定吉冷蔵庫に謝る③
僕と定吉じいさんは比較的仲良しだ
そう、じいさんは暇なのだ笑
小学校から帰ると定吉は嬉しそうに
僕の帰りを待っていた
友達との予定のない僕は
定吉とのたわむれる時間に費やす
定吉の満面の笑みを愛おしく思いながら
定吉との時間を楽しむ
定吉はけん玉も上手い
よくけん玉のコツは膝を使うんだと
教えられた、定吉は得意気に
玉を剣先に入れて見せてきた。
ある日に家族みんなで
ワイワイと
しゃぶしゃぶをしていて
食べ盛りの僕は兄貴と
どれだけいっぱい肉を食べれるか
競って食べようとするが
7つ上の兄に勝てるはずもなく、
いつも敗北を感じる、、
そんな食事もひと段落して落ち着くと
飲み物が欲しくなり
母親に頼むと『自分で行け!』と
一蹴されて渋々飲み物を取ろうと
冷蔵庫に向かい
勢いよくドアを開けると
"ガンッ"
とけっこうな音がして何かにぶつかった。
下の方に目を向けると
そこには『うぅぅ』と小さなうめき声を
あげてうずくまる定吉がいるではないか!
すかさずびっくりした僕は
『おじいちゃんごめんっ』
と慌てて謝り、薄く血で赤く腫れ上がった
ツルツルの頭を労わろうとしたところ
定吉は
『いえ、こんな頭でよかったら』
と意味不明な言葉で返して来た、、、
おじいちゃん、、そこにある
真実はなんだい?
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