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音楽のこと|Thank you for the music

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「わたしの人生を豊かにしてくれてありがとう」の意を込めて、さまざまな音楽にインスパイアされ創作した短編小説やエッセイをお届けします。
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2024年6月の記事一覧

詩「ニュー・ハチス」

詩「ニュー・ハチス」

風はそれ自体は見えず
つかむこともできない
けれどたしかにそこにあって
時々わたしの頬にふれる
木々の葉をざわめかせ
「好き」とささやく

今日はこんな感じね
わたしもこんな感じよ
呼んだり
呼ばれたりしながら

さて明日は
どこで聴こう 誰と聴こう
どこで歌おう 誰に聴かそう
あなたを

詩「オールド・ハチス」

詩「オールド・ハチス」

蓮の花は散ってしまっていた

でもね、葉っぱがお化けみたいに大きくて、残った花は茶色い姿になっても太陽を見ていたんだ

夏にあなたにもらった言葉を思い出したよ

「来る途中の緑がきれいだった」って言ったわたしに
「うん、そう思う人が見るからきれいなんだよ」って

ねえ、
"何べんだって愛は弾けて
 何べんだって愛は芽吹くよ"

いつもサイくんが歌っているんだ

秋が始まる
あなたが生まれた季節だか

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詩「スペル」

詩「スペル」

言葉は心を越えないものであってほしいと
願ってはいるけれど
ときどきうっかり
越えてしまう

越えた言葉で
傷つけた記憶が
わたしの傷となって
とどまり続ける

あの子に背負わせたもの
たったひとつの後悔が
今、わたしを生かす

全力のわがままと
ひまわりのような顔で
放つ言葉は
「愛している」

頬を落ちるしずくの温もり
ゆるむeyesと漏れる声

小さなてのひらのステージで
ねぇ、いっそ
踊り

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エッセイ「燃え殻2」

エッセイ「燃え殻2」

まだ明るさの残る帰り道。桜島を右手に、会社に通勤していたあの頃と同じ道を走っていた。

すこぶる疲れていた。
新しく習う仕事を覚えるのに頭をフル回転した一日だった。終わってからも何も考えられず、音楽もかけないままハンドルを握っていた。

はあー。疲れは、思考をネガティブに寄せる。今日とは関係ないはずの不安まで大きくさせた。

気持ちを切り替えたくて、radikoを流すことにした。「お気に入り」に登

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