⑨最終病理診断結果

昨日、退院後はじめての外来で最終的な病理の診断結果を聞きに行きました。
手術中の術中迅速病理診断では「境界悪性」と診断され、両方の卵巣・卵管・子宮・大網の一部を切除してもらいましたが、術中迅速病理診断は急いで診断するため正確性は100%ではなく、術後のじっくり調べる病理診断によって「よく調べたら悪性でした」という場合もあります、と言われていました。
また、術中に迷ったら軽い方の術式を選択します、とも言われていました。
そのため最終診断を聞くまで安心できず、早く結果が知りたい…でも卵巣ガンだったらどうしよう…結果聞くのが怖い…とモヤモヤする毎日でした。

最終診断は「粘液性境界悪性腫瘍ステージ1a」でした。
恐れていた卵巣ガンではなく、術中迅速病理と結果は変わりませんでした。
転移や播種もなく、手術で全て取り切ったので、抗がん剤治療なども必要ないとのことです。
とりあえずひと安心でき、腫瘍の型がわかったので、今後の治療方針についても考えることができました。
結果を聞くために主治医の先生が待つ部屋に入った時、先生の声のトーンが明るかったのが印象的でした。

「粘液性境界悪性腫瘍」とは、その名の通り粘液で形成されている腫瘍とのことで、私の場合は多房性で大きな腫瘍の中にたくさんの小さな部屋のような粘液性の房ができており、触ると水風船のようなフワフワしたかたまりだったそうです。
もう一度自分のカルテにある摘出した腫瘍の写真を見せてもらい、主治医の先生に詳しい状態や触り心地まで聞いて、ほうほう〜なるほど〜と満足いくまで質問させてもらいました。
また、境界悪性にもガンと同じようにステージ分けがあり、私は初期にあたる1aとのことです。
次女を授からなければ気づかなかった卵巣嚢腫、次女が知らせてくれたんだなと改めて感謝…いっぱいなでなでしてあげなくちゃ。

なんと、腫瘍の重さは1.2キロあったそうです。
20センチくらいの大きさで、子どもの頭くらいのサイズだったのでそこそこ重そうだなとは思っていましたが、1.2キロの腫瘍がお腹の中に入っていたと思うとなんだかすごい…
そんなデカい腫瘍をたった数ヶ月で作ってしまう人間の体もすごい、と思いましたが、よく考えたら本気を出せばたった10ヶ月で赤ちゃんの体を作ってしまえるので、デカい腫瘍を作り上げることもできちゃうのか〜と妙なところで納得。
私の場合、妊娠中に腫瘍もみるみる大きくなっていったので、胎児と同時並行で腫瘍も育て上げたわけで…変に頑張ったな自分の体…
術中前と比べて体重が4キロ落ちましたが、このうちの1.2キロは腫瘍の重さだったわけです。
グロい写真を何度も見る私に、同席してくれた夫は若干引いていました。笑

後でネットで「粘液性境界悪性腫瘍」について調べたら、「粘液性境界悪性腫瘍の場合、40〜50代で起きることが多く、大きい腫瘍(平均18センチ)になりやすく、多房性が特徴である」という学術書を見つけ、まさに私これじゃん!と思いました。
年齢だけは30代ですが…

腫瘍には他にも色々な型があり、その型によって効きやすい治療などがわかり、今後の治療計画を立てることができます。
ただ、境界悪性腫瘍については発症件数が少なく、まだわかっていないことが多いそうで、この治療をすれば再発しにくくなる、などはわからないそうです。
今回の私の病気が今後の研究に少しでも繋がって、未来の同じ病気の人の治療に役立てたらいいなと思い、大学病院の研究材料への協力に同意をしました。

今後の治療として、卵巣がなくなり女性ホルモンが出なくなり強制的な閉経となってしまうため、ホルモン補充の治療が必要と言われていましたが、ホルモン補充をすると再発しやすくなるかもしれない、まだその辺は臨床結果や統計が少なくよくわかっていない、という説明を受けました。
主治医からはどちらでもいいですよ、選んでくださいと言われたので、とりあえず今はまだ更年期症状は何も出ていなく生活できているため、ホルモン補充治療はせず経過をみたいですと伝えました。
卵巣を取る治療を受けた患者向けに、ホルモンが無いと起きるデメリットの骨粗しょう症や動脈硬化を防ぐための講習を、病院がやっているそうなので、11月に参加することにしました。
食べ物や生活習慣で予防できそうであれば、できるだけそっちで対策をし、再発の可能性があるホルモン補充治療は避けようという考えです。

今後どれくらい更年期症状が出るのか、女性ホルモンがないことで起きやすい病気に罹ってしまわないか、また再発はしないか、心配なことはまだまだありますが、結果が分かり気持ち的にもひと安心、やっとひと段落ついた、という感じです。
しっかりと経過観察していきます。
読んでくださりありがとうございました。

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