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『シブキ』について~監督による意図と反省-②

まえがき

はい、こんばんは。
映像をメインに色々と作っています。ヨコヤマと申します。
詳しい活動などはTwitterアカウントなどから…

昨日に引き続き、およそ半年前に筑波大学Nuink. さんのイベントにて公開された『シブキ』という映像作品について、監督としての構成や美術などの意図、そして反省点について、簡単にですが、書いていきます。

(動画本編はこちら!是非ご覧ください)

昨日公開の−①はこちら!~1:20までの内容が解説されてます!

東京オリンピックとループ坂1:21~2:24

この記事を書いている2022/5/31となっては、東京オリンピックももうすぐ一年前の出来事にはなりますが、本当に開催されるのかどうか、大友克洋さんの「AKIRA」に登場した看板と合わせて非常に話題になっていました。
どちらに転んでも様々な不安を感じた、どうしようもなさ、やるせなさの強い日々だったように思います。

大看板の横の坂を登ると、一枚の布が現れ、それを潜るとまた坂の初めに戻ってきます。

実はこの後、坂の初めにループしたようでありつつ、オリンピック開催までのカウントダウンが8→1に進んでいたりもします。
延々と同じような日々の繰り返しで、無限に続くのかとも感じた緊急事態宣言。
されど、その中でもそこにある今は過ぎ去っていくのです。

2週目の布を潜ると、その後も続々と主人公が布を潜って登場してきます。
少しずつ振りの制約が崩れながら、時の進みというものを曖昧にしていきます。停滞しているようで進んでいることから生じる葛藤、恐怖を思いながら制作しました。

硬めの明朝体フォント
ポップなフォントに

非常に細かなところですし、野暮かとも思いますが、美術チームが頑張ってくれましたので。実は壁に貼ってある緊急事態宣言発令中のフォントも、人が登場するたびにポップになっていたりします。
段々と麻痺してくる緊急事態宣言への意識、生活の様子に感じた狂気的な様子をイメージしながらこの小ネタを入れました。

ここのシーンはこの張り替え作業や、撮影方法の難しさ(テスト不足で現場で変更したりもしました。本番と同環境は難しくとも、精度の高いテストの重要性を痛感しました。)などの理由から必要以上にあたりが暗くなってきてしまい、ダークな雰囲気や時間経過としては良い影響かもしれませんが、非常に見づらくなってしまったかなとも反省しています。

プロジェクションされた廊下2:24~3:16

ループを抜けると、今までとは打って変わって、薄暗い廊下にCGがプロジェクションされた世界観になります。
個人的には、現実を振り返りながら踊り歩いてきた主人公の、内面的な世界に近づいたシーンだと考えています。
プロジェクションの位置合わせや音楽との同期に撮影時は苦労していた思い出があります。皆様に感謝です。

廊下の先は、天地にプロジェクションされたシーンになります。
この天地プロジェクションでは、自然や街、電車など世界の様々な風景が巡っていきます。主人公は自身の内面に目を向け始めましたが、いつでもなんでも世界は動き続けます。

続く

ちょっと次の予定への時間が迫ってきたので、一度終わりにして、明日③で終わりにしようかなと思います。
このまま書き切ってしまいたい気持ちもあるんですが、遅刻するわけにもいきませんしね。

少しずつシーンとしても、自分の中の思い描いていたものと視聴者が感じるものが乖離しやすいものになってきたように思います。
また、当時は色味の編集などもよく出来てきたんじゃないかと慢心していたのですが、今見てみると気になる点がいっぱいです。
精進していきたいですね。

追記

③が更新されました


18歳/進路未定です/旅行記を残したくて作りました