山縣秀選手の守備 早稲田大学の隙の無い強さの象徴 ~第73回全日本大学野球選手権~
2024年6月13日
準々決勝第3試合
九州産業大学(福岡六大学野球連盟王者)対 早稲田大学(東京六大学王者)
じっくり生で観戦してまいりました
両チームに印象的な選手がたくさんおり
1試合のなかに見るべきポイントがたくさんありました
学生野球のなかのトップレベルの試合を堪能しました
1試合の中で席を立つことなど、できるわけがありません
最も印象に残ったこと
それは早稲田大学の隙の無さです
ミスをしない
相手のミスを突く
小さなことから試合の流れを掴む
「一球入魂」を掲げる早稲田大らしいと言えますが
小宮山悟監督のソリッドなチーム作りが、見事な形となっているように思いました
その象徴的な存在と私が感じたのは背番号2
遊撃を守る山縣秀選手(早大学院高)です
山縣選手が遊撃のポジションに立つだけで、内野が収まり、安心感を感じるのはなぜでしょうか
とにかく彼は慌てません
常に一定のリズムでプレーし、ミスをすることがほとんどありません
山縣選手の特徴はスローイングです
やや横手から投げる独特の送球フォームですが、常に同じリズムで打球に入り、送球動作へとつなげます
どんな打球が飛ぼうと、山縣選手のペースで守備を行うことができるのです
送球は機械のようにファーストミットに収まります
この試合の6回表、九州産業大が1点を返した局面、実は山縣選手のエラーが早稲田大の失点に絡んでいます
しかし、これは実際に現地で観戦したからよくわかることですが、山縣選手は打者が打つ直前、ポジションチェンジを行っていました
大学野球のレベルになると、各投球ごとに二遊間の選手が、そのケースを想定してポジショニングを調整します(同時に外野にも守備の指示を送ったりもします)
投手の投げる球種、打者の調子、想定されるケースに合わせて最善の守備を、特に二遊間の選手は行っているのです
6回表の失点シーン、山縣選手がポジションチェンジを行ったため、打球に追いつくことができましたが、弾いてしまいました
軽率なエラーや技術的な問題ではなく、集中力を保ってチャレンジした結果のエラーだと、私は感じました
事実、早稲田大はこの回の更なるピンチにも全く動じることなく、追加点を許さず1失点で収めました
これは試合の流れに大きな影響を及ぼしたシーンでした
山縣選手の集中力はどんなときも途切れません
マウンドでの投球練習中、キャッチャーからのセカンド送球の際、セカンドが捕球ミスをして後逸したと思った瞬間、カバーしていた山縣選手がサラッと捕球したシーンがありました
オンプレーではなかったですが、どんな時でもカバーに入り、打球が来ると思って身構えているからこそ、為せることです
外野からの中継でも、早稲田大の二遊間は見事に一直線のラインでカットに入り、相手走者に圧力をかけていました
少しでもオーバーランしようものなら、組織的にアウトにしてしまうという意志が、中継プレーから伝わるのです
その中心に常にいるのが、山縣選手です
本当に野球をよく知っており、プレーIQが高い選手だと思わされました
山縣選手の今後が気になりますし、わたしはずっと注目をし続けます!
ほかにもたくさん印象的なプレーヤーをご紹介したいのですが、また改めての機会に投稿できればと思います
お読みいただきありがとうございました!