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③境界悪性ってなに?

第2子妊娠中に、MRIを撮りました。
妊娠中にMRIっていいの?と思いましたが、造影剤(より鮮明に写すために注射する薬)を使用しなければ妊娠中でも特に胎児に問題はないそうです。
妊娠32週頃だったのでお腹も大きく、MRIの撮影で30分ほど仰向けになるのが辛かったです。
お腹の中の胎児はMRIの大きな機械音に驚いたようで、未だかつてないくらいお腹の中で暴れていました。笑

MRIの結果は後日受診する際に伝えるが、もし悪性のものが写っているなど、急いだ方がいい場合は病院から電話しますと言われて帰宅。
悪性なら電話、良性なら電話はかかってこない。
電話来るな…電話来るな…と思っていたら、その日の夕方に病院から着信がありました。
着信画面に「〇〇病院」と表示されているのを見て、「ああ私ガンだったのか」と血の気が引いて、元気のない声で電話に出たと思います。

電話の内容では具体的には伝えられませんでしたが、「MRIの結果をお伝えしたいので明後日来れますか?可能であればご家族の方も同席してください」
とのこと。
家族の同席…もう悪い方にしか考えられなくなり、長女の前だったからこそ耐えられましたが、不安でいっぱいになってしまい、長女が寝た後少しだけ泣いてしまいました。
そんな私を見て夫はひとごとのように「大丈夫だよ〜」と、それがなんだか逆に救われて、ウジウジ考えていてもしかたないし、話を聞いて最善の方法をとればそれで良いと思えて涙も引っ込みました。

MRIの結果を聞きに病院に行き、担当医から
「腫瘍はやはり10センチほどになっています。良性か境界悪性だと思われます。ただ、卵巣嚢腫はお腹を切ってみないと良性か悪性か判断するのが難しい臓器なので、実際に手術をしてみないと最終判断はわかりません。でも今お腹に赤ちゃんがいる状況で手術をするのは胎児にとってもリスクは高く、腫瘍の位置も子宮の裏側にあるため、取り出すにはかなりお腹を大きく切らなくてはなりません。腫瘍チームとしては、出産まであと2〜3カ月を待ったところで、すごく進行してしまって手遅れになるとは考えにくいので、産後の体調が回復した頃に手術をおすすめします」
という話を受けました。
この日初めて卵巣嚢腫には良性と悪性以外に、中間の「境界悪性」というものが存在することを知りました。
ざっくりとパターンをまとめるとこんな感じ↓

良性=腫瘍の中身が体液や髪の毛・歯などでできていてガン細胞ではないもの。腫れている左側の卵巣だけ摘出する手術になる。片方の卵巣と子宮は残るので、妊娠が可能

境界悪性=良性と悪性の中間で、悪性度の低いガンのようなもの。抗がん剤が効きにくく、進行や転移もしにくい。両方の卵巣・子宮・大網の一部を摘出する手術になる

悪性=ガン。大腸や肺など他の臓器に転移したり浸潤することがある。両方の卵巣・子宮・大網の一部・骨盤内のリンパ節を摘出する手術になる。ステージによって術後に抗がん剤や化学療法を行う

また担当医から、良性でサイズもそこまで大きくない腫瘍であれば腹腔鏡手術ができるが、私の場合は境界悪性の疑いがあること、サイズが大きいこともあり開腹手術になることも伝えられました。

人生で手術をしたことがなかったので、開腹手術はちょっと怖いなぁと思いましたが、悪性ではなかったことに安心してその日は帰りました。

2カ月後、無事第2子を自然分娩で出産。
お産直前の内診で先生が触った時に、ん?出口が変な方になっちゃってるなぁ〜…〇〇先生も見てもらえませんか?え?あ〜ほんとだ〜腫瘍が邪魔なんだな〜…
と何度も色んな先生に内診されたり、出産時に腫瘍が邪魔になって赤ちゃんが出てこれない場合は緊急帝王切開になると事前に説明を受けていたので、無事に産めてホッとしました。
長女は完全母乳で育ちましたが、入院を控えていることも決まっていたので次女は最初から母乳とミルクの混合で、徐々にミルクだけにしていきました。
今考えるとこの選択はすごく良かったと思います。
もし混合にしていたら、術後傷が痛くて動けない中、母乳を搾乳しなくちゃならない事態になっていたので、考えただけでも痛み倍増です…

続きます

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