても、代替案を必ず持っておいてください。それはつまり、この案までトライしてダメだったら、捨ててもいいという決断ポイントを持つことに等しいです。

固執せず、諦めが肝心です。大切なのは、中身です。オンライン参加者には、心底丁寧に謝りましょう。自分の見切り発車を猛省するのみです。

① コンテンツが何よりも最優先(機材準備はその後)
② 自分の無知部分を知る&テストテストテスト!
③ 諦めポイントを事前に準備

です。参考になれば幸いです。


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今回の記事が書けたのも、トライする環境があったからこそです。課金していただいた方で、お困りがある場合は相談に乗ることも可能かと思います。

どうぞよろしくお願いします。

2021年3月12日
大野祐一


(参考) 当日持っていったアイテムのまとめ

ざっくりすぐ値段がわかるように、(2021.3.12時点で)Amazonで調べられたアイテムは、そのリンクを掲載しています。正確なスペック情報等は、各メーカーさんの公式HPをご確認お願いします。






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