古着屋の倉庫を整理したら
古着屋さんの皆さまは「在庫」をどのように管理・保管しているのだろうか?
これから販売する予定で買い付けた在庫ではなく、
店頭に一度ならべたけど売れなくて下げた在庫。
新品の服を扱うアパレルさんの場合、
シーズンが終了したらアウトレットに流したりすることはあってもプロパーで店頭に再び並べるということは無い。
対して古着屋の商品は何度でも店頭に出せるので処分する必要がない。
セールの時に在庫から「セール用商品」として追加して消化しているお店さんが多い印象だけど、それでもやはり溜まっていくと思う。
開業して5年くらいだったらそれほど問題にならないかもしれないけど、10年20年と経ってくるとなかなかなボリュームになってくる。
わたしの場合、古着屋をはじめて26年になるのでそれなりの在庫を持っていて、ときどき倉庫の整理をするとけっこうな労力になるが、なかなか楽しい。
デザイン的に明らかに売れそうになくなったものもあれば、買い付けた当時より相場が上がっているものもある。
一時的にトレンドではなくなったものでも「本当は良いもの」は処分せずに保管しておくと再びキラキラ見えることもある。
効率・コスパは悪いけど二度たのしめる場合もあるので処分できず、ついつい溜めてしまう。
わたしは2003年頃に3DKの戸建てを倉庫用に購入し、そこに商品だけでなく、使っていない什器なども入れている。
15年の間にお店の規模は縮小し、扱う商品数も減ったということもあり、また新店舗のオープンに向けた資金調達の一部としてもこの倉庫を売却しようと決めた。
これまでの倉庫の整理と違って、倉庫そのものも整理してしまうので、内部の物は一つ残らず処分(売却)するか移動するかのどちらかとなる。
はじめて古着を売って秒速で700円稼いだ日から27年経った今も古着をいじるのが大好きなので、かなり大変な作業だけどとっても楽しい。
その倉庫かたづけ作業中にやっかいな物が見つかった。
昔、ディスプレイ用に入手した●▲の毛皮。
ワシントン条約の対象物で条約締結前に日本に入って来たもの。
その後、輸入は禁止されているが日本国内に既にあるものに関しては売買・譲渡に規制は無い時代があり、その時にわたしの元へ来た。
所謂「蔵」から出てきた品なのだが、それを証明する書類等がないため許可申請が出来ず、現在の法律では売買も譲渡もできないだけでなく「展示」もできない。
いまは所謂ハイブランドも「エコファー」を使用する時代。
いずれにしてもお店にディスプレイしたりできないけど。
極々稀なケースとはいえ、こんなことも実際に起こるので時流を見て適切に対処していかないと、お宝もお荷物になってしまう。
良い勉強になった。
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