ある日突然、心が死んでしまった話〜ドラマ「転職の魔王様」が刺さってます〜
今週の木曜日、それは起こった。きっかけは本当に些細なことだった。
私は4月から担当している取引先に訪問するなり、社長から50分間説教された。
内容の詳細はもちろん伏せるが、まあ概ね正論ではあった。私は法人営業をしていて、君がいかに仕事できていないか、というようなことを一対一で詰められたのだった。
その社長の態度・言動は大袈裟だったような気もするが、確かに求められるレベルのことができていないのは事実だった。私は社長の前で説教を受けながら突発的に泣いた。悲しいとか悔しいとか、そういう感情の輪郭がはっきりする前に涙が止まらなくなった。そもそも私はびっくりしたり、胸がいっぱいになったりすると勝手に涙が溢れてくるタイプだ。すみません、反省してます、もっと頑張ります、当たり前のことをできるように考えます…いろいろ言ってみて、出ていく頃には、社長もだいぶ冷静になったのか、はたまた、それとは別に記録的な猛暑を心配してかは知らないが、気をつけて帰ってね、と言われ部屋を後にした。ほんとだよ、と思いながらとぼとぼ電車に乗った。電車の中で、「仕事ができない 改善」をGoogle検索しながら、自分ができていないことを数えていた。こんな当たり前のことが、今の自分はできていないんだと思った。
猛暑の中、涙を隠すためにマスクをしていたことで、熱中症にもなりかけていたんだと思う。ただでさえ水分不足なのに、大粒の涙を流している場合ではなかったようで、会社へ戻ることには頭もぼーっとしてきた。でも、やらなきゃいけないことは山ほどある。上司に声をかけられる。電話がかかってくる。メール送らなきゃ。調べものしなきゃ。資料印刷しなきゃ。
急に頭が痛い、と自覚して、逃げるように化粧室に入ると、せっかく止まった涙がまた溢れてきた。やばいかも、と思うと、逆に涙が溢れてきて、誰もいないフロアの会議室へ逃げる。もう何に大して泣いているかもわからない。でも止まらないのだからしょうがない。15分ほどでやっと涙と鼻水が落ち着いて自席に戻ると、今度は上司に別室へ呼び出された。
私の直属の上司①は心がある人間なので、私を見た瞬間、様子に気がついたらしい。「どうしたの?」と言われた瞬間、私はまた涙が止まらなくなった。するとさっきまでもそれなりに泣いたはずなのに、比べ物にならないほど泣けてきた。嗚咽をしながら怒られた話をすると、一通り話を聞いてくれる上司。そして話をしながらふと気が付く、自分追い詰められすぎでは?
やりたい、とか、やったほうがいい、ということに大して、自分のキャパシティが明らかに足りていない。満足のいく対応ができていないということを今日怒られたけど、それは自分で解決できるものではない。なぜなら抱えてる事務量・作業量が圧倒的に多いから時間が足りない…
わからない。本当に私のキャパが小さいだけであって、他の人ならもっと当たり前にこなせているレベルの業務量なのかもしれない。いや、多分客観的にみても確かに多いけど、これは努力で乗り越えられる?でも現実問題、今の私は、求められている仕事に対して、どれだけ頑張っても追いつけていない。気がついてしまった。無理だ。もうここで私は頑張れない。ぎりぎりつながっていた糸が切れたような。一度溢れてしまった水は、もう元にはもどせない。怒られたからとか、悔しいからではなくて、自分の限界に気がついてしまったから、泣いているんだ。こうして私の心は死んだ、というか死んでいることに気がついた。
ちなみに、転職のことはこれまでもずーっと心にあった。エージェントに話をしたり、職務経歴書を書いてみたり、写真撮りに行ったり、自己分析してみたりとうことは一通りやった。それでも、”やりたいことがない”から転職活動を進めることをしなかった。もっというと私は、今の会社は妥協して入ったのだとずっと自覚していた。第一希望の会社に最終面接で落とされたことで、プライドの高い私は、条件が良くて、お金が稼げて、大手で安定してて、やりたいことがなくても頑張れそうだと思ったから選んだんだった。消極的な選択として自分の中で捉えてきたから、どこかでやめよう、やめたいとずっと思ってきたし、ずっと言葉にしてきたから、周囲の家族・友人からはさっさとやめなよといわれてきた。それでも転職してこなかったのは、続ける方が楽だったからだ。(そう思えば、3月までの環境は恵まれていた。4月に異動してから、私の業務量と同僚・上司が一変した。)つまりは逃げだ。わかってはいた。かといって、やりたいことがないのだから仕方ない、ということにしてきた。その割には、頑張って忙しく仕事をしてきたような気もするが、会社からさほど評価されていないことを思うと、その程度、だったということだろう。
だが今、ついに私は、続ける方が辛い、というフェーズに突入してしまった。このフェーズに入った今ならわかる。このフェーズに入ると、一刻も早く会社に行くという行為から逃げたい。転職とかどうでもいい、とにかく会社に行きたくない、会社からがんばらせようとされたくない、という危機感が募る。
結局、自分にとっての「幸」が何か、どこに向かうのかが分からないのに、幸せにもなれないし、そこには何の意味もないということだ。人生に向き合った人にしか幸せは手に入らない。ここにきて、推しの元アイドル佐藤優樹さんの「幸せは天ぷらそばのようにやってくる」(注文しないと食べたいもの=幸せはやってこない、逆にちゃんと注文できれば幸せになれる)がこんなに刺さるとはな…
ちょうど先週、私は友人に勧められあるドラマを見た。カンテレ制作の「転職の魔王様」である。主人公がパワハラで心を病んで転職活動を始めるが、成田凌演じるスーパーキャリアアドバイザーに出会い、自分の幸せを見つめなおすストーリーだ。あのドラマ、ちょっと非現実的な設定が気になってあまり考えていなかったけれど、よく考えるとめちゃめちゃ刺さるな。そう思って2話を見たら、成田凌の台詞がどれも自分に当てはまりすぎて心が苦しくなってしまった。(ちなみに明日が3話。同じ4年目営業職の転職志望者が出てくるようで、また刺さる予感。)このドラマが終わる頃には、私も何か進展させないと、という必死な思いでこの気持ちをnoteにしたためておきます。
これは完全に、to be continuedです。ようご期待。
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