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初めて仕事をクビになった。

新卒で入った会社を2年で辞め、どうしてもやりたいと安定を捨てて、年収が200万以上下がることも覚悟して職人の世界のような場所でフルタイムでアルバイトをすることを決意した。

でもなぜ私採用された?と思うくらい求められるレベルは高かった。というか、私があまりにもポンコツだったのだと思う。ただでさえ、頭を使いながら工夫しながら機敏に動くという苦手分野。それもわかっていた上で飛び込んだのだけど。

真剣さが足りない。努力が足りない。覚悟が足りない。熱意がない。興味関心がない。と毎日いろんなことを言われた。キリキリした。

こう書くとまるで私の元雇用主がひどい人みたいに思われるかもしれないけど、決してそうじゃない。人情味溢れる、人の感情の機微に敏感で、今の地位を築くため、血の滲むような努力をしてきた人、愛のある、とても尊敬できる人。むしろポンコツの私をなんとかしないと、と向こうだってキリキリしていたと思う。お前が人間的にいい奴なのは間違いないけど、とも言われた。

どれだけ言われても私はミスを連発するし。それで大事なお客さんに迷惑かけてたら、それは怒るよね。

試用期間3ヶ月が終わって、前日、限界だと、言われた。私が戦力として悩みのタネだと。その1週間前にははっきり、クビだと怒鳴られた。スタッフレベル昇格どころか、事実上クビ宣告。

なんとか粘って働く、という選択肢も選べなくもなかったけど、私は自分が求められているレベルに到達できる気がしなかった。だってそこまでの熱意が抱けない。

明らかに私の仕事史上、いちばん仕事に向き合ったし努力した。四六時中仕事のことを考えて、夜ヘトヘトになって気絶するように寝ても出勤前1〜2時間は机に向かう。そして戦場に行く気持ちで仕事に向かう。その真剣さは前職では決して得られなかった。でもそれはあくまで私の物差しだから。

仕事で何かを成し遂げていく人は本当に、なんてすごいんだろう。エネルギーに溢れているんだろう。背負うものが覚悟が違うからか。

やっぱり私はプライベートを犠牲にしたり、お盆正月も働いたり、有休なかったり、そういうのはできない。手取り15万というのもできない。レベルアップに必要な熱量もない。社員が現状2人しかいないのに、この2人と長年付き合うのも耐えられる気がしない。となったらもう辞めるしかない。

分かってて飛び込んだ部分もある。自業自得だ。

短い期間だったけど与えてもらったことは沢山ある。だからむしろ何も返せなかったことを申し訳なく思う。採用面接で騙したみたいだ。

私はもともと冷たい人間だったけど、自分で心からいいと思えないリフォームの営業という前職によって自分の心をガードするためにより冷たい人間になった。人とちゃんと向き合って仕事をする元雇用主に出会って、その冷たさは少し緩和されたかもしれない。人に寄り添って仕事するということを学んだ。

自分自身をキャリアアップしていきたい、仕事で生きていきたい、成長し続けたい、そういうタイプの人間だと思っていたけど、その熱量のレベルも思い知った。

辞めると言った時、お前は気持ちが弱いから変われない、と言われた。それに関しては自分でもわからなかった。変われないのかな。

これは逃亡だ。

でもあらゆる可能性を考えても今逃げた方が良いという結論に至ってしまった。自分のことが分かったからこそ。

悔しい。屈辱だ。挫折だ。

それにしても、お前がいなくなって楽になると直接言われるなんて。

ごめんなさい、と思うしかない。




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